”売り手市場”や”買い手市場”という言葉は経済用語として使われますが、就職活動を例に挙げると”売り手”は就職したい学生、”買い手”は採用する企業にあたります。

 

この話しは僕のクリニックの場合にも当てはまり、クリニック勤務を希望する方は”売り手”、その方を採用する僕は”買い手”となりますが、何故こんな話しをし始めたかというと、ここ最近日本は圧倒的に”売り手”優位の時代へと様変わりしたからです(・O・;

 

”売り手”優位とは求人数>応募者の状態、つまり就職先が沢山あるけれど応募者数が少ないので、応募者はじっくりとより良い条件の就職先を選ぶことが出来る、応募者優位の状況を表します。

 

この状態は日本の少子高齢化が急速に進んだ5〜7年前くらいから顕著となり、今やどの企業も優秀な人材を確保するのに苦労していると聞きますし、逆に学生(応募者)たちはどの企業を受けても合格し、その中から自分が一番気に入った企業をじっくりと選べるので、彼女・彼らにとっては大変有り難い状況とも言えるでしょう(^-^)

 

ところがこの”売り手”優位の状態は、なにも企業就職の場合のみならず、実は美容医療業界も特に都会で起きていて、クリニック数>お客様となっているようです。

 

つまり治療を受けるお客様数よりクリニック数が多いため、お客様たちは数多くあるクリニックの中から治療を行うクリニックを慎重に選択するようになったのです。

 

と言うのも今から15年以上前、僕が美容医療に飛び込んだ際は、クリニック数<お客様の”買い手”市場だったため、お客様は治療を行う医師に対して”なんとか治療をお願いします”みたいに、どちらかというと医師優位だったのですが、ここ最近、この業界でも大転換が行ったことになります(^_^;)

 

ただ学生の就職活動の場合と同様で、美容医療の”売り手”優位の状態は、治療施設の選択肢の幅が広がったので、お客様側にしてみると好ましい状況と言えるでしょう。

 

こういった”売り手”優位の状況では、数多くの同業ライバル医師の中から選ばれる立場なので、うかうかしているとお客様たちはみんな他クリニックに持って行かれてしまう恐れがあり、切磋琢磨に自分を向上させ、勝ち残る努力をする必要があります(>_<)

 

僕はクリニックにお越し頂いたお客様たちから、他院を受診した際の話をちょくちょく聞きますが、彼女・彼ら施設の雰囲気、医師やスタッフの接遇の枝葉末節まで、実に事細かに観察しており、そのたびに僕自身、身の引き締まる思いをしています。

 

その時ふと気づいたのが、”もしかすると、僕たち医師側がそのお客様の治療するか決めるというよりむしろ、お客様たちが僕たち医師をまるで面接するかのように見極め、合否をつけているのでは??”ということでした(・O・;

 

それは美容医療界にも生じた”売り手市場”優位の時代だからこそ起こった現象で、これから益々その傾向は続くはずで、この業界の医師達には、今後よりサバイバル競争が激化する”ホンモノ”だけが生き残れる厳しい時代が待ち受けているのではないでしょうか。。