対居飛穴ーハメ手△22角 | ノーマル四間飛車32銀型のブログ

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四間飛車一本の筆者が四間飛車にまつわる定跡・研究をアップします。

近況としては、私Marsは とある外資系企業に内定をもらったので、来年からは無事社会人です。将棋の方は2切れレートがR2333まで上がりました。目標としては2400を目指しているのですが、2切れで2400~2500の領域というと将棋倶楽部24の六段~七段に相当したと思います。はたして全国レベルの強豪と勝負できるようになる日が来るのでしょうか。

 

今回の記事では居飛穴対策のためのハメ手を紹介します。

  ハメ手 とは Wikipedia

一見スキのある手を指し、相手がそれに引っかかって欲張った手で対応すると、大きな損害を与える「罠」のような手段である。

多くの場合は、相手に正しく対応されると、ハメ手を仕掛けた方が大損害を受けることになる。なお、正しく対応されても互角に近いワカレになる手も存在するが、これをハメ手と呼ぶかは見解が分かれる。正しく受けられれば損害を受けるハメ手をハメ手と知りつつ着手することは、勝負手などやむを得ないケースを除けば好ましいこととは評価されないことが通例である。

  手順の解説

では実際の手順に参りましょう。まず△14歩が下準備↓

△41飛も下準備↓

△22角が本題のハメ手です↓

居飛車としては次の△13角が厄介なので上図からは一見

▲24歩△同歩▲同飛が自然なように見えます。

しかしそれに対し△13角!が用意の一手

自然に見えた▲24歩が実はハマり変化なのです。

以下▲28飛△33桂↓

上図で居飛車が▲22歩▲23歩▲24歩など打つのは△25歩~打ったばかりの歩を回収されますし、▲36歩の桂頭攻めも将来△45桂と跳ねる手が味が良いので無効です。したがって居飛車は囲うしかなく

以下▲88銀△21飛↓

ここで居飛車はまさか▲27歩や▲26歩と土下座するわけにもいかないので飛車交換してきます。

以下▲21飛成△同銀▲23飛△22飛↓

まで後手良し。

居飛車右辺の飛車打ちの隙が大きく、以下一例を示すと▲22飛成△同銀▲23歩△31銀▲21飛△39飛▲79金△29飛成▲11飛成△23龍で後手が満足の展開です。

居飛穴の完成前に飛車の打ち合いをする展開になるため、大局観の観点から見ても振り飛車が勝ちやすい印象があります。

 

  ハマらなかった場合

冒頭で書いたとおり、ハメ手というのはハマらなかった場合に不利になります。この作戦も例外ではなく、後手の△22角に対して▲24歩と来なかった場合は下図のように進んで先手良しとなります。

上図のように▲66銀または▲48銀として△13角のラインを避けられると次の▲15歩が受けにくいです。もちろん△31角などと引けば差し迫った脅威はありませんが、後手のビジョンが見えにくい展開と言えそうです。

解説の途中で 「居飛車としては次の△13角が厄介なので」 と書きましたが、実際には厄介ではなく、この点がハメ手としての錯覚というか誤魔化しポイントです。

 

  実際ハマりやすい理由

前述したように厳密には本戦法は成立しないものの、しかし実際には▲24歩△同歩▲同飛△13角の変化にハマってくれる可能性はかなり高いと思っています。

というのも居飛車から見て△13角が厄介に見える理由というのがありまして、それが過去に有力視された小林健二氏のスーパー四間飛車という指し方です。これは下図のように▲97角▲77桂の好形から4筋攻めを狙うもので、当時は居飛車から見て厄介な指し方でした。

その言い伝えがあるため、本作戦「ハメ手△22角」に対しても居飛車は△13角からのスーパー四間飛車模様を警戒して▲24歩と動いてくるだろう、というのが本作戦「ハメ手△22角」の背景にある心理です。厳密にはところどころ形が違うのでスーパー四間飛車には合流できないのですが、つまるところ虎の威を借りているわけです。

 

以上です。

成果が求められる大会の場ではなく、友達同士の対局で使ってみると楽しいんじゃないでしょうか(*^-^*) また成否はともかく△22角~△13角を実現できることの意義は大きく、うまく改良できれば強力な戦法になりそうです。理想的には下図とか。