44. 欲望
何かを欲するとき、あなたの喜びはその「何か」に依存する。
それが奪われれば苦しみ、与えられれば幸せになる――しかしそれもほんの一瞬にすぎない。
このことを理解しなければならない。
欲望が満たされたときに感じる喜びは、ほんの短い瞬間だけだ。なぜなら、それを手に入れた途端、心はまた次のもの、別の何かを欲し始めるからである。
心というものは、欲することの中に存在している。
だから心がある限り、欲望がなくなることはない。
もし欲望が完全になくなれば、心はその瞬間に消えてしまう。
それこそが瞑想のすべての秘密である。
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ある朝早く、一人の乞食が皇帝の宮殿の扉を叩いた。
皇帝はちょうど美しい庭を散歩しようとして外へ出てきたところだった。もしそうでなければ、乞食が皇帝に会うなど不可能だっただろう。しかしその時は、彼を止める者が誰もいなかった。
皇帝は言った。
「何が望みだ?」
すると乞食は言った。
「それを聞く前に、よく考えたほうがいい。」
皇帝はこんな男を見たことがなかった。
彼は戦争を戦い、勝利を重ね、誰よりも強大な権力を持つことを示してきた人物だった。そんな彼に、この乞食が突然言ったのである。
「よく考えてから言うんだ。あなたにはそれを叶えられないかもしれない。」
王は言った。
「心配するな、それは私の問題だ。望みを言いなさい。必ず叶えてやろう。」
乞食は言った。
「この私の乞食の椀を見えるでしょう?
これをいっぱいに満たしてほしいのです。何で満たすかは構いません。ただし条件は一つ――完全に満たされること。
今ならまだ断ることもできます。しかし、もし引き受けるなら、それは危険な賭けですよ。」
皇帝は笑った。
たかが乞食の椀ではないか。しかも警告までされるとは。
彼は宰相に命じた。
「この椀をダイヤモンドで満たせ。そうすれば、この乞食が誰に頼んでいるのか思い知るだろう。」
乞食はもう一度言った。
「もう一度よく考えてください。」
やがて、乞食の言葉が正しかったことが明らかになった。
ダイヤモンドを椀に入れた瞬間、それらはすべて消えてしまったのだ。
その噂は都中にあっという間に広がり、何千人もの人々が見物に集まってきた。
宝石が尽きると、王は言った。
「金も銀もすべて持ってこい!すべてだ!
私の王国と威信が試されているのだ。」
しかし夕方になるころには、それらもすべて消えてしまっていた。
残ったのは二人の乞食だけだった――そのうちの一人は、かつて皇帝だった男である。
皇帝は言った。
「あなたの警告を聞かなかったことを謝る前に、どうかこの椀の秘密を教えてほしい。」
乞食は言った。
「秘密などありません。
私はそれを磨き、椀のように見せているだけです。しかし実はそれは人間の頭蓋骨なのです。
そこに何を注ぎ込んでも、すべて消えてしまうのです。」
この話には深い意味がある。
あなたは自分自身の「乞食の椀」について考えたことがあるだろうか。
権力も、名声も、尊敬も、富も――
すべて消えていく。
それでもあなたの椀は、さらに多くを求めて口を開き続ける。
そしてその「もっと」という欲望が、あなたを「今この瞬間」から遠ざけてしまう。
この世界には二種類の人間しかいない。
大多数の人々は影を追いかけて走り続けている。彼らの乞食の椀は、墓に入るまで手放されることはない。
しかし、ごくわずかな人々――百万に一人ほど――は走るのをやめ、すべての欲望を手放し、何も求めなくなる。
そのとき突然、彼は気づく。
すべてはすでに自分の内側にあったのだと。
