2月初めからインドに行き、3月初めに帰って来た。
その間あれよあれよという間にコロナが世界中に広まり、帰国する時も予約していた飛行機が欠航になったりと、ちょっと大変だった。
1ヶ月ぶりの日本というか東京は様子がガラリと変わっていた。
外に人がいない。。
昼も夜もざわめきが消えて鎮まっている。
これが東京なのか…とあまりの変わりようにびっくりした。
帰って来たばかりで私の中にまだコロナの緊張感は走っていなかった。
インドではまだ感染者が出たか出ないかの段階で、まだのんびりムードが残っていたのだ。
日本人のビザの発行がストップしたりもしたが、ネット事情もあまり良くなくチェックする時間も少なかったので、なんとなく遠いところで起こっている出来事の様な体感だった。
なんならインドにいる間に新しい名前も貰ったりして、自分の中は祝福ムードだった。
帰国して日本の空気感が一変していて、ネットやらで情報を見ていく内に、ようやく私の中で良くも悪くも緊張感が育って来た。
緊急事態宣言が出た頃、
不安感の侵食がピークだった。
ある夜シャワーを浴びている時に自分の乳首の一部がちょっとへこんでいる様に見えた。
私の乳首はこんなだったか…?違う気がする…。いや違う。
癌かもしれない…癌かもしれない…癌かもしれない…
そう思い出したらいてもいられなくなって、緊急で近所の婦人科の乳がん検診を予約した。
超絶痛いと噂で聞いていたマンモグラフィーの覚悟をして。
結果、乳がんではなかった。
けれど、良性だがこれから癌に育つ可能性もある「しこり」もあるとのことで、定期的に検診は行こうと思った。
そしてマンモグラフィーは痛くなかった。私に関しては痛みは皆無だった。
マンモ、痛くない。
新しい体験。
そんなこともあったが、東京の空気の流れが穏やかでいつになく落ち着いていて、
この澄んだ流れに包まれて生活できることに、最高の幸福感を感じていた。
眠りにつく前、頭の中の考え事もぼやけてきて、しーんと鎮まって来るような感じ。
私の大好きな、夜の散歩中に時々現れるぽかーんとした空間が、昼も夜も永遠に続くかの様にただただ広がっていた。
何やらインドでも空気が澄んでヒマラヤ山脈が見えたり、ガンジス川が透明になってきちゃったりしたらしいし。
とにかく流れるようにゆっくりと大きく息ができる。
そんな安心感は至福だった。
7月、また様子も変わって来てこの先どうなって行くのかわからない。
でも、自分の内側を優しく包み込む「至福の空間」
これはもう逃したくない。