白石一文/著「ほかならぬ人」を読み終えた。
主人公は27歳になるスポーツ用品メーカーに務めるサラリーマン。
出自は世間に誰しもが羨む財閥の家系に生まれ、
ふたりの兄は一流大卒の研究者。
自分は勉強もさほどできず、かといって何かに秀でてる訳でもない。
「自分は生まれそこなったんだ」と深いコンプレックスを抱いてる。仕事の接待先でキャバクラ嬢に一目惚れし、交際に発展し、周囲の反対を押し切って結婚をする。
幸せな結婚生活を送り出してしばらくして、妻から「結婚前に交際していた妻子ある男性のことが忘れられない」と告白され、亀裂が入り、別居に。一度はよりを戻すも、ある事件が起こり、結局離婚となる。失意に暮れる主人公は、会社の女性の先輩に相談をするうちに、彼女に叙々に惹かれていく。彼女は決して美人ではないのだが、営業のスキル・人間的なあたたかさ・強さ等、信頼の置ける人物。物語の後半は、彼女は担当した北京オリンピックでのビッグプロジェクトで大きな成功をおさめ、ふたりは恋愛へと発展するのだが、そこには厳しい運命が・・・。
本文中にこのような文章がある。
何が必要で何が不必要かではなく、単なる組み合わせや配分の誤りによって生まれているだけではないだろうか。これが必要な人にあれが、あれが必要な人にはそれが、それが必要な人にはこれが渡されて、そのせいで世界はいつまでたってもガチャガチャで不均衡なままなのではないか。どうやったらそれぞれが「ちゃんとした組み合わせ」になれるのだろうか?
ベストな相手に見つかったときは、この人に間違いないっていう明らかな証拠があるんだ。
人間の人生は、死ぬ前最後の一日でもいいから、そういうベストを見つけられたら成功なんだよ。言ってみれば宝探しと同じなんだ。という言葉が印象的だった。