私を含む全ての女性に対しての芸術家の彼の口説き方は、いま回想してみても実に鮮やかだったと思う。
本人は自覚が無いようであったが、私からすると
【それは職権乱用では?】
と感じるものばかりたった。
だけども。
彼から口説かれて、その結果、
喜ぶ女性や、泣く女性などの沢山の女性の相談話を、今まで沢山聞いてきた立場に居た私としては、
だんだん[今度は、このパターンか]とも感じたりしていた。
なので
私の場合、なかなか芸術家の彼に落ちなかった。
[フン…落とされてたまるか]
とまぁ可愛いげのないオンナだった、私の場合。
まず。私が、芸術家の彼に最初にされた行為は【仕事直前のメール攻撃】だった。
本番の舞台直前に楽屋からメールが来るようになりだした。
そしてメールの最後に
[本番直前の一人で居る楽屋控え室より〇〇←名前]
と。
メールにそう書いてくるようになった。
これはファンなら興奮モノ。
なぜならば
「あの〇賞を取った〇〇先生が、大事な本番シゴト直前に私にメールを下さった、キャー」
と、なるからである。
彼はメールが得意だった。
ちなみに私の場合は。
[仕事直前メール]が来だしても
【おー、このパターンですか】
と。スルーしていた(笑)。
手の内が解っていたからワクワクすらしていた。
全く、いま自分で考えても可愛いげのないオンナだった。
…つづく…
