■コラム 『私の経験則』
『This is a pen.』
これは中学生になって英語を習い始めるとき、最初の最初で
目にするフレーズです。
もし、このフレーズを疑問形にするとどうなるでしょうか?
もちろん『Is this a pen?』です。当たり前のことですね。
ところが、ここで『なぜ、isとthisをひっくり返すの?』
と訊かれたら、あなたはどう答えますか?
『疑問形だから』と答えると思います。
それに対して、さらに『なぜ、疑問形だとひっくり返すの?』
と訊かれたどうでしょう?『そういう決まりだから』とでも
言うしかないと思います。
正直、こんな質問をされたら訊かれたほうがお手上げです。
こういったことで悩みを持つ人に理解させるのは至難のワザです。
『こんなことを気にせず、疑問形の場合はひっくり返すと
覚えちゃいなよ』
こんなことを言いたくなると思います。
これは何かと言うと、中学一年生のときの私です。
当時、私はたまたま中学入学直後に病気になって学校を休みがちの
状態で、そのため英語についてはさっぱり理解できませんでした。
『Is this a pen?』程度が分からないぐらいですから、
英語の全てが理解出来ないのと同じです。
本当にさっぱり分けが分からず、問題にスラスラ答えている
友達が魔法使いのように見えました。冗談ではなく、英語は
私にとっては魔法の呪文や何かの暗号のように見えました。
私はこのメルマガで何度も『英語なんて誰にも出来る』という
ことを口にしていますが、それはこの経験があるからです。
もし、最初から英語が得意科目で人より出来たというのであれば、
向き・不向きがあるとか、能力の無い人間はダメなんて考えを
持つようになったかもしれません。
ただ現実として、私の場合誰よりも出来ませんでした。しかも、
出来ないという程度がハンパではなく、その当時の私より英語が
出来ない人間はこの世に存在しないと思えるくらいです。
(どんなに英語が出来ないといっても『Is this a pen?』ぐらい
わかりますよね。)
そういった意味で、私は一番下のレベルから勉強して話せるよう
になった人間だと思っているので、それ以上のレベルにある皆さん
が話せるようにならない理由は何もないと思っています。
ちなみに、私が『Is this a pen?』を自分のモノするまでに
半年以上かかりました。半年以上も分からずに悩んでいたと
いうことです。(かなりのひどさですね。)
半年後、英語に対する考え方を変えてから理解出来るようになり、
それ以来、英語の力が上がっていきました。そのことについては
来週のコラムでお話しようと思います。特別な秘訣というほどでは
ありませんが、勉強しても力が伸びないという人にはヒントに
なるかもしれません。
今回はとりあえず、これぐらいヒドイ人間でも英語を話せるように
なったということだけお伝えできればと思います。
ただ、この『Is this a pen?』の話は、英語に悩む日本人が
大抵引っかかるワナだったりします。中身はもっと高度ですが・・・