それにしても世間の人々は日産CEOだったカルロ・スゴーン氏の今回の不正収入問題に関して、その規模・金額の大きさに度肝を抜かれたのではないでしょうか?!
我々一般人の収入からすると、少なくともその1万倍以上の財産、つまり数千億円をすでに保有していながら、さらに日産から得た年間何十億円もの報酬を過少申告して脱税したり、世界各国に存在する自宅家賃を日産に支払わせたり、私的な旅行や飲食費を会社経費にしたりと、やりたい放題やっていたことが明るみに出たわけです(・o・)(・o・)
ゴーン氏は”すでに使い切れないほど、もしくは天文学的なお金を有しているのに、どうしてそんな犯罪行為(不正)を冒してまでさらにお金を蓄えようとしたのか??”と開いた口がふさがらないというのが我々一般人の率直な感想ではないでしょうか?!
しかもゴーン氏が年間に得た何十億円もの報酬は、14万人以上いる日産社員たちがコツコツ働いて産み出した財産であるし、彼が20年近く前に日産で行ったのは、当時の日本人CEOには心情的に決して成し遂げられた無かった2万人にも上る日産社員の強制解雇の断行だったので、その時解雇された日産社員からすれば、日産から巨額の不正収入を得ていたゴーン氏に対しては、怒り心頭しているはずです(`ヘ´)(`ヘ´)
お金については大変デリケートなトピックスなので、僕もこのブログでお金の話題に触れるのは出来るだけ避けてきましたが、こ何故このような大問題が見過ごされてきたのかについて考えてみる必要があると思い、思い切って書くことにしました。
先日僕は美容医療ビジネスに関わる友人達と食事をしながら近況について語り合いましたが、その際彼らは最近の傾向として、美容医療業界では幹細胞・再生医療が注目を集めていると言い始めました。
僕も医師として再生医療には大変興味がありますが、業者サイドの彼らの視点は”再生医療は儲かる!!””といった具合で、あくまで商売として再生医療に関心を示していたのです。
そして僕に「先生のクリニックでも再生医療をやったらどうですか?売り上げがグンと伸びますよ!」と言ったので、僕は「再生医療は専門に行っている医師達に任せるべきし、美容分野で再生医療の真価が問われるにはまだ時期尚早なので、今は美容外科治療に集中します。」と答えると、儲け話に僕が興味を示さなかったからなのか、彼らは驚いたような顔をしていました。
何故、僕が医療業者さんたちと話した上記会話を例に挙げたかというと、一般的に我々日本人にはお金儲け、もしくはお金自体が、この世で何よりも価値があるとする”拝金主義”が知らず知らずのうちに蔓延っていると感じることが少なくないからです(>_<)
勿論お金は非常に重要で、現代生活はお金なしに生きて行くことは不可能なのは認めざるを得ませんし、僕も自分を始め、クリニック従業員達が満ち足りた生活が出来るよう、それなりの売り上げを上げていく、つまり利益のためにこのビジネスを行っているのは認めざるを得ません。。
ですがそれもあくまで程度問題であり、クリニック運営が円滑に行える売り上げが得られているにも関わらず、さらに売り上げを増やそうとすれば、それは物欲・金銭欲がなせる技で、それが”拝金主義”へ向かう”悪魔のささやき”だと僕は確信しています。
そして、お金をどんどん際限なく増やそうとする自制心を欠いた人間に起こりがちな物欲・金銭欲の台頭が、何故か現代社会では否定されるどころか肯定され、よりお金を稼いだ人間がまるで”成功者”のように扱う我々の勘違いが、今回のカルロス・ゴーン氏のような、どん欲・モンスターを産み出す背景となった気がしてならないのです。(>_<)
逆にカルロ・スゴーン氏はお金以外に信用するものがないためにただひたすらお金を貯め込んで、それを自分自身の安心材料にしていた可能性があります。
ある賢人が言っていたのですが、「我々はどんなにお金やモノに恵まれていても、決してそれだけで幸せになれる訳ではない。逆にある程度でも満足、もしくは足りていると感謝する謙虚さこそを有してこそ幸せが得られる」と。
僕はこの賢者の言葉にこそ、我々が目指すべき真実が語られていると思うし、我々が”拝金主義”の洗脳から解き離れてこそ、より幸福な世の中が得られる気がしてならないのです。