毎朝の往路通勤に横浜駅までブロンプトンで走ってみる | 旅はブロンプトンをつれて

旅はブロンプトンをつれて

ブロンプトンを活用した旅の提案

鎌倉への折りたたみ自転車鉄道併用通勤において、スマートウォッチで心拍数を測った結果、早朝での自宅から新川崎駅までの4.2㎞では、きつい運動のレベルまで心拍数はあがるものの、時間が短すぎて足りないという結果でした。
そこで、毎日の通勤において、もう少し長い距離を走ることを検討してみました。
まずはいつもの新川崎ではなく、以前冬期に実験したことのある、家から8㎞先の川崎駅まで行って、東海道本線の一番電車に乗るというプランです。
(https://ameblo.jp/cum-sancto-spritu/entry-12649257988.html)
この方法では、朝の3時50分くらいに家を出て、20分から25分くらい(平均時速になおすと19.2~24㎞/h)で川崎駅まで走り、そこで朝食を食べて4時45分発の熱海行きに乗って大船もしくは藤沢までゆくというものでした。
たしかに、この方法だと心拍数さえ上がれば最低20分間の運動はギリギリでクリアできそうです。
しかし、家から新川崎駅まではほぼ平らで、途中坂があるとすれば、鹿島田の跨線橋と川崎駅東口へ迂回するアンダーパスの2か所くらいです。
これまでの実験から、起伏のないサイクリングコースを走るよりも、上り下りの多い丘越えをいくつもした方が、心拍数があがって運動効率は良いことが分かっています。
また、途中裏道を走っても、川崎駅に近づくにつれてどうしても幹線道路を走らざるを得ず、信号が多くなり、早朝でも止って青信号を待つ休み時間が長くなります。
さらに、電車賃は新川崎駅から乗るのと全く変わりません。


そこで、次に考えたのは朝に勘違いして1時間早く家を出てしまった時に、横浜駅まで走った経験でした。
(https://ameblo.jp/cum-sancto-spritu/entry-12794032679.html)
この時は、時間を間違えて元住吉駅にいつもより1時間はやく行ってしまい、そこで気がついて、途中で警察官から職質を受けながらも13㎞を37分(平均時速:21㎞/h)で走ったというものでした。
あの時はどれくらい時間がかかるか分からないから、焦ってかなりのスピードで走りました。
家から横浜駅までは旧綱島街道などの裏道を駆使しても12.9㎞です。
川崎駅よりも5㎞プラスになります。
しかも、こちらは新川崎駅や川崎駅と違って何度か丘越えをしなければたどり着けません。
まず、自宅から綱島駅までの間、次に大倉山、さらに菊名から東白楽にかけて、最後に
反町駅付近にかけてと、大雑把に数えても合計4つのピークがあるので、スピード加減も勘案して、平均時速20㎞/hで走ったとして、40分くらいはみておかねばなりません。


横浜駅にも西口の新田間川に架かる南幸(ムービルの近く)に4時から朝食をとれる吉野家さんはありますが、そこで朝食を食べて、4時37分発の根岸線大船行きに乗ったとして、大船到着は5時07分。
電車の中では30分間居眠りできる計算です。
そこからお寺迄4㎞走って朝の自転車による往路通勤の走行距離合計はだいたい17㎞。
1日の運動量としてはこれで十分ですが、逆算すると3時20分には家を出ねばならず、午前3時起きは必須になりそうです。
午前5時起きから1時間前倒しにするのもけっこう大変だったのに、さらに1時間早く起きる習慣をつけられるのかどうか。
それに、午前4時なら早朝といえますが、午前3時は深夜です。
夏至の頃でも真っ暗でしょう。
しかも、東横線は全く動いていない時間帯ですから、途中パンクでもしたら深夜料金のタクシーに乗らないとリカバリーが効きません。
横須賀線は新川崎駅の次は横浜までとまりませんから、どうしても走る距離を伸ばしたいのであれば、早朝に13㎞は走らねばなりません。


幸い、まだ冬で北風が強い時期でしたから、自宅の南にある横浜方面に向かえば、追い風の恩恵を受けることができます。
タイヤも、通勤に併用するということで、多少重くなるのは覚悟の上で、パンクしにくいタイヤを履くようにしています。
そこで、まずは3時起きして実験してみることにしました。
わたしは最低でも6時間は睡眠をとりたいので、21時前には床に就きたいのですが、これを習慣づけるのが大変でした。
20時に就寝しようと思ったら、おそくとも16時くらいには夕食をとらねばなりません。
18時とか19時は、普通の人にとっては宵の口ですが、自分にとっては深夜になってしまいます。
さらに、最初のうちは無理やり20時に床に就いても、午前0時とか1時に目が醒めてしまうのでした。
朝の3時に起きるのは、目覚ましさえかければどうにかなりますが、夜に眠る時間ばかりは簡単にゆきませんでした。
それでも無理やり続けていたら、少しずつ眠る時間を早めることができるようになってきました。


