3 答案構成
さて、実際に構成するにあたっては、書くか書かないか迷ったときはどうするか。
ここでは、採点基準が減点式なのか、加点式なのか、という大問題に直面します。
僕は、「原則として加点式であり、無駄なことを書いても無益的記載事項としてスルーされる。しかし、それを書くことにより他の記載事項と矛盾を来す場合には、その事項において減点(=必要な点数がもらえない)されることもあるし、裁量点に影響することもある。」という説を立ててそれに従うことにしました。
ですので、迷ったときは原則として書く。
ただし、他の事項と矛盾を生じさせる場合や、時間不足でそれを書くことで他のより重要なものを書けなくなる場合には書かない、と言うスタンスでいました。
以上のことを踏まえて答案構成をします。
2時間の問題につき、答案構成は原則として30分と決めていました。
後でも述べるように出来るだけ多く書くという戦略を採っていたので、答案を書く時間を多く確保したかったからです。しかし、最低限の答案構成時間は確保していた。
他の論点との整合性が取れなかったり、記述の重複が出たりするなどの問題が生じかねないですし、予定答案の全体像を見ずに書き出すことで、適切な時間配分が出来ず尻切れトンボの答案になってしまうと考えたからです。
具体的な構成の仕方は、問題文を1回ざっと読んで、2回目じっくりと読み、3回目読みながら構成をする、
と言う手順を取っていました。
構成用紙には雑な段落割りくらいしか書かず、問題文の事実を書き写すことはしませんでした。その上で、問題文を読みながら答案を書いていました。
ただ、答練では30分ルールは守れていましたが、本番の問題は難しいですし、
慎重になってしまっているということもあり、守れないことが多かったです。
実際の構成時間については過去の記事をご覧ください。しかし、30分ルールを意識することで、
ダラダラと構成にばかり時間を取られて肝心の書く時間がなくなると言うことはありませんでした。
なお、構成は、1問ごとに行っていました(民事系では前半と後半で分ける)。
2問いっぺんに構成をすると、簡単な構成しかしないため、何を書くべきか忘れてしまい、
時間の無駄が生じてしまうのです。
4 答案書き-どのように書くか
いよいよ、実際にどのようにして答案を書くかです。
僕は、配点は
①法律論
②あてはめ
のそれぞれにあると考えていました。ですので、どちらもきっちり書く必要があります。
①法律論では、条文と絶対に書かなければならないキーワードを押さえる必要がある
と考えていました。
そのキーワードってなんじゃい、ということですが、これも教科書を読むなどして
勉強するしかありません。こう書くと、論証パターンや定義を暗記しなければならないのか、
などと思う人も出てくるかもしれませんが、その必要はないと思います。
葉玉先生の勉強法にも書いてありますが、各論証・定義のキーワードだけを完璧に押さえておいて、
答案を書く際に文章として再現していくのです。
これは練習をすれば出来るようになります。
ただし、あまりにも有名な論点、重要な定義については、丸暗記しておく必要があるでしょうね。
規範の理由は、原則として簡単に書くようにしていました。
ただし、理由の必要もないようなものについては書きませんし、争いがあり問題文からして
そこを厚く書いてほしそうなときには、時には反対論も挙げつつ長々と書いていました。
要は臨機応変に、ということです。(具体的には各自で判断してください。)
②あてはめについて
可能な限り全事実を拾った上で、それぞれの事実について自分なりの評価を加えるように
していました。新司法試験では事実が増えた分、不要な事実も混じっているとの説もありますが、
僕はそうは考えず、拾いまくることにしていました。
その際は、全てを書き写していては時間もスペースも足りないので、適宜まとめながらの引用になります。
事実の評価については、判例・裁判例の評価の仕方が参加になります。
また、ローの実務家教員による講義は非常に有益でした。
法律論とあてはめは絶対書くとして、
③問題提起をどうするのか、という悩みも生じます。
