※同じ場所で実店舗に変わりました。

正直言って、つい昨年まで高円寺という街にはそれほど注目していなかった。トリップの札幌式スープ・カレー、ジャスミン・タイのゲーン・パー、花菜のアル・ボディ・タマなど、断片的に魅力的な料理が存在してはいるものの、失礼ながら積極的に攻めようと思うまでではなかった。

ところが、今年に入ってその様相は一変する。1月にはインド料理のセオリーを無視した「妄想インドカレーbyネグラ」(←ただし8月でクローズし、移転するが、まだ場所が決まっていないらしい)、2月には小金井のインド富士の2号店になる「インド富士子」、3月にはスリランカ料理(+インド料理)の「ピピネラ」という、日本人シェフによる印度亜大陸料理を提供するお店が次々に登場し、カレー界の話題をさらっている。全て訪問してみたが、なるほど話題になるのは十分にうなずける。

しかし、雑誌等の一部メディアの偏向的な(←店の選定者やご意見番がほぼ同じような人で、しかも大人の事情が絡んでいる)情報ばかりに振り回され、5月から営業を始めた「かりい食堂」に注目していないとなれば、そりゃカレー君としては完全に失格と言えよう。

数年前からツイッター(+インスタグラム)で個人的に追っかけていた増川シェフは、イヴェントなどでカレーを提供していた。いつかいただける機会がないものかと思っていたところ、ついにツバメおこわという、普段はヴェトナム料理を提供しているお店を週末だけ(←ただし時間等は変動あり)間借りして、奥様と共にこの「かりい食堂」を営業することに。

ーーーーーーーーーー

☆第1週(05月22日訪問)

20160522 soup

カリー・スープ(お食事のスターターに、まずはスープを)。

20160522 curry and soup

第1週のカレー・プレート。カーリー・チキン・カリー(インドの女神、カーリーをイメージしたスパイシーなカリー)、レンズ豆と高菜漬のダール(定番の豆カリーに和の旨味を加えて)、大根と厚揚げのウールガイ(これだけでゴハンがススム。ススムんです)。

カーリーの美味さもさることながら、ダールと高菜の組み合わせが良いね。で、厚揚げをウールガイにするとは意外だった。自分ならこんなこと絶対に思いつかない。柔軟な発想ができる人はすごいな。

20160522 curry

カレー・プレートのクロース・アップ。コリアンダー・リーフもたっぷりと。

ーーーーーーーーーー

☆第2週は、パキスタン風チキン・キーマ・カリー、春キャベツのクートゥ、季節の野菜カリー・スープ、新鮮トマトのチャトニだったが、残念ながら行けず。

ーーーーーーーーーー

☆第3週は、手切りほうれん草のカリー、人参と赤ピーマンのサンバル、キャベツのクートゥ、ブロッコリーと鶏ひき肉のカリー・スープ。06月05日の14時過ぎに訪問したが、ちょうど売り切れてしまい、残念ながらありつけず。やはり分かってる人は分かってるねえ。

ーーーーーーーーーー

☆第4週は、チキンとキュウリのスリランカ・カリー、ダシの効いたレンズ豆カリーだが、残念ながらこの回も行けず。

ーーーーーーーーーー

☆第5週(06月25日訪問)

20160625 all

ポーク・ヴィンダルー(インド・ゴア地方のクリスチャンが愛してます)、かぼちゃのカリー(旬の南瓜の旨みぎっしり)、小松菜のテル・ダーラ(フレッシュな小松菜をスリランカ風の炒めものに)、赤じそのスープ(ふんだんに紫蘇を使ったさっぱりスパイシーなスープ)。

20160625 pork vindaloo

ポーク・ヴィンダルーのクロース・アップ。

20160625 plate

プレートにポーク・ヴィンダルーをかけたところ。中から骨つき肉が出てきたぞ(笑)。スペア・リブのポーク・ヴィンダルーは初めてだ!

20160625 drink and cake

食後には、のむヨーグルトとベイクド・チーズ・ケーキをオーダー。ケーキは毎回必ずあるというわけではないので、ラッキーだった。

20160625 cake

ケーキのクロース・アップ。なお、これはお母様のお手製だそう。素晴らしい!

ーーーーーーーーーー

☆第6週は、チキン・ペッパー・フライ、チキン・ラッサム、ほうれん草のテル・ダーラ、冬瓜のスープだったが、残念ながら都合で行けず。

ーーーーーーーーーー

☆第7週(07月10日訪問)

cold spicy soup

まずは冷製のスパイシー・スープ。暑くて死にそうだったので、これは実に嬉しいスターターだ。

curry plate

この週のカリー・プレート。夏のコフタ・カリー、ズッキーニと小松菜のクートゥ。コフタ(肉団子)は鶏と豚のミックスで鶏が多めのタイプで、さっぱり目の仕上がり。とても美味しかった。クートゥは自分が考えていたイメージと全然違う感じ。ココナッツミルクをそれほど強くしていないからなのかも。ヴェジ・カリーは、個人的には今回のが一番好きかな。

curry plate close up

コフタのクロース・アップ。仕上げに粗挽きのスパイスを使用している模様。

yogurt

デザートに、グレープフルーツのジャムつきヨーグルトをオーダー。ジャムの中にはクミン・シードが目視できる。やはりスパイスを絡めたデザートがあるのは嬉しい。でも、本当に食べたかったのは、お母様お手製のケーキだったかも(笑)。

二足のわらじは大変かも知れないが、今後も色々と面白い料理を出してくれそうなので、是非ともシェフの創作意欲に期待したい。高円寺のカレー事情をアツくしているのは、決して駅の南側だけではないのだ。

ごちそうさま。

ーーーーーーーーーー

ツバメおこわというお店、この「かりい食堂」の他にも「郷土菓子研究社」という、これまた以前から注目していた方が、月に2日程度間借りでカフェ営業している。こちらもタイミングが合えばぜひ行ってみたいなあ。