一夜明けて、身体の節々が痛い。
脳のほうの具合は悪くないが、柿の木から真っ逆さまに落ちた時に対応した女医が、脳の打撲は数日後に症状が現れることがあると脅してくれたので、数日は酷い無茶はしないようにしよう。
もっとも古希のジジイに出来る無茶なんて高が知れているが。
昨夜は最後に井上ひさしについての本を読み、零時前に寝たような気がするが、今朝は5時過ぎに目が覚めた。
いきなり「セカンドラブ」を椅子に座って聴いたが、隣の土地を買って地下にワインセラー1Fに調理場とサロン、2Fに書斎、3Fに風呂とオーディオルームと寝室を自分でラフな設計をして、友人に3人一級設計士がいるので、ワインを餌に家に集めて文殊の知恵、最も過ごしやすい設計をしてもらおうと思っているが、先立つものが無い。
まあ、3階から海が見えるかどうかはなはだ疑問だが、河岸段丘の松林は見えるに違いなく、東海道線を眺めながら「セカンドラブ」を真っ当なロッキングチェアに座って聴きたいと思っている。
惹句に釣られて買った神椅子は、あの世に天国があれば、そこに用意されている椅子程の座り心地ではなく、大して感心するようなもんじゃなかった。
今はもっぱらイクラが占領し、庭に来る雀や目白や山鳩を眺めて寛いでいるから、猫にとっては可成り座り心地と云うか寝心地がいい椅子のようだ。
膝が悪いので、もうかれこれ20年以上二階からの階段は後ろ向きで降りてきているが、降り始めたらいきなりイクラが上に現れ見下ろした。
ヤツは妻の部屋で僕の動きを匂いと音で感知しているのだろうか、視覚によって認知していない事だけは確かで、視覚に多くを頼るようになった人間より優れている。
何でも目で見て確かめようとする、この人間の悪癖を改めないと、猫語が理解できるようにならない。
もう40年も前に中村雄二郎が「共通感覚論」などで、触覚の重要性を説いた。
西洋に対して日本の文化の優位性に誇りを持っているが、彼らが頻繁に行う握手やキスや抱擁などは優れた文化だと思う。
日本人は離れた距離でお辞儀をするので、身体接触による親しさが醸成されにくい。
イクラがやって来て甘えると、直ぐに抱きあげて膝に乗せ身体をさすっているが、こういったことを妻や子供に対して行わないから、親密性はイクラに対してのほうが強くなる。
マルが死んで来月で2年なるがになるが、庭に作ったお墓に妻は毎日花と線香を上げているが、僕が死んでもそんな事はしないだろう。
これってペットに関しての大きな問題を孕んでいて、それに言及すると長くなるから止めておくが、人間関係で悩むことが多いように見受けられる現代において、身体接触が日常的であれば、そのようなギスギスした関係は解消するように思う。
美人に下心をもっていきなりチークキスなんてしたら、張り倒されるだけならまだいいが、お縄になる可能性が高い。
身体接触の有効性は確かに高いが、実行の前に熟慮をぜひ怠らないように願いたい。