僕は、できるだけ書くようにしていました。問題提起には配点があるかは分かりませんが、
問題の所在を適切に指摘している答案は非常に読みやすいですし、
全体としてのまとまりも出てくるように思います。
ただし、問題提起は前菜に過ぎませんので、長くなりすぎないようにコンパクトにすることが必要です。
具体的な問題提起の書き方については、教科書・判例や、答案の書き方の本、再現答案を読むなりして
自分なりの書き方を身に付けてください。
書き方は問題によりけりなので、何よりもたくさん書いて慣れることです。
こう書くと何でも問題提起をしたくなってしまう人が出てきてしまうかもしれませんが、
もちろん法律の文言に素直に当てはまるような事例については、問題提起などする必要はありませんよ。
何事も臨機応変に、ということです。
以上のように、法律論も書いてあてはめもしっかり、となるとかなりたくさんの量を書かなければなりません。
そこで、先述した通り、答案構成の時間をできるだけ短くして、答案を書く時間を増やすことが必要になります。
また、それとは別に答案を書くスピードを上げる必要も出てきます。
答案を書くスピードを上げるためには、脳の出力速度(文章をひねり出す力)を上げることと、
字を書くスピードを上げることが必要になってきます。
脳の出力速度を上げるためには、まずは記憶されている知識を、脳の記憶の貯蔵庫から
取り出す速度を上げなければなりません。それには、必要な知識を繰り返しインプット・
アウトプットしておくことしかないでしょう。
次に、キーワードを繋いで文章をひねり出す速度を上げることができるでしょう。
それには、ただひたすら慣れるしかありません。つまり、答案を書きまくることです。
2年次にほぼ毎日のように答案を書いてたのですが、これが後にかなり活きてきたように思います。
要するに、この能力は、一朝一夕に身につくものではありませんので、こつこつとやっていくしかない
ということですね。
字を書くスピードを上げるためには、書くために必要な手の筋肉を付けること、そして適切な
筆記具を選ぶことが必要です。前者については、これも答案練習を繰り返すうちに、
だんだんと早くなってきます。後者は、各自いろいろなペンを試してみて、
自分にあったものを選ぶしかないでしょう。
僕が使っていたペンについて書きますと、僕は、万年筆(PILOTのCUSTOM742のF(1度調整に出したので少し太くなっています))を使っていました。その年の合格者が万年筆の良さを語っていたので速攻で万年筆を買ったのです。
万年筆の良さは、疲れにくいこと、に尽きます。
書くのに筆圧がいらないので、慣れると力を使わずにふわふわと書けます。
新司では長時間書きまくるので、これは非常に大きなメリットでした。
疲れないので、後半になっても失速しないのです。その上、ペンを強く握りしめすぎないので、
意識のうち手に配分される割合が減り、落ち着いて全体を見渡しながら書けるような気がしていました。
(手を動かす際には脳の大部分の容量を必要とするので、軽くペンを握るだけで意識が広がり、
気持ちが落ち着きます。)
ただ、万年筆はそれ自体が非常に高い上に、ランニングコストも高いです。また、万年筆になれるまでに時間がかかり、なかなかその効果を感じるに至りません。ですので、あまりオススメはしません。
なお、字の大きさですが、僕は1行に30文字ちょっとは書いていました。
これは、普通の人よりは多いと思います。
1行に多くの文字を入れると、行を変える際の手の移動回数が減り、書く時間はそれだけ増えます。
ただ、あまりに小さいと、1文字を書く時間が増えるので、各自の最適な文字の大きさを探しましょう。
最後になりますが、上記の能力はしばらく答案を書かない時期が続くとすぐに衰えるので注意が必要です。僕は、試験直前1週間は、上記の能力が衰えないよう意識して答案を書いていました。
そして、勉強方法を探ることは重要ですが、それよりも重要なのは、
実際に勉強することです。
何が出来ない、あれが出来ない、などと悩む前に、
それが出来るように勉強、訓練して下さい。