鵺の碑と書いて、「ぬえのいしぶみ」と読むんだそうだ。

京極夏彦氏の、「姑獲鳥の夏」から始まる、いわゆる「京極堂シリーズ」と言われる小説。この最新作が、もうもうもうもう、一向に発売されないのである。

外伝とか、なんだっけ、スピリチュアル?じゃない…、ああ、スピンオフだった^^; そういうのはいくつか出てるんだけど、肝心の骨太長編は、ずーーーーっと前に「邪魅の雫」が出たのを最後に、もう何百年も止まったまま。

何百年とか大げさに書いちゃったので、ちょっと調べてみた。前作「邪魅の雫」は2005年に発売されたそうである。なんと、16年も前ではないか!!(何百年ではありませんでした、すみません)

…ってことは、当時「邪魅の雫」を待ち焦がれ、夢中で読んだ私は、今より16歳も若かっ……、そんな話はいいのだ。やめようやめよう。

 

未だ世に出ないこの小説については、なぜ出ないのか、京極氏のファンの間ではさまざまな憶測や推測があったらしい。実は、私自身は、さっきの何百年関係を調べて初めて知ったのだが…。原発がどう、震災がどう、と、大掛かりな話がいっぱいあったぞ。

何年経ったかも気づかずに待ってた私って一体(笑)。けど、自慢じゃないが私は、シリーズものの続きを待って待って、待ちすぎて、もう待ってることも忘れちゃってる、なんてことも珍しくないので、「鵺の碑」もその中のひとつになっていた、ということなんだと思う。

もしかして、どっかに連載されていたりして、読んでる人もいるのかもしれないな。

でも、あのボリュームの小説を切れ切れに読むなんてことは、忘れっぽい私にはできそうにない。

このまま、忘れたふりをして待つしかなさそうである。たまに、何かのきっかけで「京極堂ワールド」の面々を思い出し、早く再会したいものだなー、と、それはそれで切実に思ったりもするのだが、最近の自分の記憶力の劣化を思うと、タイムアウトが近づいて来ているのではないかと非常に不安だ。

もしも私の目の黒いうちに「鵺の碑」が発売されたら、私は、まずはそれを読む前に、「姑獲鳥の夏」から、前作を全部読み返すことだろう。我ながらご苦労様なことである。

 

夜へんに鳥。鵺、という漢字は神秘的で、いやが上にもあの世界観の続きを期待してしまう。私と同い年の京極氏、同期の期待をくれぐれも裏切ることなかれ。楽しみにしているファンは多いことだろう。

 

 

蛇足:まことに唐突で申し訳ないが、ガラスの仮面はどうなったんだ。