ブロンプトンの輪行カバーをなくしました | 旅はブロンプトンをつれて

旅はブロンプトンをつれて

ブロンプトンを活用した旅の提案

ブロンプトンに乗っていらっしゃる方は、「そんなものを失くすんかいな?」と思われるかもしれません。

けれども現実に起こった事なので、今日はそれについて書きたいと思います。

その日は用事があって、いつもとは違う鉄道路線で仕事場へ向かいました。

それでも乗車するのは午前5時前の一番電車です。

普通の自転車ならこんなやり方は考えられないのですが、午前3時台に起きて早朝に始発列車に追いつかれまいと都内まで走っている自分としては、家から1時間ほど走ってから別路線の始発電車に乗ることはそれほど難しいことではありません。

その日は普段は使わない駅で下車すると、カバーをたたんでサドルに吊り下げた小袋に入れて、10分ほど走って仕事場に到着しました。

普通ならここでブロンプトンをたたんで部屋に入れるのですが、その日は9時をまわったら銀行まで走ってゆく予定があったので、駐車場の脇、雨どいをまわす形で、ブロンプトンを建物にワイヤーロックしました。

これでワイヤーを切断しない限り、本体をもってゆかれることはありません。

時刻は5時半くらいで、場所も小さな路地を入ったマンションの立ち並ぶ一角の敷地角で、表通りからは完全な死角、路地を通るひとでも、その駐車場をよく見ていないと見落としてしまうスペースです。

仕事に掛かって4時間ほど経ち、9時半をまわったので、銀行に行こうと自転車の停めてある場所にきました。

ワイヤーロックを解除して、小袋に入れようとしたら…カバーがありません。

ここまで来るのに朝電車に乗った時には掛けて来たし、ここに真っ暗な時分に駐輪したときは、たしかにありました。

しかし、4時間経つうちにものの見事に消えてしまったのです。

袋から出て風で飛んでいったとか、カラスがひきだしてくわえて飛び去ったとかは、袋小路になっている駐車場の隅なので、殆ど可能性がありません。

こうなると、あまり疑いたくは無いのですが、おそらくは誰かがカバーだけ持ち去ったということになると思います。

友だちにそのことを話すと、「このあたりでは防犯カメラも多いから、この路地を通る人は映っているし、駐車している車のドライブレコーダーが(車のエンジンは切っていても)作動している場合があるから、近所の人はそういうことはしないのだけれど」と答えていました。

たしかに、他人のマンションの駐車場に入った時点で不法侵入罪に問われますし、付属品であっても盗んだら窃盗罪が成立します。

それにしても、なんでカバーだけなのでしょう。

そんなことを考えたくないのですが、自分もブロンプトンに乗っていて、ちょうど良い具合のカバーがサドル下の袋に入っているのが見えたからつい出来心で…ということなのでしょうか。

ブロンプトンに乗る人に、そんなせこい人はいそうにありません。

友だち曰く、おそらくはフリマアプリ等で売れるだろうと見越して持っていったのではないかと。

それなら、私はそのようなアプリを利用したくないと思います。

盗品かどうかは、購入者側では判断がつかないし、それ以前に顔の見えない人から大切にしている自転車の付属品を購入するのは考えものです。

結局、ライトやサドルなど、その他の部品を盗られなかっただけでもマシですし、何よりもブロンプトンそのものは無事だったので、よしとすることにしました。

それにしても、他人の物を盗って行ってまで財貨に代えようとするそのあさましさが理解できません。

そのようにしてお金を稼いでいったところで、それで何ができるのでしょう。

そして、そのお金で幸せになれると本気で思っているのでしょうか。

おそらくは、そういう人は盗ること自体が嗜癖となってしまっていて、やめようとする意欲もわかず、「こんなところに自転車を置いておく方が悪い」とばかりに、ただ惰性で盗っているのではないでしょうか。

だとしたら盗る側にとっても悲劇なのですが、そう書いても分からないでしょうね。

人に見つかるとか、法を犯していることが問題なのではなく、そういうことを平然とできるようになってしまう、病んでいる自己の心性に気が付かないこと自体が悲劇だといっているのですがね。

これは、正義の名のもとにハラスメントをする人、当人のいない場所でその人の噂話や陰口をたたく人、方便だとして平気で嘘をつくひとなども同じです。

悪事は露呈しなければ良い、法に触れなければ良いという問題ではありません。

こう書いても、それが悪事ではないと思っている限り、どうしようもないのですが。

あとでブロンプトンを売っているお店の方に聞いたら、いままでブロンプトンは盗まれにくい自転車だったものの、ここに来て価格が高騰していることと、世間一般に高価な折りたたみ自転車だということが認知されてきているので、盗難に遭うことが多くなっているということでした。

対策としては、いつも見える同じ場所に駐輪しない、どうしてもそのような場所に駐輪する場合は、フレームと構築物や構造物とをワイヤー錠等でつなぐ、いわゆる「地球ロック」をすることですが、それよりも、畳んで部屋に入れられるブロンプトンなのですから、面倒くさがらず、たたんで家の中に入れてしまうことでしょう。

仮に同じ場所に停めてカバーとライトだけ外して鞄に入れて持ち歩くとしたら、着脱の手間を考えれば、本体ごと折りたたんで部屋に持ち込んでしまった方が、どれだけスムーズかしれません。

それに、庇がかかっていたとしても、屋外はやはり風雨にさらされるわけで、毎回同じ場所の外とめているということは、狙われる以前に避けた方がよいと思われます。

せっかくおりたたんでコンパクトになる自転車に乗っているのですから、その美点を利用しない手はないと思います。

発明者のアンドリュー・リッチーさんも言っていました。

この自転車をコンパクトにしたのは、第一に収納のことを考えてだと。

私は家の中に折りたたみ自転車ブロンプトンが収納されている光景、嫌いではありません。

ずっと前にご紹介した通り、ぴったりの家具もありますから、ぜひご検討なさってみてください。