昨日朝クリニックに着くやいなや、時折いらっしゃるお客様が予約外で急遽クリニックにやって来るというのでスタッフから話しを聞くと、70代中半の女性であるそのお客様は自宅で転倒し、額を切ったとのこと(>_<)

 

そのお客様によると、一人暮らしの彼女は昨夜午前2時頃自宅でせわしく動き回っていた際、足がふらつき硬い床の上で真っ正面から転倒、気づくと辺りは血の海になり、救急車を呼ぼうと思ったそうです(゜◇゜)ガーン

 

しかしこんな状況でも意外に冷静だった彼女は、着の身着のまま救急搬送されてもその後困ると判断し、病院に行くための身支度をしていたところ出血が止まったので、朝になるのを待って近所の整形外科を受診したそうです。

 

ところがその整形外科では、眉毛を真っ二つに分けるように切れた長さ6cmもある切開を単純縫合しても、傷跡(瘢痕)が後々問題になると診断し、彼女に形成外科にて治療するように勧めたそうです。

 

そして彼女はふと僕のクリニックを想い出し、整形外科からその足でお越しいただいたのですが、早速彼女の傷を診察すると、左額の下部から斜めに眉毛を越えて、深さは頭蓋骨に達するまでの深い創傷でした。。

 

そこで僕は筋膜、皮下組織、皮膚を別々に三層で縫合し、特に皮膚は出来るだけ傷跡が目立たないよう、極めて細い糸を用いて形成外科で専門的に行う連続縫合を行い、治療は無難に終了しました。

 

不幸中の幸いだったのは、今回の転倒では脳挫傷・出血など脳へのダメージ(損傷)がなかったことですが、万が一脳内部へのダメージが生じると、命に関わる重篤症状が出現しますから、今回は迷わず救急車を呼ぶべき状況だった訳で、僕は彼女にこういった場合はすぐに救急車を呼ぶよう伝えました。

 

ところで年配者の転倒事故は我々が想像する以上に多く、高齢者で救急搬送されるのは年間7万人以上に上るそうですが、その内訳の81.5%が転倒を原因としたものらしいです(・o・)

 

僕の知っている高齢者の中にも、階段・お風呂場・洗面所などで転倒し、絶命したり大怪我をした方々がいらっしゃいますから、高齢者の転倒事故は決して侮れないことがよく分かります(×_×)

 

高齢者が転倒しやすいのは、加齢とともに足元がふらつきやすくなるからで、ある程度年齢を重ねて加齢による足元ふらつき傾向が出現した場合は、常日頃から滑りやすい場所では出来るだけ慎重に行動することが肝心です。

 

話を額を怪我した僕のお客様に戻しますが、日頃彼女は美容外科的アンチエイジング治療のため当クリニックを訪れていますが、縫合治療を終えて安心したのか、なんと僕に「先生、せっかくクリニックまで来たのだから、この際ついでに額や眉間のしわ改善注射をしてもよいかしら?」と言うので、僕は「○○さん、さすがに怪我した額周囲へのしわ取り注射は無理ですから、今回の傷が完全に癒えてから行いましょう」と僕は苦笑いをしながら答えました(^_^;)

 

このお客様、以前から超ポジティブなところが大変印象に残っていたのですが、一般人であれば卒倒するか、パニックを起こすような大出血を伴う大怪我を負いながら、その縫合治療を受けた直後に、その場で美容治療を求める積極的な姿勢に僕はある意味感心しました。

 

そしてこういう超ポジティブ姿勢を”転んでもただでは起きない?!”と言うのだろうと思いました(^^)