もうすぐイースセミナーです。
ロックフォードやボストンなどの輸入代理店であり、ACGなどのイベントを開催しているイースコーポレーションさんの行っている年に一度のセミナーです。
技術解説や新製品情報などもありますが、何といっても各地方のなかなか会えない知り合いの方と会えるのが楽しいセミナーです。
今回はヴィッツをお借りして持っていきます。
写真撮っていなかったのですが、あともう少しで完成です。
派手さだけでなく、しっかりと作りこんだつもりですが、一流のお店さんがたくさん来るセミナーなのでどう思われるか内心ドキドキです・・・。
さて、プリウスアウターです。
もう結構前の写真です・・・。
先日作成したアウターパネルと隙間調整用のリングをこの時点でビスで固定します。
アウター製作ではここがポイントになります。
隙間調整用のリングの底面に接着剤を塗り、この状態にはめて接着します。
これで隙間調整用のリングがインナーバッフルと合体しました。
この後アウターパネルを内張り側に接着することによって、はずして元に戻してもずれることのない精度の高いアウターが完成することになります。
アウターパネルをはずしました。
なぜアウターパネルを内張りに接着しないのか?といいますと、今はインナーバッフルはボルトナットで固定されておらず、ただボルトによってはまっているだけです。
これはインナーに穴が開いていないために手が入らないからですが、この状態でアウターパネルを接着してしまうと奥行きに微妙にずれが生じてしまいます。
なのでアウターを一度はずし、インナーの内径の穴をあけてボルトナットで固定してからアウターを内張りに接着します。
このことによって高い精度で作成することが出来ます。
おそらくやらなくても誤差は1~2mmというところですが、その積み重ねがちりのずれになります。
こういうベースとなる固定は1mmでもずらさないつもりでやることが大事なのだと思います。
ということでインナーがだいたい完成です。
最初に穴を開けていないので、アウターの位置を決めてしまってからでもちゃんとインナーに正確に穴が開くことになります。
なのでインナーも左右でほんのちょっとずれがあります。
左右で現物合わせで位置を合わせているのでちょっとはずれてしまうのです・・・。
ここでアウターを戻し、ビス止めしてからアウターと内張りを接着剤で固定します。
ここでカッターで内張りを切ったことによる精度の良さが接着に有利に働いています。
接着剤で固定しました。
隙間がないと全面で接着できるので非常にずれが少なくなります。
ここで適当にやっていると、完成した時に内張りとドアの鉄板の隙間がそろわないなど精度の悪さにつながる気がします。
ここでアウター部分のみにパテを盛ってしまいます。
これによってアウターパネルと内張りのずれがなくなり、強度があがります。
これをせずにドア左部分をカットしてしまうとグニャグニャの内張りになり、どこが元の位置かわからなくなります。
面倒でも最低でも2回にわけて固定をするようにしています。
ここでもうある程度形がでていれば次が楽です。
この複雑な形状でもだいたい3回くらいでパテ盛りを終わらせるのが目標です。
次は左側のデザインパネルの成形に移ります。
棒状なのでかなりゆがみやすいです。
ここも精度高く加工することによって出来る限りゆがまないように加工します。
マーキングした線に対してカッターで線を切り、何度かなぞったのちにPカッターで引っ掻きます。
ただ、一度目にPカッターを入れるときは引っ掻くのではなく、一度押して溝を掘るようにしてから引っ掻くとずれが少なくて済みます。
文章にしてみるとわけがわからないかもしれませんが、やってみるとお分かりになるかもしれません。
結構がっつり切ってしまいました。
これでアウターも成形せずにカットしていたら大変なことです。
ドアに戻しました。
こうなると内張りの裏の奥行きなどがよくわかります。
やはりパネルも平面にただ接着するのでは芸がありません。
いきなり接着終了です。
ぱっと見は平面的に接着されているように見えますが・・・
このような角度でアップにするとお分かりになるでしょうか?
