歯科衛生士さきです!



今日は義理の祖母が亡くなり、

そこから感じた歯科衛生士としての

目線を書いていこうと思います。



この記事を書くにあたり、

夫に許可をとっています。




夫は「むしろ残した方がいい」

と言ってくれたので、

この記事を書いています。



気分が悪くなる方もいるかもしれませんので、

読むにあたり自己責任でお願いします。


私の紹介



2歳8ヶ月の男の子を子育て中で、

妊娠8ヶ月の歯科衛生士ママです。




クリニックでは0歳も観るし、

高齢の方のお口の中を観る

現役で歯科衛生士をしております。



クリニック以外では

「口育」を伝える

フリーランス歯科衛生士でも動いています。



ここでは主にお子様を観ることが多いです。


最近では産前産後一般市民団体に所属したり、

県歯科衛生士会の歯育て事業のサポート

にも入ったりしております。



義理の祖母経緯



義理の祖母は89歳。

昨年ガンを診断されました。




高齢であることも加味して、

積極的な治療を選択しませんでした。




ガンを診断されても、

それまでとは変わらずモーニングに行ったり、

会えばいつも笑顔で迎えてくれる

よく笑うおばあちゃんでした。




しかし、それ以前より

「お口の不快感」を訴えていました。




私が歯科衛生士なのを知っていたので、

いつも「口の中が痛くて」と

話の中で伝えてくれていました。





まだガンによる症状は

出ていなかった時ですが、

常々お口の違和感を訴えていました。





歯科衛生士で一応口腔ケアの

勉強をしている身分として、

観させてもらいました。





私が診断することはできませんが、

「咬合」に問題があるとはすぐわかりました。




以前より

咬合の影響力を本で読んだりしていたので

今通院している歯医者を変えて、

別のところで診てもらった方がいいと

義父に伝えました。
 




義父はすぐケアマネさんに相談し、

別の歯医者を提案してくれるところ

探してもらい運よくすぐ対応をしてくれて、

家に来てもらってお口の中を診てもらえる

クリニックが決まりました。






そこから義歯の型取りや、

調整、回数はもちろんかかりましたが、

今まで不快だったお口の悩みが消えて

本当に顔が変わりました。




「本当に調子がええ〜」




と喜んでいた顔を今でも思い出します。





あの時私が診ていなかったら、

あの時提案していなかったら、

あの時義父が行動を移していなかったら。




祖母のあの嬉しそうな表情は

見えなかったと思います。




祖母の最期



季節が変わるころ

ガンによる症状が出始めました。



動くと痛い。



内臓圧迫でした。





薬を飲みながら、

痛みを紛らわし、

それでも食事は口からとっていました。





もちろん食べられる量も減り、

運動量も減ってはいきましたが、

義父はとにかく

「外に出る」ように動いてはくれていました。




なので食べられる時には

大好きなモーニングのパンを食べていました。




自分が食べやすいように、

少し柔らかくして自分の口で食べていました。





4月末。

食事がほとんど取れなくなっていました。





それでも、ひ孫(私の息子)が行けば

ベッドから自ら降りて、

自力で歩いて「また来てね〜」と

見送ってくれました。





5月。

ゴールデンウィークがあることもあり、

入院をしました。




そこからがとても早かったです。





会える人と時間の制限が病院ではあり、

人と会うことも少なくなりました。    






先があまり長くないこともわかっていました。

ちょうどそのタイミングで

施設で働く看護師さんと話す機会がありました。




「最期まで看取れる施設」

があることを教えてもらい、

早速夫に相談。




夫から義父に提案がいき、

義父から入院先の先生に聞いてもらいました。





すると病院併設の施設であれば可能だと。





最期を一人で迎えるか

最期を家族に看取られて迎えるか





人それぞれの価値観だとは思いますが、

義父は後者が最善だと選択しました。





施設に移動してから

いろんな方が来てくれたようです。




息子、兄弟、孫、ひ孫。




たくさんの方に会えたと聞きました。




そんな中、

私と息子が「この日に行こう」

