縮毛矯正について専門家として新理論を説いてみた | 渋谷 表参道 美容室 『Hair salon PAPERS』代表 クボタケイジのエモーショナルDays

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テレビで話題の髪質改善水素トリートメントができるヘアサロン!バサバサの疲れた髪が見違えるように変身!『パリコレ学』ではヘアカットで〈人生を変えるヘアチェンジ〉を担当。
あなたに似合うヘアデザインから髪のヘアケアまでご提案致します。

いつもブログを見ていただきありがとうございます。

新しい縮毛矯正の薬剤のプロデュースにあたり、資料の作成をしています。

そこで、様々なブランドの縮毛矯正剤の説明の全てに共通して記載されている『還元値』と『ph』について新理論を基に

考えてみたいと思います。

この二つの数値を見て縮毛矯正に精通している美容師は、

薬剤の特徴を把握し、使用する際にどういう髪質に適しているかを想像します。

『還元値』を簡単に説明すると、“クセを伸ばす力の強さ”を表します。

『ph』を簡単に説明すると、“薬剤を髪の中に押し込む強さ”を表します。

どちらの数値も高ければ、ハイパワーな薬剤ということになりますが、ただパワーが強い薬剤は髪が痛みます。(昔の縮毛矯正の薬はハイパワー全開のものが中心でした)


「髪がバサバサする、広がる、まとまらない」という理由で、美容室に行って、縮毛矯正をかける場合

その原因が『クセ毛』であれば縮毛矯正が必要ですが、

その原因が『ダメージ』であれば縮毛矯正は必要ありません。  

“髪のクセが強い”という言葉を今まで何度も使ってきましたが、

たどり着いた新理論では『クセの強さを同じ』という発想です。

クセが強いのではなく『髪が強い』という考え方です。

クセの強さが一定として考えると、『還元値』も一定でいい。

髪が強い(硬い・太い・タンパク質が多い)場合は『phは高め』に。

髪が弱い(柔らかい・細い・水分を多く含む)場合は『phは低め』に。

という薬剤の選択や調合が最適なのでは? 
 という結論にたどり着きました。


これを、髪が痛んでるので還元値が低く、phが低い
酸性縮毛矯正をおすすめしたりするから、 

クセが伸びてなくて、アイロンの水分コントロールに失敗して、

髪が痛んで縮毛矯正を失敗して、話がややこしくなっているのだと思います。

ダメージのせいでバサバサになっている場合は、縮毛矯正はしない。

ダメージヘアだけどクセ毛の場合は、還元力はそのままでphが低い薬剤に調整する。
(髪のダメージを怖がって還元値を下げない)
 
というのが、縮毛矯正の薬剤プロデュースでたどり着いた答えです。

その理論を元に作った『tender s』という薬剤は、いろんな髪の状態で薬剤を迷うことなく、複雑な髪の状況に対して幅広く対応します。 

tenderは中性タイプでph7.4です。

髪の毛の等電点はph5+-0.5です。

酸性タイプの売れている薬剤の主流はph6でアルカリゼロのタイプです。

髪のダメージに対して酸性で対応することは、理論上正しいと思います。
が、現場で感じるリアルな感想としてはph6では、タンパク変性に対して物足りないと思います。

縮毛矯正=タンパク変性  なんです。

髪をタンパク質と考えた時にタンパク変性は、

ph移行と還元によるタンパク変性と、熱と水素結合によるタンパク変性になり、そのどちらも重要なのですが

酸性縮毛矯正ではph移行が小さいため、熱変性に頼ってしまうというデメリットがある気がします。

今回プロデュースした【tender】は、人体の体液と同じphにする事で、髪の中の水分の移動をスムーズにし、ダメージを最小限にしたph移行で髪を傷めずクセを伸ばせます。

髪の毛の状態は人それぞれ、いろんなケースがあると思いますが、

縮毛矯正の経験を積み重ねながら、理論の検証と実績を増やして

お客様に喜んでいただける結果を、全国の美容師さんが共有して

くせ毛でお悩みのお客様が喜んでいただける縮毛矯正が提供できればと思います。