きゅーさん’ず☆わーるど -7ページ目

Blue rose〜人魚姫〜(10)







迷いは






なし











・・・






如何なされましたか 皇女さま





・・・





我を





その名でなく





母と呼んでくれはしまいか





・・・










さま





・・・





ああ





嬉しきことなり





・・・






如何なされましたか





・・・





我は既に





人魚に非ず





人にも非ず





何故





この洞穴に篭りたるは





もう 既に





この世に非ず存在であるからなり





お前を連れて





この水底に戻りしときに





既に 我 肉体は





存在しないものであった





・・・





私には意味がわかりませぬ





・・・





我が娘よ





よくお聞きなさい





人は





我らよりも弱い生き物





我らは長寿にて





身体の力も





はるかに





人よりも強きものなれど















こゝろは





無垢にして





無防備なり





人の心は





強い





強いと言うべきか





弱い





と言うべきか





そう





その双方を持ち合わせているものなり





無垢なるものは





人の心に惑う





しかれば





我らは





強さと弱さの狭間におちいり





我を無くす





覚えておいで





人となった我肉体は





人と等しくなる故





弱くなる





心を持たない我らは




その弱さに耐えられず





人に翻弄されたあげく





全てを奪われる





柔らかき人の肉体では





人の






男の力に抵抗はできず





生殖と言う





人にとっては





欲望の餌食となり





生まれ来る子供が





人魚の子供なれば





取り上げられ





売り買いされ





金銀財宝と






交換された





お前をすんでのところで





取り返し





我は





海に





飛び込んだ





しかし





人となりし肉体は





この





海に





生きてゆくことなど





たがわぬものであった





そう





我は





既に





亡きものなり






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Blue rose〜人魚姫〜(9)







大きな争いがおきるに相違なき





・・・





思い描くがいい





人の世界が







如何に





浅ましく





欲にまみれたるものであるか





・・・










これは我らも皆持つもの





それが何故 浅ましきことなるか





・・・





人の欲は





底が知れぬ





満腹になっても





さらなる欲を抱く





すでに





先人が残した遺産を全て喰らい尽くし





新たなものを求めて多大なる浪費を費やす





そんなものになる意味ありや





・・・





私には





それを思い描くことはなりません





何故





新たなるものを求めることが





意味なきことなりや





我らとて





この海に棲むものもしかり





餌がなければ





新たな餌場を探すまで





満腹になっても





次に生まれ来る命のためなれば





浪費をも構わないのではあるまいか





・・・





ああ





お前に





この私が見た悲劇を





如何に伝えたら良いものか





我らが





何故





この水底に住まわなければならないのか






人の与える不幸と





いづれもたらされる我らの不幸と





何故





Blue rose





なる名を得るにあたったかを





・・・





皇女さまは





何を迷っているの





私は





新しい世界を知りたい





冷たい水底から誰もが思う





凪いだ海原から





まあるい月灯りが差し込む





宇宙に漂うものと




地上よりさらに深く





海に漂うばかりのものが





初めて交わり





重さを感じる世界に生きられる





意味はわからないけど





少なくとも




知らないものに触れることができたら





我らは新しくなれるのでしょう





不安がないと言えば偽りなり





しかれど





迷いはなし





私は





迷いは





なし





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Blue rose〜人魚姫〜(8)








Blue





rose





蒼き薔薇





なぜ





人は





名前を持たないものに





そんな名前をつけたのか





私は





そう





母に問うた





・・・





小さな泡が立ち昇る





声は






なけれど





母は答えた





・・・










どうして





どうして





どうして





人になってはいけないの





そう





立ち昇る泡が





人になることを





諌めるように聞こえた





どうして





どうして人になってはいけないの





・・・





我が一族は





人に非ず





・・・





我が一族はあってはならぬもの





・・・





もし





人の世に関われば





あまた





不幸がもたらされる





・・・





人は





浅ましきものなり





我が一族は





汚れを知らぬものなり





一度





双方が交われば





蒼き花は





紅き花となる





紅き花は






汚れど





決して





醜い花ならず





むしろ





我が一族よりも





暖かく





優しい花なのやも知れぬ





・・・





どうして





ならば尚のこと





人に交われば





我らは





暖かく





優しく





なれるのではあるまいか





・・・





想像してみよ





我が一族が





紅きものにまみれ





この水底にもたらすことを





この海に生まれ





この海に育みしものは





愛しさや





慈しむことなど必要なきこと





ましてや





怨恨など





・・・





怨恨





初めて知る言葉であった





怨恨とは何ぞや





・・・





お前が知らぬのも無理はない






我は





他のものを殺し






また





他のものが





我らを殺しても





何も思わないだろう





・・・





確かに





・・・





人は異なる





人は





肉親や






兄弟姉妹





或いは仲間という





概念に






縛られている





もし





他のものが





同族の





親や





肉親や






仲間を諌めることあれば





忽ち





大きな争いがおきるに相違なき






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