米国人が好きな言葉に”セレンディピティ”(serendipity)というのがあり、それは”思いがけないものを偶然に発見すること、またはその能力”で、例えば大失敗と思っていた仕事や研究が、思わぬ発見などに結びつく時にこの言葉を使ったりします。

 

この”セレンディピティ”の日本語訳は辞書でも見つからず、この単語は18世紀の英国作家が書いた童話の題名から作られた造語なので、比較的新しい言葉なのでしょう。

 

ただ英語圏にいると、”セレンディピティ”は本当にちょくちょく耳にする言葉で、僕はそれだけこの言葉に重要性・価値があると以前から思っていましたが、今回何故この言葉に言及したかというと、近年、我々の生活から”セレンディピティ”的要素が奪われつつあると感じるからです(>_<)

 

例えば僕が都心で生活していてとても残念なのが、年々書店が減っていて、いつも通勤帰りに立ち寄っていた個性豊かな本屋さんなどは、いつの間にか大型チェーン店舗書籍店に吸収され、かつて存在した個性豊かな本のセレクションが消えてしまいました(・o・)

 

多分その主原因は”アマゾン”を代表とするネットショッピングの台頭であり、多くの人々が本屋に直接足を運ぶことななく、ネット通販で自分の欲しい本を購入するので、既存の本屋さんの売り上げが激減し、店舗閉店に追い込まれるのでしょう(v_v)

 

確かにアマゾンで本を購入すると、迅速に宅配してくれるので大変便利ですが、その代わり”セレンディピティ”が力を発揮することは決してなく、実は大切なチャンスを見逃しているかもしれません。。

 

僕が本屋さんに行く場合は、欲しい本を購入しに行くというよりむしろ、暇つぶしがてらブラブラと本屋さんをうろついてると偶然面白そうな本が目に付き、それを手に取ってパラパラ見ているうちに購入意欲が沸き、帰って読み始めると”わ〜っ、凄い!”と叫びたくなるほど、面白かったなどということがちょくちょくあります(^o^)

 

何も本だけでなく、洋服・食べ物でも、そして出会う人間や自分の仕事でも、最初から決められていたものより、偶然性を有しているもの、すなわち”セレンディピティ”が働いたほうがより気に入ったり、人であれば特別な関係に、そして仕事であれば天職となったりするのではないでしょうか?

 

僕のクリニック・スタッフたちも必要なものがあれば、すぐにネットで購入しますが、届いた商品は意外に使いにくかったり、デザイン性を欠いていたりと、気に入らないことがちょくちょくあります(-.-#)

 

僕は自分の目で見て、実際に商品を手にとって確認してからでないと買いたくない派ですが、それは僕が単に古い人間の証拠でしょうか??(^_^;

 

多くの人々がネット文化で同一方向を向かされている中、実は今こそ”セレンディピティ”が力を発揮する時であり、この能力を上手く使えると、どの分野でも沢山のチャンスと巡り会えると僕は信じています(^o^)