Coldplay - Music of the Spheres at Tokyo Dome | Have a cup of tea

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2023/11/07

Coldplay - Music of the Spheres World Tour in Tokyo

 

先日、イギリスのバンドColdplayの東京ドームコンサートを観てきた。彼らのコンサートを観るのは2006年7月の武道館公演から17年振り!その前に観たのは、イギリス留学中の2003年、ロンドンのアールズコートだったので、今回で3度目。

 

 

東京ドームにて2日連続公演の2日目だったので、SNSでは1日目の様子が投稿されていたが、どんな様子か知りたい衝動を抑えて、なるべくネタバレしないよう、冷静を保って当日を迎えた。東京ドームのイベントは、5年前のBon Jovi以来だった。スタジアム規模のコンサートにはほとんど行かないので、席に着くまでが大仕事な印象があり到着前はちょっと緊張。この公演では、確かチケット購入後、サプライズ的に前座が日本の人気バンド、YOASOBIという発表があったので、前座からフルで観るかどうか迷っていたが、自分の聴覚というかキャパシティというか疲労度を考えて(年なので💦)、Coldplayの開演時間から1時間以内くらいに到着するようドームに向かった。到着すると、すでにYOASOBIの演奏の音がドームの外に漏れて聞こえていたので、大多数の観客が入場した後で、エントランスの荷物検査やチケットのチェックではすぐに中に入れた。トイレも済ませて来たし特に何もすることが無いので、演奏中の会場に入ることにした。中に入ると軽快な音楽で皆すでに盛り上がっていて、あまり知らない音楽だけど、聴くとつられて楽しい気持ちになった。座席は一塁側スタンドだったので、階段を下りて席に到着し、YOASOBIの曲は最後の2曲くらいが聴けた。下調べで世界的にヒットしたという「アイドル」を最後に歌っていて、観客は拳を振り上げながらのコールに沸いていて、これはもう、ほとんど観る機会がないであろう貴重な光景を体験できたと思った。やはりライブで観ると(聴くと)、普段は好んで聴かない曲なのに、あの場の雰囲気で気分がアップしてきてしまう自分が正直怖い・・(笑)。

 

そして20~30分くらいのインターミッションがあり、その間、ステージの左右に吊るされた円形の大きなスクリーンに、コンサートについて概要のようなものが映し出されていた。ちょっと遠かったのであまり見なかったが、SNSなどで目にした情報によると、環境に配慮したコンサートを心がけていることとか、プラスチックごみ削減のために給水機を設置しマイボトル持参を推奨していたり、リユースの光るリストバンドは返却するとか、コンサート中、アリーナ後方にジャンプすると発電するスペース(これは席から見えた)や発電自転車を設置しているとか(実際に観客が漕ぎながらコンサートを観ていた様子が公式Xの動画にあった)、チケット代の一部が環境保護団体に寄付される、などなど。そういえばColdplayは数年前に、地球環境に配慮して、二酸化炭素を排出する飛行機を使う世界ツアーはやらないと発表したというニュースを聞いたことがあり、その時は、ちょっと残念だなと思った記憶があったが、今こうしてワールドツアーを開催している背景には、排出量の低い飛行機や方法を選んで移動し、上記のように環境にも配慮した運営に取り組んでいることがあったのだ。

 

(上の写真:開演前の様子)

 

そしてコンサートの開演時間になると、日本人の男女二人がステージに登場し、ちょっと記憶がおぼろげだが、確か、このコンサートについての上記のような環境配慮やサステナビリティを重視した側面を紹介し、皆にも協力を呼び掛けてた。そして、いよいよコンサートが始まった。

 

最初にE.T.のテーマ曲が流れて雰囲気が盛り上がり、メンバーが登場し、1曲目のHigher Powerの演奏が始まると、スクリーンにはカラフルな映像が流れるとともに、アリーナには大量の紙吹雪が舞い、それがまたカラフルなライトに照らされ、さらに観客約5万人のリストバンドの光が会場内に満ち溢れ、指定席ではあるが、もちろん皆立ち上がって一気に盛り上がった。


 

 

