路線バス×鉄道×路線バス―ある雨の日の帰り道 | 旅はブロンプトンをつれて

旅はブロンプトンをつれて

ブロンプトンを活用した旅の提案

雨が降ると自転車には乗れません。

短距離なら傘をさしてという人もいるのは承知していますが、もともと違法行為ですし、合羽を着て自転車に乗るということもやってみたものの、ブロンプトンの場合シートポストに不具合が出るということが分かってからは、積極的に乗ろうとは思えなくなりました。

しかし、一日中雨が降り続く日というのは、一年のうちでもそうなかなかあるものではありません。

だから、自転車通勤している人間にとっては、「せめて行きか帰りのどちらかでも走れたら」と思うのです。

今日はブロンプトンによる鉄道併用の自転車通勤において、往きは晴れていたものの、帰りは雨が降るのが確実という日について、ご紹介したいと思います。

用意するものは

・折り畳み傘(防水ケース・ビニール袋を忘れずに)

・防水機能の強化された輪行カバー

これだけです。

まずは往路、これから下り坂に向かう朝というのは、どことなく湿っぽくて、雲が厚く垂れこめ、風も強い日が多いのですが、それはそれで、「こんな天候でも運動できることのありがたさ」を感じることができます。

これが、「帰りも雨の中を合羽を着て走ってこなければならない」と感じながらの往路走行になると、かなりプレッシャーがかかります。

その点、普段から往復を自転車で走っていると、帰りは鉄道やバスを使うのがほぼ確実だから、いつもよりみっちり運動しておこうとなります。

フレキシブルな働き方ができるのであれば、いつもより早めに出て早めに仕事に就き、帰りを早くすればそれだけバスや鉄道も空いているということになりますから、前の日の天気予報で「明日は午後から夜にかけて雨」という予報が出ている場合は、その分早く寝て、15分でも30分でも早く家を出るように心がけます。

しかし、普段より1時間以上早く出るというのは、翌々日が週末で休みでもない限りはやめた方がいいでしょう。

いつもより1時間以上時間をずらして起床し、食事などもそれに合わせて前倒しすると、習慣が崩れてしまうきっかけにもなります。

本ブログでご紹介した通り、生活習慣を変えてゆくなら少しずつ、具体的には15分~30分くらいを1週間から10日かけてずらしていった方が、習慣化されやすいからです。

逆にいったん習慣化されてしまえば、週末の1日くらい、1時間以上遅く眠ることがあっても、割と簡単にもとに戻せます。

サラリーマンの時、毎日が終電かその数本前で午前様だった時も、一旦ついたその習慣を変えるのは、やはり少しずつが効果的でした。

話を戻します。

仕事中に雨が降り出し、帰ろうとしたときは、土砂降りとまではゆかなくても、しとしとと降っている状況になりました。

ここで自転車を置いてゆくという選択肢もありますが、この雨は今日中にはやみ、明日の朝は今日とは一転、雨上がりの朝を自転車で運動しながら来れるわけですから、置き傘ならぬ置き自転車という選択肢は、今の私には殆どありません。

ということで、自転車には防水スプレーをかけたカバーをして、今日はじめて鞄から取り出した折り畳み傘をさして、最寄りの地下鉄の駅、ないしバス停まで歩きます。

しかしブロンプトンを曳きながら雨の中を歩行するというのは、雨の降り方にもよりますが、そうそう遠くまでというわけにはまいりません。

都内の、とくに山手線の内側は、徒歩圏内に鉄道駅があるといわれていますが、実際に曳いて歩けるのはバス停ひとつ分くらいが限界です。

イージーホイールも、長い区間を習慣的に歩くと駄目にしてしまいますし、チタンモデルの場合、最悪フレームに負担がかかって折れてしまいます。

ですから、通り迄出てお金に余裕があるのなら駅までタクシーを使うというのも一つの手です。

最近のタクシーはジャパンタクシーみたいに縦の空間に余裕のある、そして床がフラットな車も増えてきたので、独りなら折り畳み自転車を載せやすいのです。

カバーをかけている限り、乗車拒否されることはまずありません。

その際、駅の入口になるべく近い場所に車をつけてもらうよう頼むとう良いでしょう。

雨の日だけ使うというのであれば、梅雨や秋の長雨の季節でもない限り、費用が嵩むということもありません。

私は折り畳み自転車に乗るようになって、それまでよりもタクシー利用の機会が増えたくらいです。

運転免許をとって自分で車を運転するようになり、タクシーに乗ることは、ほぼ皆無になりましたから。

今一つはバスです。

仕事場からもっとも近いバス停は110mなのですが、そこには雨宿りできる場所がありません。

つまりバスが来るまで傘をさして待たねばなりません。

そのために、今はバスの接近情報がネットに出ていますので、「自転車で走ると濡れてしまう小雨」程度であれば、バスが近づくのを見計らってそのバスをつかまえるという手もあります。

