毎日ワインを飲んでいるわけだが、たまには、素敵なワイングラスで飲んでみたいな、と思うことがある。

のっけから恥ずかしい話で申し訳ないが、私はこれまでの人生で、ものすごい数のワイングラスを割ってきた。割って割って割りまくった。

とっても気に入っていた、結婚祝いのプレゼントにいただいたペアのグラスを割ったときなんか、なんとか調べて買いなおせないものかと、本気で悩んだりしたものである。

グラスに限らず、食器というものは、なぜか割れるのに順番がある。

いいものや、気に入っているものから割れていくのだ。

高価な食器はもったいなくて使えない、という人も多いのだけど、私はそうではない。好きなものはどんどん使う。そして割る。そして落ち込む。その繰り返しだった。

どっかの酒屋さんでもらったお皿とか、100均で買ったコップとか、そういうのは意外と割れない。そういえば私は何年か前から、サントリーの「金麦」で貰える食器をたくさん手に入れて(つまりそれだけ飲んでいるのだ)使っているが、ほんとに丈夫です。うちの食器は、いつのまにか、そういうのばっかりになってしまった。

 

それにしても。ワイングラスの形状、あれはちょっと意地悪すぎませんか?

細い脚の上に大きな本体。いいものほど華奢で薄ーーーーい飲み口周辺。

しかも、それでワインを飲んだり、それを洗ったりするのは酔っ払いだよ。

どう考えたって、「割ってくれ」と要求されているようではないか。

 

逆切れしている場合ではないな。こうして私は何度もワイングラスを割っては涙を飲んだ挙句、今は絶対に割れない、何でできてるかよくわからんタンブラーでワインを飲んでいる。割る心配がなくてとっても楽である。

 

ワイングラスがあの形なのは、ちゃんと理由があるようだ。香りを楽しめるようにとか、空気に触れて酸化がどうとか、渋みや滓の成分がなんとかかんとか、とか。紙パックのワインを飲んでいる私には関係がないのだ。

 

美しいグラスに注がれたワインの色を楽しみ、香りを楽しみ、味を楽しむ。

たまにはそういうのもいいなあ。

私が酔ったころを見計らってこっそりグラスを替え、いいほうのグラスを洗ってくれる人、いないかなあ…(笑)。

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