きゅーさん’ず☆わーるど -9ページ目

Blue rose〜人魚姫〜(4)







我らが一族は





女人のすがたのものばかり





生命の繁栄は






明日の夜にかかるものなり





つまりは





生殖を行いし器官を持たない





我らが一族は





長寿なれど






八百の年月





天空の果て






星々の輝きが





地上に届く時間に比ぶれば





ただ





束の間の夢の如き





明日の夜






凪いだる海原に





映る月の輪を






寸分違わず潜れし者だけが






この身体を分かち





女人の生殖器を





得ることができる






かようにして





我らが一族の繁栄は保たれてきた





果たして





女人になりしものは






子を孕み





産み落としたるは





人魚の子





されど人は






あざとい者ばかり






生まれし子を見て如何にとやせん





めづらしきものなれば





如何にとやせん





売り飛ばして金品を得るか





我らが肉を喰らえば





不老長寿の身体を得るという





総じて





生まれし子が





我ら一族の元に還りしもの





僅からなり





また





月の輪を潜りし





女人となって還りしもの





未だかつてなし





女人から人魚に





還りしもの





未だかつて





なし






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Blue rose〜人魚姫〜(3)







荒ぶる海原に





年にただ一度





波が凪ぐときあり





それは





満月





凪いだ海原より





月のあかりが水底まで届く夜





我らの蒼き鱗が





金色に輝き





紅き血が身体に通う





水底から天空を眺むれば





金環の





エンゲージリングが如き





我らが一族のいい伝えに





水底から





一息に





その金環をめがけ





みんごと





その金環の真ん中を寸分違わず潜れば





人の半身と





魚の半身が





ふたつに分かれ





ひとつは金の魚に





ひとつは





人に





人間の姿に





なれるという





さては





数え重ねた月日より





明日が





満月の夜となり





何ものをも寄せつけぬ





荒れた海原が凪ぐときなり





さては





我らが一族は





如何にとやせん





さては





私は





如何にとやせん





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Blue rose〜人魚姫〜(2)







荒れた海原に訪れる者はなく





荒れた海原に飛ぶ鳥もない





我らが棲家としたのは





異なる者を拒む為





我らが棲家を侵す者を拒む為





深く





暗い





水底には





醜き魚達が集う





かの者達は










陸地に棲む者達に





拒まれた





醜き魚達





我らが一族は





かの魚達と戯れ





かの魚を喰らう





我らが一族は





魚に非ず





我らが一族は





人に非ず





全ては





摂理によって生かされている





全ては





不合理によって死にゆくものなり





私の眼の前に





稚魚が戯れ





私もかの魚達と戯れ





私の美しさに惑い





侮れしところを狙い





喰らう





美味なり





美味なり





美味なり





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命を奪うことは





美味なり