施術をしていると、
お腹がとても硬い方がいらっしゃいます。
肋骨のいちばん下のあたり。
指を当てても、入らない。
ご本人はまったく気づいていないことがほとんどです。
(普段あまり触りませんよね)
肋骨の下には「横隔膜」があります。
呼吸をするたびに上下する、
体の中でもっとも大きな呼吸筋です。
この横隔膜が固まると、呼吸が浅くなります。
浅い呼吸は交感神経を優位にし、
体は常に緊張モードのまま。
眠りが浅い、疲れが抜けない、
肩や首が慢性的にこる——
その出発点が、実はお腹にあることも少なくありません。
■ なぜお腹は硬くなるのか?![]()
筋肉の使いすぎや姿勢の問題もありますが、
もうひとつ、見落とされやすい原因があります。
それは「感情」です。
言いたいことを飲み込むとき、
人は無意識にお腹に力を入れています。
怒りを抑えるとき。不安を感じているとき。
「自分が我慢すればいい」と思っているとき。
それが数年、十数年と続くと、
お腹は慢性的に硬くなっていきます。
東洋医学の考え方に
「チネイザン(氣内臓療法)」というものがあります。
腹部は「感情の倉庫」であるという考え方で、
それぞれの臓器に特定の感情が溜まりやすいとされています。
・肝臓 …… 怒り、ストレス
・胃・脾臓 …… 心配、不安
・肺 …… 悲しみ、喪失感
・腎臓 …… 恐れ
施術でお腹に触れていて感じるのは、
責任感が強くて、優しくて、
「自分がやればいい」と
言葉を飲み込みがちな方ほど、
お腹の奥が硬いということです![]()
筋肉の硬さとは違う、
もっと深い層が詰まっているような感触があります。
■ お腹がゆるむと、何が変わるか
お腹の緊張がゆるむと、
まず呼吸が深くなります。
横隔膜がしっかり動くようになると、
自律神経のバランスが整いやすくなり、
骨盤内の巡りも改善されます。
施術後にお客様が
「なんだか体の中心が軽い」
「呼吸がしやすくなった」
とおっしゃることがあるのは、
お腹の解放がきっかけになっていることが多いのです。
Cuonの全身ケアでは、
背面を整えたあとに腹部にもアプローチします。
腸の蠕動運動を促しながら、
腹直筋、腹斜筋、腹横筋をていねいにゆるめていく。
内臓が温まり、消化がスムーズになる感覚、
お腹が柔らかくなって呼吸が深くなる感覚。
体の中心が整うと、
全身が軽く安定した状態に変わっていきます。
■ セルフケアとして
ご自宅でもできる簡単な方法として、
「セルフ腸もみ」があります。

仰向けに寝て、両膝を立てた状態で
おへその周りを時計回りにゆっくりと
手のひらで圧をかけていきます。
深く押す必要はありません。
息を吐きながら、じんわりと。
硬い場所、冷たい場所があれば、
そこに少し手を留めてみてください。
お腹は、体の真ん中。
ここが整うと、呼吸も、巡りも、
気持ちも変わっていくことがあります![]()
