長崎野菜のヴィーガンカレー

平和公園を過ぎると、長崎原爆被災者協議会の一階にカフェがあった。
そこでカレーを食べた。細かく切られた野菜の、クローブの効いたカレーだった。透明なガラスコップの中にピクルスが入っていた。

ここで殺された7万人の中には、いろいろな人がいただろう。でもどの戦争でも、戦争を始めたのではない人たちばかりが死んでいくということを絶対に忘れてはいけない。戦争を始める為政者やそれを助ける他国の為政者、愚かにも人々を焚きつける作家やキャスターは戦争では死なない。たいした意味もない思い込みに端を発して、間違った法に基づいて正しいこととして人を殺すのだから、戦争というものは他の種類の暴力よりずっと醜悪だ。幻想の中に生きるのが人だとしても、他人の誇大な幻想の巻き添えになるほど虚しいことがあるだろうか。

民主主義が機能せず、また判断するための情報が得られない中では、正しい選択はできないのだから、踊らされて死ぬ人が悪いのではない。人の弱さを了解したうえで、それを補う制度がなくてはならい。

ぼくたちは、たくさんの人があるはずだった未来を失い、二度と戦争はしないと固く誓ったはずだ。
すべての人が成熟して、共存できるようになるのはずっと先だろう。
でも戦争をしないというひとつの決まりだけは守るべきだ。