演奏中は音楽だけでなく、そんな光景を目でも楽しむことができた。また、たくさんの大きな風船がアリーナに飛ばされてきて、それが観客の手によりスタンドの方まで飛んで来たり、リストバンドはコンピューター制御?で曲に合わせて自動的に色が変ったり、点滅したり、スタンド側で赤いハートのマークが浮き上がったりと、テクノロジーを駆使したカラフルな演出に目を奪われた。個人的にライブ観るのが、17年も間が空きすぎたというのもあるが、私が前回観た武道館公演から本当に様変わりしたなぁ・・と、しみじみ思った。確か、2010年代半ば頃にあった来日公演時に行きたいと思ってチケットを探したら、すでに売り切れだったのを覚えていて、その時の会場は東京ドームシティホールだったような記憶がある。ちょっと中途半端な大きさのホールで1日限りだったような記憶が・・・。

 


(上の写真:会場後方のスタンドに近いところに設置されたサブステージで、初期の曲を数曲演奏してくれた)
 

Coldplayも近年は韓国のBTSなど若手グループとのコラボが多かったようで、そちらはあまりフォローしていなかったので、新たな発見が多い今回のコンサートだった。女の子のボーカルの曲ではパペットの映像が映り(たぶんその曲のミュージックビデオのキャラクターらしい)面白いな~と思った。個人的にはデビューアルバムからX&Yまではタイムリーにアルバムを買ってフォローしていたが、その後は遅れ気味にViva La Vida、Ghost Stories、A Head Full Of Dreamsを購入して聴いていた程度だったので(途中入手していないアルバムもある)、彼らの近年の進化はフォローしきれていなかったけれど、今回のライブで、進化の様子を目にして新鮮な気持ちになり、同時に、初期の好きな曲も演奏してくれて、今現在のColdplayの姿を見れて良かった。

 

また、あれはファンサービスというのか?アリーナの観客が手作りのメッセージボードを掲げているのをクリスが見つけて読み上げるコーナーがあり、マレーシアとかブラジルとか海外から来ているファンも多くいて、クリスはいつか中国でもコンサートしたいけど、許可がいるよね・・とか言っていた。また、その中から「大好きなお母さんのために『O(Fly On)』を歌って」というボードを掲げていた母娘二人をステージに招き、二人のそばで曲を歌ってあげた。私も『O』は好きな曲なので、ピアノの弾き語りで聴けてよかった。リクエストした娘さんに感謝(その時の動画がYoutubeに投稿されていたリンク → O Fly On (2023/11/07)

 


また、最後の方のクリスのスピーチでは、今起きている世界情勢や環境問題に触れて、争いや侵略が起きている国や人々、自分の友達や家族、猫でも犬でも、愛を送りたい人へ向けて手でハートマークを作って愛を送ろうという、祈りのモーメントのような時間が設けられた。世界的なバンドとしての活動の中で、彼らは環境問題に配慮したり、世界や人々の平和と愛を広める役割を担っているんだなぁとしみじみ思った。

 

 

この日のセットリスト→ Coldplay at Tokyo Dome (07/Nov/2023)


個人的には、コンサート前に久しぶりに初期のアルバムを聴き直していたのだけれど、ここ数年は身近な出来事や歳を重ねたことで気持ち的に気弱になったり気落ちしやすい傾向があり、2枚目のアルバムは楽曲自体がとても内省的な印象もあったし、それを聴いていた2002年~当時は、それぞれの曲を聴くと、それまでには感じなかった、年齢的なものや仕事のことなどで将来への焦燥感のような感情があったのを思い出したりしたけれど、ライブでそんな曲の演奏を再び聴いたら、記憶がアップデートされたというか、過去ではない、今現在の彼らのライブ演奏から、何か元気をもらえたような気持ちになった。17年振りのコンサートで、イメージ的に様変わりしたが、キラキラとカラフルで元気でパワーに満ち溢れ、自分は一人参加だったけれども観客もコンサートの演出の一部となって、ポジティブな雰囲気に包まれて、普段の気落ちすることは忘れさせてくれて、一時だけど楽しい空間と時間を与えてくれた今回のColdplayのコンサート、行ってよかったと思った。

 

そういえば、Amazonプライムビデオでちょっと前のだけど、彼らのドキュメンタリー映画を配信しているので観たいと思う。