しかし、その路線はミニバスで、車内が狭く、また路線は迂回を繰り返すので、駅までけっこうな時間がかかります。

そこで、250mと倍以上離れているのですが、普通の都バスで屋根がついている停留所まで傘をさして歩きます。

自分の身はともかく、カバーをかけたブロンプトンはしたたかに濡れてしまうわけですが、それでも雨の中走って車体そのものを濡らしてしまうよりはずっとましです。

通りに出て、信号を渡ってバス停へ。

わずか5分ほど折りたたみ傘をさしてあるいただけですが、曳いてきたブロンプトンはかなり濡れてしまいました。

時刻表を見てから出てきたわけではないけれど、最も近いターミナル駅である渋谷駅行きは出たばかりです。

その代わりといってはあれですが、目黒駅行きが5分後に到着する予定です。

折り畳み傘についた水滴を払い、丁寧に折りたたんで収納の袋に入れ、そのうえからビニール袋に入れます。

こうして鞄の中に水分が漏れないようにしておかないと、一緒に入れている書籍の頁が水分を含んでしまうと、本が傷んでしまいます。

一度濡れて膨張した本は、なかなか元には戻りません。

そうこうしていると、間もなくバスがやってきました。

このバスは、停留所ふたつ手前の駅が始発なので、この時点でお客が私だけです。

まだ15時台のせいか、バスは

足もとにブロンプトンを収納できる2人掛けの席に座って雨降りの外をながめるのですが、都

しばらくぶりに乗ったバスは、燃料電池車両になって音も静かになり、加速がパワフルになった気がします。

バスは外苑西通りを南下してゆき、雨の西麻布交差点をすぎて広尾駅へ。

ここで降りて日比谷線経由で帰ることも考えましたが、バス停はちょうど地下鉄駅の無い信号角で、信号待ちの間に雨宿りする場所もないので、下車をパスしました。

こうして都心でバスに乗ること自体、何十年ぶりかもしれません。

そして、雨ながら、こうしてバスの車窓から青山、麻生、広尾、白金と、港区ナントカさんが住んでいらっしゃいそうな町を眺めるのもなかなかおつなものです。

そうこうしているうちに、目黒駅東口に到着です。

乗車時間は20分ほどでしょうか。

信号を渡って階段を数段登ればJR山手線の駅構内で、そこから外へは出ずに東急線の駅に移動できます。

目黒駅について、今の通勤経路ではまず滅多に利用することは無いのですが、朝一番で都心へ出ようとする場合に限って、目黒線経由の方が速い山手線に乗り継げる場合はあります。

私の利用している東急東横線の上り一番列車は、元住吉駅発、菊名駅発、元町・中華街駅発の3つの列車がほぼ同時に渋谷方面に向かって走り出します。

だから、私は最寄りの日吉駅から上り一番列車に乗るよりも、ひと駅渋谷よりの元住吉駅から一番列車に乗った方が、渋谷駅到着は13分早く着けます。

東横線は元住吉と渋谷の間に始発列車の設定ないので、この元住吉駅発の列車がもっともはやく東横線沿線の住民にとって、この元住吉駅発の一番列車が、もっともはやい列車と言うことになります。

しかし、目黒線は違います。

上り一番列車は新横浜始発ですが、もっと目黒に近い奥沢駅に上り始発列車が設定されています。

多分、奥沢に小さな車庫がある関係だと思われます。

その奥沢(4時58分)発の目黒線朝一番列車に乗れば約2分の乗り換えで渋谷・新宿・池袋方面の山手線をつかまえられます。

そうすると原宿駅には5時17分に到着し、いつも乗っている4時59分元住吉発和光市行きが、明治神宮前駅に到着するよりも5分早く到着できます。

このように、帰り道に立ち寄れば、山手線に乗り換えるのにもっともよいドア口(6両編成3号車3番ドア 8両編成4号車3番ドア)が確認できます。

こんどの朝、渋谷に向けてブロンプトンで走っている最中に、東横線の上り始発電車に追いつかれそうになったら、この方法を試してみたいと思います。

すぐに急行新横浜行きが到着し、日吉駅まで座って寝て帰れました。

駅に着いても雨はやんでいなかったので、駅から家までもバスに乗り、結局この日は路線バス+電車+路線バスの通勤復路になりましたが、たまには別ルートでこんな経験もできるから、折りたたみ自転車の公共交通機関併用通勤は決してマンネリ化せず、いつまでも楽しく続けられるのだと思いました。