先日、アートサロン山木で行われた仲岡さんの個展にお邪魔しました。
仲岡さんも在廊され、とても楽しくお話ができました。

仲岡さんと言えば、淡い色調の釉薬を思い浮かべます。
しかし、最近はその淡さが徐々に変化してきています。

今回、私が求めたカップもそうした変化を如実に表した作品です。



引出し黒の渋い黒です。
見込はもっとギラギラした黒です。



このカップの面白さは、階調にあります。
ほとんど灰釉のようなトーンから焼けただれた黒まで。
まるで白黒写真のようにトーンが多様なのです。

前回、wadで開催された個展では、
色の散逸が景色を構成する作品が出品されていました。



このカップをみたときも、
それ以前の作品との違いに興味を覚えました。
それまでは、フラクタルな色の構成だったからです。

ところが、今回の引出し黒では、
色から一転して階調へと変化していました。

色の散逸から、白黒の階調へ。



ますます進化する仲岡さんは、今後も楽しみです。