Wessex Tales by Thomas Hardy | Have a cup of tea

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最近、夜寝る前の読書でトマス・ハーディの短編集Wessex Talesをペーパーバックで読んでいる。
就寝前の読書は、眠りを誘う役割もあり、時には数行読んで眠くなってしまうことがあるからなかなか先に進まないが。すぐ眠くなり、Kindleや本を顔の上に落としがちなのも危険だ。

しばらくKindleでの読書が続いていたので、このペーパーバックを読み始めた頃、ついついわからない単語を指でさす癖が出てしまい(辞書機能)、つくづくKindleは便利だなぁ・・と思う。このペーパーバックは、確か、15年以上前に、カナダのトロントに友人に会いに行ったときに現地の書店で安売りしていたのを買ったものだった。その時、これと、もう一冊、同じくハーディのUnder the Greenwood Treeを買った。どうしてハーディのこれらの本を買ったのかというと、ページが少なく薄かったということ、目次を見て一冊は短編集だったので、なんとなく読みやすいかな?と思ったのか、あとは、表紙の絵や目次から牧歌的な雰囲気を感じたからか・・・。あの頃は、ハーディの作品を読んだこともなかったし、ハーディ作品を読める英語の読解力もなかった。ハーディについては、ただ、『テス』や『日陰者ジュード』といった映画作品を観て暗いイメージしかもっていなかったのだ。これらのペーパーバックを見つけて、ハーディの違った一面に興味を引かれて購入したかもしれない。その十数年後、ハーディを英文学の卒論に選んだのも、なにかの運命だったかも?

脱線したが、Wessex Talesのなかのこれまで3篇を読み終えた。
そのなかの一作品、『The Withered Arm』を読み終わった後だったか、読んでいる途中だったかに、ちょうど米大統領選候補者のドナルド・トランプ氏がらみで、ジャーナリストがトランプ氏に質問しようと近づいたら、ボディガードか誰かに強く腕を掴まれてインタビューを阻まれたというをニュースでやっていて、そのジャーナリストがその時の証拠として腕に付いた「あざ」を見せていた。Withered Arm も「腕」にまつわる話なので、なんだか、タイムリーだと一人面白がっていたのだった。しかし、この短編、タイトルの通り、ちょっとこわい。読んでいて、なんだかスーザン・ヒルの『ウーマン・イン・ブラック』の雰囲気を思い出してしまった。ゴシックホラーというのだろうか。人間の情念が引き起こす不可思議な現象が起こる話だ。男性の不義な行動が、女性を苦しめ、その女性の情念や恨みが、皮肉にも、その男性の妻となった何の罪もない別の若い女性に降りかかる。しかし、驚いたのは、この呪われた腕を治癒できるという唯一の方法・・・。あまり詳しく書かないが、最後まで恐ろしい展開だった。

怖い話といえば、子供の頃は、特に小中学生の頃、幽霊などの怖い話が結構好きで、昼間に読んで夜に思い出して後悔したものだけど、年を重ねていろいろと経験してくると、幽霊よりも一番怖いのは人間とか、地震とか自然災害とだなぁと思うのだ。なんだろうか、、幽霊の話や不思議な話を怖いもの見たさで面白がってできるときって、なんだか、のほほんとした平和な時かもしれない・・と思う今日この頃だ。
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