昨日、安永正臣さんの個展を見に行ってきました。
今回の個展では、いつものように白磁と南蛮焼がずらり。
そのクオリティもすごく高くなっていました。
これだけでも大したものだったのですが、
今回はそれ以上の試みをしておられました。
と、いうか、私にとって衝撃でした。
それがこれです。
なんだか隕石を思わせます。
実はこれ、合子(ごうす)なんです。
蓋をとってみると、こんな感じです。
もう器の領域を越え、芸術作品の領域に入っています。
それもそのはず、これは陶器とも磁器とも言いにくいものなんです。
陶器は土を焼成して作られます。
磁器は、カリオン、石英、長石を組み合わせるとこで作られます。
ところが、この合子は長石だけで成形しているのです。
石を砕いた粉をどうやって成形するのか謎です。
焼成のときは、砂に埋めて焼き上げるとのこと。
当然、焼きあがった後は砂がこびりついているわけで、
これを丁寧に磨きあげなければいけません。
こうしてできたものは、長石が本来もっていた色しか出ていません。
そこで、上絵を施し、これ再び焼成するそうです。
こうしてできた器は、長石に含まれるソーダ成分によって、
隕石のような穴が所々に現れ、しかも上絵の色素が、
本来の色とはことなるコバル色などに変色し、
この世のものとは思えない焼物となります。
安永さんのアイデアと、それを実現化する才能には驚かされます。
正直、今回の器はあまり一般的な消費者に受けるのか疑問です。
食器などとしては使い難いでしょうし、
陶器とは、磁器とは、と一言ある人にも受けなさそうです。
でも、この器は間違いなく世界レベルで通用する芸術品です。
個人的には、なるべく早い時期に国際的なコンペティションに出品して、
世界のアートコレクターやバイヤーに見てもらうべきだと思いました。
もう一つ、私の個人的な意見を言うと、
一つの作品の値段が安すぎます。
ぜひ、実物を見にアートサロン山木さんに行ってみてください。
その値段が驚くほど安く設定されていることがわかります。
安永さんは普段使いを考えて価格を決めているのでしょうが、
この作品は、白磁や南蛮の器をもとめる消費者とは違う人々が対象になると思います。
30歳になったばかりの年齢ということもあり、
自分の作った作品の値段を低く設定するのは分かります。
でも、自分がやろうとしていることの先にある
購入する側の属性というものも今後は考える必要があるのではないでしょうか。
少なくとも、今回の個展に出品している新しい器は、
安売りするべきものだとは思えませんでした。
器のブログで初めて偉そうなことを書いてしましました。
でも、それだけ今回の衝撃は大きく、
安永さんの作品に感動したのです。
ぜひ、世界に向かって羽ばたいてもらいたい若手作家さんです。
追記:今回は興奮して、照明まで使って写真を撮っちゃいました。
今回の個展では、いつものように白磁と南蛮焼がずらり。
そのクオリティもすごく高くなっていました。
これだけでも大したものだったのですが、
今回はそれ以上の試みをしておられました。
と、いうか、私にとって衝撃でした。
それがこれです。
なんだか隕石を思わせます。
実はこれ、合子(ごうす)なんです。
蓋をとってみると、こんな感じです。
もう器の領域を越え、芸術作品の領域に入っています。
それもそのはず、これは陶器とも磁器とも言いにくいものなんです。
陶器は土を焼成して作られます。
磁器は、カリオン、石英、長石を組み合わせるとこで作られます。
ところが、この合子は長石だけで成形しているのです。
石を砕いた粉をどうやって成形するのか謎です。
焼成のときは、砂に埋めて焼き上げるとのこと。
当然、焼きあがった後は砂がこびりついているわけで、
これを丁寧に磨きあげなければいけません。
こうしてできたものは、長石が本来もっていた色しか出ていません。
そこで、上絵を施し、これ再び焼成するそうです。
こうしてできた器は、長石に含まれるソーダ成分によって、
隕石のような穴が所々に現れ、しかも上絵の色素が、
本来の色とはことなるコバル色などに変色し、
この世のものとは思えない焼物となります。
安永さんのアイデアと、それを実現化する才能には驚かされます。
正直、今回の器はあまり一般的な消費者に受けるのか疑問です。
食器などとしては使い難いでしょうし、
陶器とは、磁器とは、と一言ある人にも受けなさそうです。
でも、この器は間違いなく世界レベルで通用する芸術品です。
個人的には、なるべく早い時期に国際的なコンペティションに出品して、
世界のアートコレクターやバイヤーに見てもらうべきだと思いました。
もう一つ、私の個人的な意見を言うと、
一つの作品の値段が安すぎます。
ぜひ、実物を見にアートサロン山木さんに行ってみてください。
その値段が驚くほど安く設定されていることがわかります。
安永さんは普段使いを考えて価格を決めているのでしょうが、
この作品は、白磁や南蛮の器をもとめる消費者とは違う人々が対象になると思います。
30歳になったばかりの年齢ということもあり、
自分の作った作品の値段を低く設定するのは分かります。
でも、自分がやろうとしていることの先にある
購入する側の属性というものも今後は考える必要があるのではないでしょうか。
少なくとも、今回の個展に出品している新しい器は、
安売りするべきものだとは思えませんでした。
器のブログで初めて偉そうなことを書いてしましました。
でも、それだけ今回の衝撃は大きく、
安永さんの作品に感動したのです。
ぜひ、世界に向かって羽ばたいてもらいたい若手作家さんです。
追記:今回は興奮して、照明まで使って写真を撮っちゃいました。