真ん中のパネルは奥まった位置で接着し、上下のパネルは若干くの字になるように接着しています。
見てすぐわかるような角度ではありませんが、微妙でもこのように変化をつけることによって簡単に作った感じのない、手の込んだカスタムになるのだと思っています。
アウターパネルと左側のパネルの接着面を見ると角度が付いているのがお分かりになると思います。
ただ接着する際に簡単に枠がゆがむので、テンションをかけずに位置決めをしないといけないので微調整が必要です。
一部ではこのように純正のラインからかなりかけ離れた位置にパネルが来るところがあります。
ここをいかに自然にラインを作成するかが問われます。
こういったラインをただ埋めるだけなのか、自然な角度を心掛けて埋めるのかで作品のクオリティーはかなり変わります。
そこらへんに落っこちていた木をあてがい、純正のアールにある程度近づけて間埋めの板を作成します。
まずは底面のアールだけ決めます。
決まったら裏側のパネルのラインにマーキングし、いい位置でカットすれば・・・
このような感じになります。
精度はあまりよくありませんが、ここではそれほど精度は必要ありません。
すべてに精度を求めていたら時間がいくらあっても足りません。
精度の必要がないところは一気に適当になります・・・。
とはいえど、ある程度のレベルでは作りますが・・・。
あまり谷が深いとレザーの貼りこみが難しくなります。
難しいだけならがんばるのですが、難しいということはしわが出やすくなり、クオリティーが下がります。
なので出来る限り自然に谷を浅くするためにこのようなMDFを貼りつけます。
後はフィーリングで埋めていきます。
こういう場合はだいたい想定するラインよりかなり低く作ったほうがいいです。
削っているときにMDFがでてくると途端に成形が難しくなります。
ちょっとでもパテを減らしたいので割り箸で角を補強しておきました。
このようなちょっとした隙間埋めは割り箸が実に有効ですね。
パネルの接着後にパテを一度盛りました。
これをさらにパテ盛りして成形するのは結構昔の自分のやり方でした。
どうもこの状態でパテを盛ってもラインがダルく、格好良くありません。
なのでこの状態から削り込んでシャープにしてしまいます。
このような感じに削りました。
これでよりパネルと内張りをつなぐラインが自然になったと思います。
これはほぼベルトサンダーで行っています。
言うまでもなくペーパーでここまで削るのは不可能に近いです。
ベルトサンダーで出来る限り綺麗にラインを整え、ペーパーで段差を取るぐらいの感じで作業しています。
さきほどうめたMDFもベルトサンダーで削り込んで出来る限り自然なラインに近付けておきます。
ここではパテを盛った後にMDFがでてこなくなるように完成のラインよりMDFを低い位置まで削り込んでおきます。
そしてパテ盛りです。
一度盛っただけですが、かなりいいところまでラインがでました。
これはやはりMDFをラインに近いところまで入れていることによって可能になります。
MDFを厚盛りすると引っ張られてラインに追従しなくなるのでベースが重要なのです。
全体像です。アウター周りなどは2回目のパテ盛りですね。
この時点でほぼラインがでています。
これを砥いで仕上げパテで微妙なゆがみなどを取ればこのアウターは形状は完成です。
散々ごたくをならべましたが、結論は格好いいか格好悪いか、音がいいか悪いかです。
音はまだわかりませんが、形に関しては幾何学模様というか、直線で構成されながらもデザイン性を持たせられたのではないかと思います。
ただ、これはまだ枠の状態です。
完成のラインはこれよりまだちょっと複雑になります。
というより、この状態では自分のイメージするドアにはなっていないのです。
ここからいろいろやることによって完成後はもっとシャープな感じになります。
難しいのがそのイメージを間違えて成形すると、具体的に言うとパネルを大きくしたり小さくしたりしていると思ったイメージと違う形になりがちなのですが、それをさらに踏まえてイメージすることによって現状のパネルは最終イメージとはちょっと違う形になっています。
まあ、完成してみないと何とも言えませんが、現状はいい感じでパネルの太さなどを設定できたと思います。
ここから完成に向けてどのようになるか、自分もまだわかりませんが楽しみですね。
そういえばお預かりしているワゴンR、ありえないアンダー&ホイールインLEDをやっています。
というか、もう試験点灯は見てしまったのですが、かなりありえないことになっています・・・。
多分明日には完成なので、動画をお楽しみに!
それではまた!

























