僕が日々の診療で必ず行うのはカルテ記載ですが、人間の記憶は時間経過とともに直ぐに曖昧になるので、カルテ記載を怠ると、どのような治療を行ったかの詳細が定かでは無くなるので、とても重要です。
僕が初期外科研修を行った際、診察・検査・手術に追われ、ついついカルテ記載を忘れがちになると、そのたびに上司から「久保君、必ずカルテは記載するように!」と口が酸っぱくなるほど指摘されたものです。。
その教育のお陰があってか、カルテ記載は無意識のうちにでも行える習慣が身についたで、そのときの先輩の指導にとても感謝しています(^○^)
さてこのカルテ記載ですが国によってその手法は異なり、僕がしばらく整形外科研修を行った米国では、医師がカルテ記載することはなく”え、、医師がカルテ記載しない??”と皆さんは驚くかもしれません。
米国では治療内容について、医師が手書きで書けるレベルの情報では全く足りず、その行為の全てを出来るだけ事細かに記録する必要があるため、医師がカルテ記載をする代わりに”ディクテーション”と呼ばれる方法、すなわち医師が録音機に診療記録を口述で詳細に吹き込み、それを専門の秘書さんたちが文章におこしてカルテ保管する方法です。
なので1人1人の診察を終えるたびに、米国の医師たちは自分に与えられた机にに戻り、小型録音機に”何月何日、○○の目的で来院した○○さんに○○の理由で○○治療をして、今後○○予定予定である”みたいなことを吹き込む姿を日々見かけたものです。
何故、米国で詳細なカルテ記録が必要かというと、ご存じの通り米国は訴訟社会で、何か些細なことでも不具合等があれば訴訟提起されるリスクが常につきまとうため、そのリスクに備えて、記録保持に万全を尽くさねばならないからです(>_<)
日本の場合、同じ日本人同士で理解し合えているせいか、重箱の隅をつつくような事で訴訟提起されることは殆どないので、カルテ記載も常識範囲内で済み、その面では(^-^)日本の医師は恵まれているでしょう(^-^)
最近僕は中国での医療に触れる機会がありましたが、この国の医療は日本や米国とまた毛色が異なり、なんと医師がカルテ記載をする姿をあまり見かることがありません(?_?)エ?
ではこの国では誰がカルテ記載するといえばそれは医師でなく、看護師など医療スタッフが行っていて、さらに外科医が手術後必ず記載する手術記録も、中国ではあらかじめ用意された手術書面に直筆のサインだけして終了です。
なので中国で何らかの医療トラブルが生じた際、どのように対処するのかが気になりますが、僕がこの国の患者さんたち観察している限り彼ら・彼女は医療に対して非常に前向きで、後遺症が残るような余程の重大ミスが起きない限り行われた医療を受け入れるようなので、訴訟に結びつく事例は極々希な気がします。
このようにカルテ記載の違いを見ても米国、日本、中国でこれだけの差があり、どのシステムが最も優れているとは言えませんが、この国の順番でカルテ記載量が少なく、医療訴訟数もそれに比例して少ないのは間違いなさそうです(^_^;)
今後我々には馴染みの少ない中国医療について、さらに見識を深めてゆけたらと思っています(^-^)