最近は南アジア料理を生業とする日本人がかなり多くなったように思う(副業も含む)。ほんの数年前までは間借りの料理人をかなりチェックしていて、あちこちに足を運んだものだけど、今やもう全く把握できない程の数になってしまい、すっかり浦島太郎状態に。

 

とまあ、そんな状態ではあるけど、それでも気になる人は何人かいる。各種SNS等で知った佐々木健太郎さんはそのお一人。スパイスカレーで有名になった丸祇羅で調理を担当したり、OiRAKing といったバーでの間借り営業等を経て、2021年02月28日、戸部駅前に実店舗スパイスコーナーベンジーをオープン。週替わりで交互にミールス(南インド定食)とダルバート(ネパール定食)を提供している。自分は、間借り時代には一度も行ったことはなく、実店舗がオープンしてからもずっと気になりつつ未訪のままだった。今日は行けるかも、と思ってインスタグラムで確認すると、偶然にもご本人はネパール現地で修業中でお店は臨時休業、といったことが2度ほどあった(笑)。まあ、現地料理をやっているわけだから、現地修業は必須だもんね。

 

が、ようやくその機会は訪れ、2023年12月08日(金)、早目のランチ・タイムに訪問。個人的な印象だと、ミールスよりもダルバートのイメージが強かったので、まずはダルバートの週に行こうと思っていた。

 

 

この日は噂の髪形をばっちりキメた佐々木さんのワンオペだった。なぜあの髪型なのかは分からないが、個人的には勝手に「ハマの番長」とコッソリ呼んでいる。

 

ちなみに多くの日本人は、昭和の不良がよくやっていた、ふくらみを作って持ち上げた前髪のことを「リーゼント」と誤認しているが、あの前髪部分は「ポンパドール/クイッフ」と呼ばれるものであって、「リーゼント」はサイドから後ろに流した部分、別名「ダックテール」のこと。

 

mas ko dal (ケツルアズキのスープ)ghiu (精製バター) がガッツリ香る。ついつい「これだよこれ!」と言ってしまう味。

 

khasi ko masu (山羊肉のスパイス煮込み)。一口で美味いと分かる逸品。

 

佐々木さんは毎日その日のメニューをカタカナ中心で手書きで作成していて、自分はいつもそれをチェックしているが、いわゆる「ネパールのマトン・カレー」と世間一般的に認識される料理も、羊の時は「ベラ・コ・マス ( bheda ko masu )」、山羊の時は「カシ・コ・マス ( khasi ko masu )」のようにきちんと書き分けてあって、もう好感しかない。

 

抜群に美味しかった alu tama bodi (ジャガイモと発酵筍と黒目豆の煮込み)。メニューにある時は必ずチョイスしないとダメなヤツだ。

 

左は gajar ra ghiu simi ko tarkari (人参とインゲンのおかず)jwano (アジョワン) 由来だったかな、ちょっと特徴的な味付けが楽しい。

 

右は gundruk sadeko (発酵乾燥野菜の和え物)。クセは控えめだったかな。

 

左手前から、golbheda ko achar (トマトのディップ)karela ko achar (ゴーヤーの漬物)mula ra pyaz ko achar (大根と玉葱の漬物)rayo ko saag bhuteko (高菜炒め)dahi (ヨーグルト)

 

日本だとほうれん草や小松菜を使うお店が多い中、rayo ko saag (高菜) が使われていたのは嬉しいですな。 

 

長粒米も混ざっている mix bhat (混合米)gajar ra kakro (人参と胡瓜のスライス) を含めた Nepali khana / dal bhat 全景画像もご査収くださいまし。

 

別アングルからも。

 

追加でオーダーした haku hans chhoila (グリルした鴨のスパイス和え)。肉はボンレス。骨だらけで可食部がほとんどない店もあったりするが、そういう心配もなく、スモーキーな香りにうっとり。

 

別アングルからも。

 

集合写真もご査収くださいまし。

 

追加で〆の masala chiya (スパイス入りミルク・ティー) を。sukumel (グリーン・カルダモン) ガンギマリなヤツでビビった(笑)。恐らく過去イチくらいにスクメってた。

 

やはり、各国料理を食べるなら、単に調理技術の高さをウリにする人ではなく、きちんと現地であちこち食べ歩いて直に現地の基準に触れ、その上で研鑽を積んでいる人の料理は良いなと再確認。また食べに行きたいし、ミールスの方も試してみたくなった。

 

ごちそうさま。