と決めていた日。




祖母が息を引き取るまさにその日になりました。





「今日ばあちゃんとこお見舞い行こうね〜」

と息子に話しかけていた朝。





私がクリニックの勤務を終え、

携帯を見たところ「危篤」だと

連絡が入りました。




ひとまず私だけむかい、

息子のお迎えは伸ばしてもらい

施設に行きました。





まだ手を握れば反応はあったし、

足も動かす。



ただ「呼吸」は口でしか

できなくなっていました。





すぐ息子を迎えに行き、

祖母と会わせてあげることができました。





その1時間もしないうちに

息を引き取りました。




一度帰ろうとしたところ、

息子が「また行く」と

エレベーターのボタンを押し、

部屋に戻ったところ目を閉じていました。





まだ温かかったです。





私は孫嫁であり、

外部の人間ではあります。




だけど、

こんな時に

私を立ち合わせてくれてありがとうって

心から想いました。




本当はお腹の子どもも会わせたかったし、

抱っこしてもらいたかったです。




歯科衛生士が感じたこと



歯科衛生士として改めて感じたこと。



人は自力で食べられなくなると

早いということ。




少ない量でも自力で

ゴックンできることって

やはり生命維持には

欠かせないことなんだと改めて感じました。






お口の調子が良くなるだけで、

人の表情は変わるし、

人生の豊かさにも直結することを

祖母から学びました。




それは0歳でも高齢でも変わらないです。






むしろ、

0歳からきちんと育てていかないと

食べられなくなる時期が早くなる。




そうなると寿命にも影響する。




私は長生きが全て幸せとは感じませんが、

自分の生きたい人生を歩くためには

「健康」のさらに土台


”お口の発達”


は本当に欠かせないと強く感じました。




医療職としての気持ちの変化



歯科の役割としてあまり

生死に関わる経験が少なかったのが

気づきでした。




しかし、

今回の祖母との関わりの中で



「歯科衛生士は人の生死に関わる仕事」

であることを改めて感じました。





歯科では今、予防が強く言われています。





症状が出てからではなく、

出る前から良い状態をキープする。



これは本当にQOL(人生の質)に関わります。




食べられること

息ができること

話せること

コミュニケーションをとること




お口がいい状態じゃないとできません。

不快があればうまく体は機能しません。




今子どもの頃から

お口の不快感がある子が増えています。




むしろその不快に気づかず、

それが当たり前だと思って

生活している子どもが本当に多いです。




人生を豊かに過ごしてほしい。





私が子どもたちに伝えたいことの一つです。





でも、子どもたちに伝える前に

「親」に伝えたいです。




子育てする私を含む母親・父親が

子どもの健康に目を向けてほしい、


自分たち親がいなくなっても

自力で生活できる身体を与えたい。




そう感じます。




まとめ





祖母と出会って6年くらい経ち、

人生の最期に立ち合わせていただき、

学ぶことが本当に多かったです。




書籍や臨床ではなく、

「家族」として人生の終わりを

どう過ごすか考えさせられました。




身内の中でも

やっぱり口って大切やな〜と

何度も話が出たようです。


(その都度夫が私に聞かせたかったと伝えてくれています笑)




そうなの、大切なのよ。




もっと子育て世代のママパパに言って!

と心の底から思いますが、

それを伝えるのが私の仕事。




人生を豊かに過ごせる子どもを増やすこと


自分の人生を楽しく過ごせる

子どもを一人でも多くすること




それが私の伝えていきたい

「口育」です。





長文、最後まで読んでいただきありがとうございます!




おまけ





妊娠中の看取りから

通夜葬式まではなかなか神経を使うものです。



やはり何度もお腹が張りました・・・



くれぐれも妊娠中の

通夜葬式に参加される方は無理せず。

鏡を入れることをお忘れなく。




息子(2歳児)は通夜葬式中、

本当にじっとしてくれて。




暴れることなく、

手を合わせてくれていました。

(成長に感動してます)