今日はインプレッサワゴンにおけるトランクワークのアンプラックに焦点を当て、解説させていただこうと思います。
最近非常にDIYの方のお問い合わせが多く、個人的に商売抜きにしてDIYの方の参考になること自体が光栄だと思っております。
自分のやり方がいいのかどうかはわかりませんが、もし参考になることがあればうれしく思います。
さて、今日は非常に細かいので強烈に長いです・・・。
好きな人だけ見てくださいね。
今回はアルパインのPDXアンプを3枚使います。わけありで2枚しかありませんが、2枚あれば製作は可能なのでガンガン進めます。
PDXは4隅にビス隠しの丸いパーツがつきますが、ここでスタッキングと呼ばれるアンプを重ねて固定するやりかたがあります。
これを利用して限られたスペースに3枚のPDXを納めたいと思います。
インプレッサのスペアタイヤスペースは中央より右側にオフセットされています。
なので普通に四角のアンプラックを製作してしまうとスペアタイヤのへこみは使えずに床が高くなってしまいます。
なので、一枚のアンプを下に下げ、残り二枚を重ねて床の高さを出来るだけ下げようと思います。
3枚並べるとほかの機材の関係もあり、完全にアウトなのです・・・。
まずはこのような部品を。
斜めに切れている部分はスペアタイヤスペースの形状の逃げです。
2枚のアンプが乗っかる台を製作し、先ほどの板を4枚製作して接着します。
この高さはPDXアンプをスタッキングした場合の高低差と同じ高さです。
このようになりました。
これでスペアタイヤスペースの形状を逃げることが出来ます。
床となる板もそのために横が短くなっています。
両方接着しました。
もうすでに雰囲気がでていますね。
ここから装飾、BOX化という流れになります。
とりあえずトランクに仮置きです。
多少当たるところはあるものの、削りで対応できるためにこれで位置的なものはOKです。
さて、ただのBOXではつまらないので最近使っているアクリルバーを入れてみようと思います。
形状的にそんなに見える所じゃないんですけどね・・・。
まずはアクリルバーのテンプレートを製作します。
半分だけ形を作り、反転させてルーターにかければ左右対称のテンプレートの完成です。
位置的にはこのようなレイアウトになります。
これを床に埋まっているかのようにするために両サイドの床になるパーツを製作していきます。
これだけ見ているとわけがわからないですね。
アクリルバーの両サイドは斜め上に立ちあがっていく床があるわけですが、これらがその床になるパーツです。
後で何を言っているかはお分かりになるかもしれません。
ここだけだと意味不明ですね・・・。文章力が・・・。
こうなると鋭い方はお分かりだと思います。
先ほどの板をカットしたものですが、カットした部分はスペアタイヤスペースの逃げになります。
このように接着します。
鉛筆で書いてある線はアクリルバーをあてがってなぞったものですが、このパーツに埋め込まれるとアクリルバーの形が変わります。
こういうことですね。
アクリルバーの固定もこれでOKなわけです。
裏からLEDを当てれば光源は見えないのにアクリルバーは光るということにもなります。
もうワンセット同じことをすれば2枚並ぶわけです。
気合があれば何枚でもいけますが・・・・。
ということで全部接着しました。
ここまで来ると意味不明な言葉もわかっていただけるのではないでしょうか?
ブログで見るとここまであっという間ですが、これをやるだけでも10枚以上のMDFパネルを製作しなければなりません。
このような作業は自虐的なインストーラーでなければやらない作業でしょう・・・。
アクリルバーは垂直に上げれば抜けます。
実際には床下からビスで留めるわけですが、ビス穴も見えません。
また、アクリルバーは15mmで製作しますが、アクリルバーの真横の板も15mmです。
この時点ではぴったりになりますが、生地を貼ると間違いなく15mmのアクリルははまらなくなります。
なので、細かいMDFパーツはすべてアクリルが当たる面には0.5mm前後の落とし込み加工を先にやってあります。
だんだん内容が専門的になりすぎてきた気がしますが、今回はお許しください・・・。
もともと両サイドのアンプのベースの板には穴が開いています。
これは単純に軽量化です。
これだけの軽量化では意味がないようですが、これの積み重ねは大事だと思います。
なので中央にも穴をあけます。そのついでに配線が通る穴もあけておきます。
このアンプラックはスェード貼りになりますが、いくら伸びるスェードでも貼れる面には限界というものがあります。
なので少しでも貼りやすくするために直角の面を削って少しでもなだらかにします。
このへんはベルトサンダーで荒く削ってしまいます。
荒くといっても結構繊細にベルトサンダーを動かし、出来る限りペーパーがけ、パテ盛りが最少で済むようになるべく綺麗に面を出します。
ここの技術の差はもろにスピードに影響します。
ここのうまい下手でペーパーがけの時間、パテ盛りの回数が変わってしまうのです。
