新宿ピカデリーにて映画『5パーセントの奇跡 〜嘘から始まる素敵な人生〜』観てきました。
【作品詳細】
95%の視力を失いながら「5つ星ホテルで働きたい」という夢のために大芝居を打った学生の実話を、「白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々」のマルク・ローテムント監督のメガホンにより映画化。先天性の病気により95%の視覚を失ってしまったサリー。5つ星ホテルで働くという夢を実現させたいサリーは、無謀にも目が見えないことを隠して一流ホテルで見習いをスタートすることに成功する。周囲からの助けも借りながら、持ち前の明るさと機転を利かせ、サリーは次々とホテルの研修課題をクリアしていった。しかし、完璧かに思えた偽装計画は、ある女性との出会いによって、徐々にほころびが出るようになってしまう。主人公サリー役にコスティア・ウルマン。サリーを支える研修生仲間のマックス役のヤコブ・マッチェンツのほか、ヨハン・フォン・ビューロー、アンナ・マリア・ミューエらが脇を固める。
(原題/『Mein Blind Date mit dem Leben』 本編/111分 2017年/ドイツ 配給/キノフィルムズ ※PG12指定作品)


実話を元に制作された作品。「もし、自分の視力の95%が失われたら…」、そう考えると自分はどこまで夢に向き合えただろうか。
この映画の主役であるサリーを通して、モデルとなった大学生の想像を絶する葛藤や努力があったことが想像できる。

この作品に“悪い人”は出てこない。唯一出る“悪い人”がサリーの父親とゆう、障がいを抱えた方をテーマとした作品としては珍しい。でも、それが現実なのかもしれない。障がいを抱えた方の物語だと美談なものが多いけど、その影で多くの「現実は厳しいよ」と思わされるようなことが起きているのだろう。

この映画自体は決して“映画的展開”が多いわけではない。正直、映画としては「もう少し展開があってもいいかな」と思ったぐらい。
でも、きっとそれが現実なんだろう。障がいを理解し、サポートてくれる家族や他人もいれば、そうじゃない人もいる。
障がいを抱えても夢を見る、働く、恋をする、厳しくされる…ごくごく当たり前なことを、「当たり前だと思う」からこそ、このような作りの映画で正解なんだと思う。

ホテルの研修を終え無事に合格したサリーとマックスがオープンしたレストランの店名は『AYUBOWAN』。スリランカ語で「こんにちは」や「ありがとう」のようにあらゆる日常の場で使われる言葉。
この映画が贈るテーマがこの店名に詰まっている気がします。