そして実際に午前3時半に家を出てみると、これが4時台とは全然違う世界です。
まず、お年寄りも含めて歩いている人、自転車に乗っている人は他に全く見かけません。
というか、自分だけなので十分怪しい人になってしまいます。
新聞は配達がたけなわの時間帯らしく、そこかしこで原付をみかけます。
それからコンビニ前で配送時間を待っているトラックが目立ちます。
ほかに開いているのは24時間営業のコインランドリーとスポーツジムくらいです。
電車が動いていませんから、駅前のタクシーは横浜駅でも5台以内で、1台か2台だけの日もあります。
旧綱島街道を走るので、川崎駅に向かうよりも信号は少ないのですが、うちいくつかは黄色ないし赤の点滅信号になっていて、徐行のうえ通過します。
4月いっぱいまでは、横浜に着くまでほぼ真っ暗で、オートバイや車(もちろん自分の自転車も含む)のライトで接近が分かるので、出会い頭の衝突などの心配はぐっと減ります。
それにもまして、車が絶対的に少ないので、他の車両の走行音が良く聞き分けられます。
だから五感を目いっぱいはたらかせて左右の歩道も含めて活用すれば、信号で停まることなく家から東白楽までノンストップで走ることができるので、まとまった有酸素運動が可能です。


なんだかワイルドな通勤に思えますが、この時間でないと見えない風景をたくさん見ることができます。
同じ日の出前とはいえ、午前3時台の空は夜空なのに対し、4時をすぎると少し春先は紺色、春本番になると藍色、そして初夏ともなると群青色が、夜空に混じるようになります。
ゴッホの「星月の夜」ではありませんが、こんな微妙な色加減は、人間では絶対に出せません。
星月といえば、月齢によっては月がとてもきれいで、月光のもとでの走行はロマンチックだなとさえ感じてしまいます。
この時間帯は静かですから、ベートーベンのソナタ「月光」や、ドビュッシーの「月の光」が空耳で聞こえてきます。
そして横浜が近づいてきてランドマークタワーや手前の高層マンションが見えてきて、季節が進んでくると、それらに薄明光線があたって、まるでクリスタルの柱のように見える日もあります。
こうしてみると、夜明け前の空ってすごく魅力的で、午前4時だと夏などはすでに明るくなっているのですが、午前3時から見ると、その変化具合がもっとよく観察できるのでした。


走ってみた感想です。
家から5キロくらいまではウォーミングアップという感じで、少しずつ感覚を覚醒にもってゆく時間です。
そこから少しずつペースアップしてゆき、8~9キロくらいの妙蓮寺から白楽まで来ると、汗が出てきて「運動しているな」という感覚になります。
これは、新宿まで走って通勤していた時、多摩川を渡るくらいまでが始動期で、柿の木坂交差点から学芸大学付近になって本格的運動モードのスイッチが入るのに似ています。
反町から横浜にかけての坂道越えはラストスパートになっています。
横浜駅西口前を通り過ぎて、吉野家さんに走り込むあたりではもう完全に持久走モードの息継ぎになっていて、いつも開店して間もなく汗まみれになって入ってきて、出された水を一気飲みする怪しい客になっています。
心拍数は110~137くらいの間で推移し、日によっては157を記録していて、梅雨に入る前は週に4~5日これを続けていたら、3カ月過ぎるころから腰回りの肉が取れ始めました。
気付いたのは、いつも履いているズボンが明らかにぶかぶかになってしまったからです。
がっつり運動した分、朝食も前より美味しく感じるようになりました。


時間は午前3時20分に出れば4時05分くらい、3時半に出れば4時15分に着くので45分です。
昼間に走るより少しだけ短いと思います。
おそらくは平均スピードが速いのと、信号待ちが少ないせいでしょう。
15分くらいで朝ご飯を食べて、4時半には店を出て西口へ戻り、ブロンプトンをたたんで4時37分発の根岸線大船方面下り一番列車を待ちます。
この電車はお隣の東神奈川駅始発なので、絶対に座れます。
といっても、この時間帯はまだ横浜駅に乗り入れる他の路線が動いていないので、徹夜で飲み明かした人たち以外は、自宅から駅まで徒歩か自転車で来れる人しかおらず、上りも下りも乗車する人が殆どおりません。
横須賀線の下り一番列車はいつも新川崎から乗っている4時53分発久里浜行き、東海道本線の一番列車も4時54分発で両線とも上り一番列車は5時をすぎないと来ませんから、ホームの多い横浜駅で人がいるのは京浜東北線・根岸線の3,4番線だけです。


大船まで磯子や杉田を経由して大回りしてゆくので30分かかりますが、その分ゆっくり眠れます。
大船には横須賀線より4分だけ早く着くのですが、そこはあまり変わりません。
だから目的地に着く時間もほぼ同じです。
というか、1番電車に乗っている以上、これより早くに着こうと思ったら、オートバイか車を利用するしかありません。
(同じ時間にマイカーで出発したら、4時過ぎについてしまい、早すぎます)
新川崎から大船までが490円に対し、横浜からは320円で170円、ペットボトル1本分の節約になります。
そして、新川崎駅まで4㎞ちょっと走っていた頃と明らかに違うのは、毎朝ちゃんと運動しているという感覚で、これは自宅から新宿まで走って通っていた頃に近い気持ちです。
そして慣れてしまえば21時に寝て3時起きするのも悪くないと思えるようになりました。
寒い時期はとくにですが、運動した分、深く眠れるのです。
コロナ前、あの頃も日々の生活に運動を取り入れて、よく眠れていましたから。
このあと朝の通勤はちょっとだけ改良をくわえましたが、それはまたの機会に。