先日僕は歯の調整に赤坂にある歯科クリニックを訪れましたが、ここは祖父から3代続く歴史があるにも関わらず、現営業はスタッフ院長1名とスタッフ数名の小規模体制です。

 

歯科診療についてですが、もし歯の奥に魚の小さな骨が引っかて取れなかったり、歯の詰め物をした結果噛み合わせが悪くなれば、それだけでも大変なストレスとなりうる大変デリケートな部位を扱います。

 

つまり歯科医の仕事は繊細さを要する技術職で、治療をお願いする歯科医は誰でも良いというわけにはゆかず、上手で信頼出来る歯科医師を探し、もしそのような医師を見つけたら治療は常にその方にお願いするのが一般的ではないでしょうか。

 

なのでこの歯科クリニックも他医師には大切なお客様を一切任せず、結局院長1人が診療全てを行う小規模体制で営業しているのでしょう。

 

実は美容外科も歯科に劣らず大変デリケートな医療行為が要求されるせいか、当クリニックにも開業当初若い医師を雇い入れましたが、ほとんど全てのお客様は僕が治療する結果となり、彼は間もなくクリニックを辞めてゆきました。。

 

そして開業以来13年が経過しましたが、結局僕は今でも1人で診療を行っているしこれからも1人でやってゆくことになるでしょう。

 

それに対して医療以外の一般ビジネスは常に拡張・成長を目標にしており、例えば前年よりも今年度の売り上げが伸びることを最大目標にしていることが多いのではないでしょうか。

 

というのも一般ビジネスは歯科・美容医療診療の如く人が直接手を下す技術サービスではなく、あくまで”もの”(製品)販売を主にしているように、ビジネス形態が医療とは根本的に違うからです。

 

勿論、医療でも拡張・成長を目指してビジネス展開するケースもあるでしょうが、そういった医療施設は優れた医療行為の提供よりも売り上げを最優先に行っている可能性があることを消費者は知っておくべきでしょう。。

 

今はそう考える僕も、開業したての若い頃は何を勘違いしたのか、ビジネス拡張や売り上げ優先にクリニック経営をしていた時期がありましたが、そういった下心を持てば持つほどクリニックの本来あるべき患者様最優先の方向からはずれ、クリニックの評判が下がり、慌てて軌道修正した苦い想い出があります(×_×)(×_×)

 

では今更ですが、僕のような一介開業医が目指すべき望ましい方向性とは何なのでしょうか?

 

それはクリニックビジネスを拡張させることでも売り上げを伸ばすことでもなく、当前の話ではありますが安全・良好な医療を継続的に提供すること以外に他なりません。

 

我々は何故か同じ事を繰り返しているとそれを退屈に感じ、新たなことに飛びついたりチャレンジしたくなる傾向がありますが、それは医療行為では慎むべきで、同じ事を確実に繰り返す地道な姿勢を基本にすべきです。

 

(もし新たなことにチャレンジするとすれば、その安全性や効果を十分に考慮しつつ、控えめに行う慎重さが必要です。)

 

つまり、”日々診療の成功を積み重ねることこそが僕の仕事の最大目標”と肝に銘じて、また明日の診療に望みたいと思います(^_^)

 

景気が回復し、新たな局面に入りつつある現在の日本の状況を見ながら、ふと上記のような基本の大切さを思いつきました(^_^;)