こんなことが起きるなんて。。。

金曜日の午後の手術中、クリニック全体がぐらっと揺れ、”あっ、地震だ。”と思いましたが、横揺れなので、これは阪神大震災のような直下型地震ではないと、冷静に努めました。

しかし、数秒後にはその横揺れが激しくなり、この地震がただらない規模であると気がつくのにそれほど時間はかかりませんでした。。

手術室の酸素ボンベが倒れ、その衝動で酸素が勢いよく漏れ出し、揺れている部屋の中でそのバルブを何とか閉めた頃には揺れはほぼ収まりました。

手術中の患者さんはベッドの上で治療中でしたから、さぞかし不安だったと思いますが、非常に落ち着いており、その冷静さに感動しました。

手術を中断し、手術室を出ると、クリニックのスタッフは外へ非難していました。外を見ると、多くの人々がビルから外に避難している様でした。

その後、何度か大きな揺れが来ましたが、とりあえず患者さんの治療を終えなければいけないので、僕は手術室に戻り治療を再開し、通常通り手術を終え安心しました。

その時の僕の心境は映画”タイタニック”で船が沈没していく中でも楽器を弾き続ける演奏家、沈没する船とともに命を捧げた船長と同じだったと思います。

傷を開いたまま僕の手術台に横たわっている患者さんをほったらかしには出来ないし、この手術を完結することが最優先だと思ったのです。

仮にビルが崩落したとしても、自分の使命を果たしながらであれば仕方がないとも思いました。幸運なことに東京は東北地方のような未曾有の被害を免れました。

被災者以外の我々日本人は冷静に状況を見極め、今こそ一致団結して、我が国が一刻も早く再生できるよう、努めるべきではないでしょうか。