良い習慣をつけるための3つの心得(その1) | 旅はブロンプトンをつれて

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このところ、むかしの友だちに再会する機会が続いたおかげで、そのころのことを思い出すことが増えました。
そのなかで自分の通学の歴史を振り返りました。
幼稚園はお隣でした。
特殊な事情があって3歳から通い始めたのですが、そのために、他の子のように大人に付き添われて登園というのは最初だけで、いつも自分ひとりで歩いてゆきました。
だから、早めに行くなどということはありませんでした。
他の子たちが登園し始めるのを見てから支度しても、十分間に合ったのです。
私は地元の公立小学校へあがったため、学校は子供の足でも歩いて7~8分程度でした。
集団登校が実施されていたため、家の近くの集合場所から出発する時間も決められており、これまた人よりも早く家を出るということはありませんでした。

通学事情が激変したのは中学生になってからです。
受験して遠方の私立に通うことになったため、いきなりバスと電車を合計3つも乗り変えて、どんなにうまく乗り継いでも最寄りのバス停から下車駅まで1時間15分、前後の徒歩を合わせると1時間40分、乗り継ぎがうまくゆかないと片道2時間近くかかる環境に変わってしまいました。
それまで8時過ぎに家を出れば間に合ったのが、6時10分~20分発の始発バスに乗らねばならなくなったからさあ大変です。
7時から7時半に起きていたのが、いきなり5時半に起きねばならなくなったわけですから。

それでも、学校につくのは7時半をゆうにまわっていて、登校してくる生徒の中では中途半端に遅いほうでした。
駅までの自転車通学は禁止されていましたから、中学1年生の時はそれを守って、部活の朝練や寒稽古のときなど、先生の家に泊まるようになり、それは3年生まで続きました。
2年目、3年目になると、遠方で目の届かないのをいいことに、最寄り駅まで自転車でゆくという知恵がつきましたが、とにかく1年生のときには、とくに最初の1学期は大変でした。
身体が小さかったとうこともあって、重い荷物をもって歩く速度は他の子より遅かったし、何よりも睡眠という生理現象の時間が削られるのがつらくてしかたありませんでした。
当然、学校へいってもいつも眠くてぼんやりして、授業どころではありません。

他にも似たような境遇の生徒はいるわけで、それを言い訳にするのはおかしいと思いつつも、1学期の中間テストから入試科目の成績が急降下し、あわれ初任者だった教師は、わたしのために面目が潰れたのでしょう、テストの後にさんざん嫌みを言った後に、私の下へのクラス替え(その科目は能力別でした)を言い渡しました。
なにせ入試で満点近くをとっていた子が、2か月もたたないうちに同じような問題のテストで赤点をとったのですから、無理もありません。
その時のことはトラウマで、今もはっきりと情景を覚えています。
でも、その教科はもともと嫌いだったのに入試のためにパブロフの犬宜しく回答マシーンとされていたから、もう必要がなくなれば勉強する必要はなかったし、勉強する暇があるなら1秒でも眠っていたかったのです。

わたしは子どもの頃から環境の変化への順応速度は遅いほうでしたが、この時ばかりは「もう無理」と思いました。
部活の帰りなど、眠いのと空腹で駅の階段をゆっくりしか昇れないとか、夕食中に寝てしまい、ご飯を盛ったお茶碗に顔を突っ込むとか、そんな経験をしたのを覚えています。
しかしそんな私も1年とちょっと経つうちに、校舎の扉が開く前に学校に来て、扉が開くのを待ちながら、1時間目で出される小テスト(英単語・英熟語、漢字などの書き取りテスト)の準備をする子に変身していました。
そして、入ったらまず着替えてマラソンコース(1周2.4㎞)を最低1周、時間があれば2周してから教室に戻って授業がはじまるまで覚えたことの見直しをするか、本を読んでいました。
なんで毎日走っていたのか、ずっと忘れていたのが、ここのところ朧気ながら思い出してまいりました。
その頃はすべてに中途半端だったから、何かで認められたかったのかもしれません。

前述したように、校則を破って駅までこっそり自転車でゆき、朝6時前の電車に乗ることを覚えたし、通学経路を変えて電車に乗る時間を増やしたり、帰宅時に車内で居眠りすることを習慣にしたりと、子どもなりに環境の変化に対応するための策を練ったのです。
集合時間の早い寒稽古だけは、さすがに先生か友だちの家に泊まるほかありませんでしたが、今の私なら途中の乗換駅まで自転車で走っていたと思います。
そうこうして慣れたので、中学1年で下のクラスへ落ちた教科は、中学3年で元のクラスに戻っていました。
エスカレーター式であがる高校に行くにしろ、せめて入試科目は人並みに受験したかったのです。
でも入ったらまた安心して下のクラスに落ちてしまいましたが。
まるでニンジンをぶら下げられた馬みたいでした。

しかし、中学1年生で苦労してつけた早起きの習慣は、その後大学に入るまでずっと続けることができました。
(大学に入って早起き習慣を失ったのは、たんに夜更かしが激しくなったからです)
この経験が、大人になってから早起きをする習慣をつけるのにも役立ったと思います。
もちろん、仕事が忙しくても大して偉くも無い、ついでに仕事もあまりできない自分が、重役出勤するわけにはゆきませんし、だったら早く出勤して少しでもそれを埋め合わせ出来たら、それは世間ではサービス残業ということなのでしょうが、自分の勉強にもなったし、良い時代でした。

さて、昨年の夏に仕事場が鎌倉から都内に変わり、ここのところ腕が痛かったこともあって、毎朝最寄駅から渋谷付近まで電車に乗り、残りの4.4㎞ほどしか自転車に乗っていませんでした。
それでも、6時前の電車に乗るために5時に起きて5時半には家を出てましたから、十分早起きなのですが。
しかし、鎌倉まで通うのに、家から保土ヶ谷駅まで朝に走って、夕方は逆に鎌倉から横浜まで走っていたことを思えば、その前は新宿までほぼ毎朝走っていたわけですから、家から渋谷の少し先まで走るのはできるはずです。
ということで、しばらく5時起きだった朝を、また1時間早くすることにしました。
これまでの方法だと、一度に戻すのではなく、1週間から1カ月くらい毎に、15分から20分ずつ早起きすることにしました。
そこで改めて習慣をよりよく戻すにあたり、3つの大切な要点というか、心得をまとめたので、ここで紹介したいと思います。
大した取柄もない自分が、なぜこれほど早起きに馴化できたのか、自分でも忘れないように書いておきたいと思います。
(つづく)