ペーパーがけしました。30秒くらいで十分です。
この後パテ盛りでなだらかにしていきます。
自分もうまいほうではないのですが、こういう場合はある程度盛り気味にします。
なぜかというと2度パテを盛るのは時間的にかなりロスだからです。
ということでペーパーがけ終了です。
とはいえど手前側にも加工があるのですが、BOX化してしまうとここは手が入りづらくなるので先に成形を終わらせました。
アンプとのクリアランスもいい意味でごまかせました。
こういうところのつじつま合わせは手を抜けばいくらでも出来るのですが、ここをやるとやらないのでは仕上がりがまるで変わってしまいます。
特に下段アンプに左端部分です。
ここは丸めてあります。手を抜けば直角のままでもいいのですが、まずスェードが貼りづらくなります。
また作った感が強くなってしまうのでここは丸めるべきだと判断しました。
なるべく垂直な面はなくし、丸めることによってスェードを無理なく貼り、いかにもこういう形のものがあったと思わせなければなりません。
さあ、BOX化です。
手前と奥行き側は対して制限がないため、ここから製作します。
手前側はライティングのために穴をあらかじめあけておきます。
ここに乳白色のアクリルを入れて裏にLEDを仕込めば覗かれても恥ずかしくない間接照明が出来ますね。
ここで高さは出来る限り抑えたいのですがアンプに干渉してもいけません。
上に板を置いてアンプが逃げることを確認して高さを決めます。
側板も接着し、BOX化が完了しました。
しかしこれではまだビジュアル的にいまいちです。
アンプの配線は見えないように加工しましょう。
板の下には垂直方向に板が接着されています。
これのおかげで配線隠しの板は剛性が保てます。
大げさに言うとアンプBOX全体の強度を上げる役割にもなっています。
手前側はほとんど見てもらえませんが、ここもしっかりやらなければいけません。
奥側の垂直の板とアクリルバーの入っている面とは隙間があるので、MDF2枚を貼ってパテ盛りします。
これも強度を上げるためにパテ盛りだけではなくMDFを入れることが重要だと思います。
もちろんパテの無駄遣いにならないようにもです。
さて、アンプBOXの中にエンブレムを入れようと思うのですが、四角のアクリルでは芸がありません。
しかしスペース的にそんなに大きくないので複雑なデザインは出来ません。
周りとの形状も考えて端を丸めました。
この端はプレートの高さ方向のサイズを直径とした円を製作し、両サイドに固定してルーターをかければ綺麗な円で切ることが出来ます。
この場合は円が小さくて円自体を作る時にルーターをかけるのは結構ビビりました・・・。
両サイドのアンプに関しては配線隠しはOKです。
今度は中央のアンプの配線を隠します。
ここで先ほど作ったエンブレム用のアクリルプレートの枠が使われます。
アクリルプレートの板を置き、鉛筆でけがきます。
上下は直線なのでMDFを固定して、左右はそのままルーターをかけます。
このような感じで鉛筆の線の内側だけをルーターの刃で削り取ります。
反力があるので慎重にやらないと削りすぎるどころかMDF自体を持っていかれて大けがにつながることもあるので非常に慎重になる作業です。
段つきを作って枠は終了です。
アクリルプレートが段つきに引っかかって固定されるわけですね。
それをこのように接着。
上にプレートの左右を円にしたことを有効に使うためにちょっと円がかったプレートを接着します。
アンプをはずしてみると配線の逃げがちゃんとできていることがお分かりだと思います。
こういう場合は設計図などありません。
現物合わせで気づいたらこうなっていたという感じです。
終わってみてよくやるなあ・・・、という感じです。
BOXの四隅はこのような板を入れ、スェードが貼りやすくなるように斜めになるように加工します。
この板を入れて後はパテでごまかすのみです!
パテ盛りしてみました。
覗きこまれないと見えない部分もしっかりやる。
完全な自己満足の世界ですが、インストーラーの自己満足はえてしてオーナーさんの満足感につながることが多いので、この路線を突っ走ろうと思います。
パテ盛り、研ぎが終わって仮に置いてみました。
つまりは写真撮り忘れで研ぎ終わっての写真がないということです。
高さ的には問題ありません。後はこのパーツを床面に固定し、周りのパーツを製作していくことになります。
いかがだったでしょうか?DIYなどでこのような作業をしたことがない方には何の役にも立たないブログになってしまいました。
しかし、いつも製作しているトランクなどがこのくらいの手間がかかっているということは伝わったのではないかと思います。
文章では面倒くさいとかよく書きますが、この面倒くさいという言葉はある意味自分の特徴でもある自虐的な手間のかかる仕事を進んでやるということを照れ隠しで言っているところがあります。
本当にめんどくさいと思っていたら逆に言いません。これからもがんばって面倒くさい作業を頑張っていこうと思います。
ここまで見てくださった方、ありがとうございます。それではまた!