というわけでグロリア完成までご紹介しましょう。
これでも実質3日はかかっております・・・。
このように並べて厳正に位置決めをします。
板の縦何センチ横何センチのところに円が接地しているとかそういう感じです。
楕円は特にこの位置関係が重要で、円と違って回転方向にもずれるので位置決めがしっかりしていないと大変なことになります。
しっかり左右対称になったら下板に鉛筆でマーキングしておきます。
しかしながらスピーカーの奥行きがあるためにスピーカーパネルはこの状態から浮かさなければスピーカーが入りません。
その奥行きとスピーカーパネルを傾けることを考えて上下にMDFの棒を垂直に固定します。
この長さはどう決めるかというと・・・。
このようにスピーカーの背面がちゃんと逃げることを想定し、なおかつリアトランクが空いたときにスピーカーが下を向かないように傾きを考えて上下のMDFの棒の長さを決めます。
スピーカーをパネルにはめていろいろ傾けて判断しています。
これは棒に対してパネルを置いただけの状態。
これで本当にいいかいろんな角度から検証します。
問題ないようなので固定しましょう。
固定していきます。
実はただ棒の上に乗っけているだけではありません。
隣り合うスピーカーパネルとのつながりが自然に格好良くなるように微妙に横方向に傾けたりしています。
片側が終わったらパネルの厚さなどを参考に同じように反対側も固定します。
このへんのこだわりがパテを盛って砥いでレザーを張った後に流れるようなラインになる一因となります。
逆にパネルの角度にこだわりなく格好いい曲線は出せないとまで言えます。
なんとなく左右対称です。
厳密にミリ単位での左右対称は正直不可能です。
ただ、いろいろな工夫で出来る限り左右対称に近づけることはできますね。
モケットのような内張りがはまっていましたが、下の四角いMDFの形状にカットします。
切りすぎないのがポイントです。
この後この内張りに対してマスキングを貼り、外形がぴったりになるようにFRPを貼るのですが、穴が大きすぎるとFRPの貼りや形状に対して問題を起こしやすくなるので出来る限り綺麗にカットしたいものです。
リングと四角いMDFの間をMDFの板で埋めていきます。
言葉にすると簡単ですが、ちゃんと斜めにカットしてある程度ぴったりになるように板を成形しています。
なにせ傾いているわけですから四角形のままでは隙間が開くかはまりません。
ここは幾多の無茶加工をクリアしてきた経験からこのようなMDFの合わせは比較的得意になってしまいました。
具体的にはMDFをある程度の大きさの四角に切り、あてがって鉛筆で傾きのラインをマーキングし、ジグソーで少し大きめにカット。
そしてそのあとあてがって具合を見てベルトサンダーで傾きを綺麗にしますとぴったり合いやすいと思います。
この辺、綺麗にするのはインストーラーの意地でもありますが、微妙な差かもしれませんが剛性に影響があります。
ちゃんとMDFに接地していればスピーカーの音圧に負けないエンクロージャーが出来るでしょう。
そして怒涛のマスキング。
しっかり密着させないと浮いた状態でFRPが乾燥してしまうと隙間が発生します。
こうして見ると角度がかなり付いていることがわかりますね。
この後マスキングの上にボンドを吹いたアルミ箔を貼ります。
マスキングでは樹脂がしみ込んでしまい、最悪漏れて内張りについてしまいます。
大きなアルミ箔を貼ることによってそういったトラブルをなくします。
アルミ箔が貼れたら全体に樹脂を塗布した後にFRPを張り込んでいきます。
3層位貼りたいものです。
大事なところなのにしばらく写真を撮っていませんでした・・・。
FRPを貼った後に棒状にカットしたMDFを欲しいラインよりかなり低めに入れていきます。
曲線なので当然棒同士はずれ、隙間が空きますがここではシカトです。
多少の隙間はチョップドストランド&樹脂で埋まってしまいます。
エダ君のいうFRPくずですね。
刷毛でかなりの形まで成形ができ、厚盛りもかなりできるため最近はかなり重宝している成型方法です。
ある程度砥いだらパテを盛ります。
一回盛っただけでもうかなり形になっていますね。
これはMDF棒の入れ方とチョップドストランドによる隙間埋めがいい感じにできているからでしょう。
しかしこの辺でなぜこんな大変なことになっているんだろうと後悔しているところです・・・。
ブログだとあっという間なのですが、こういうの本当に地道で大変なんです・・・。
上側も盛ります。
なんかもうそれっぽいラインが出来ていますね。
ある程度まで形がでたらアウトラインを出すためにFRPをカットします。
ここでのカットの形状はセンスが問われます。
また、左右対称にするのも大変です。
しかしリングが左右対称であればそれを基準点としてかなりのところまでは持っていけるはずです。
ということで盛って削っての繰り返しでこのような形になりました。
個人的にはかなりよくできたラインになったと思います。
いいにはいいのですが、この立体物、レザー貼れるんでしょうか・・・?
いつもこんな感じです・・・。
まあ、そこを貼ってしまうからお客様にお金をいただけるわけです。
ということでいきなり完成です。
いかがでしょう?なかなかえぐい形です。
楕円の形をうまくデザインに流用出来たのではないかと思います。
昆虫の目的なレイアウトですね。
16アリストのヘッドライトみたいでもあります。
しかしこういうデザインは流れを重要視しております。
流れを重視し、全体的な曲線は破綻がないように考えて成形しています。
不自然なラインの流れはないようにしているつもりですがいかがでしょうか?
適正容量のウーファーBOXですっきりしたトランクとともにかなりいい感じになったトランクです。
オーナーさん、下もやらなきゃだめかな?と言われてしましたが、やりたくて仕方なくなったら是非お願いたします。
いかつい車高短グロリアからこんな渋めのカラーリングの外向きBOX。
トータルとしてうまくまとまったかな?と非常に満足のいくカスタムでした。
そして他の作業も進めます。
プリウスの天井横パネルはついに3層構造になってしまいました・・・。
でもこれもまだ天井の複雑な形状の一部に過ぎません・・・。
次のステップへ行きましょう。
なんで3層構造なんでしょうかね?
この形には自分のこだわりが現れております。
パネルの重なり、隙間のサイズ、LEDの隠し等々・・・。
こだわりすぎ位が人を感動、もしくはあきれさせます。
そしてステップワゴンセンターコンソールもかなり形になってきました。
シートを前に出すと容易にコンソールに当たりそうになります。
実はシートを左右両方前に出すとコンソールにはあまり面積をとれません。
それを想定してこの形状になっています。
横にもプレスラインを入れ、どこから見てもいかにも作りました感は出しません。
カスタム色が強いのでプレスラインもそれ風の形状にしていきます。
あとはBIGXが届けば爆発的に進みそうですね。
もう立ち止まっていることはできません。クオリティーは下げられませんが、次に待っているお客さんがたくさんいらっしゃいます。
最高の仕事を出来る限り早く。それが今のNACKSに求めらているところですね。
しかしながら忙しいことは素晴らしいこと。クオリティー高くACGファイナルまですべてをしっかり完成させたいですね。
それではまた!