2日目(16th September, 2009)
この日は、旅の目的だったKelmscott Manor(ケルムスコット・マナー)を訪れた。
(ケルムスコット・マナーとは、詩人で工芸家、社会主義者で、Arts and Crafts Movement(アーツ&クラフツ・ムーブメント)で有名なウィリアム・モリスの別荘)
レッチレイドはケルムスコット・マナーの最寄りの村ということで滞在したわけだが、ケルムスコットまではバスなどの公的な交通手段はなく、クルマか徒歩で行くしかない。そのため、私たちはテムズ川沿いのThames Pathというパブリック・フットパス(遊歩道)を歩いて行くことに決めた。また、フットパスではなく別のルートで道路を歩いて行くこともできるが、そちらは、帰りに歩いてみることにした。
朝、B&Bの食堂でイングリッシュ・ブレックファーストしっかり食べて、午前10時半過ぎに出発する。水とお菓子と果物をリュックに入れて、レッチレイドの橋のところからフットパスに下りて、川沿いの草原をてくてくと歩いていく。同じようにウォーキングを楽しむ人々に出くわした。天気は、少し風が冷たかったが、曇り空から日差しが漏れ、ウォーキングには快適な気温だった。
出発点のHalfpenny Bridge
橋から望むテムズ川沿いのフットパス(右岸)
歩いていると川沿いに変わった建物(写真下)が点在しているのを発見する。中を見てみると、どうやら戦時中かなにかの見張り塔のようだった。
牛が放牧されているところを通り抜け、ナローボートが行き交うロックで少し休憩した。また少し歩き、川に白鳥の親子がいたので、その付近で休憩しようと座ってお菓子を食べ始めたら、母親の白鳥が陸に上がってきて、私たちを威嚇し始めた。邪魔したつもりではなかったが、子供たちを守る行動だったのだろう。
その後、背の高いとうもろこし畑の脇を歩き続け、橋のあるところで、テムズ川から離れて入って行く道に曲がる。この橋のそばから入っていく道というのがわかりにくかった。そこには、ケルムスコット方面の明確なサインがなく、幸い、前を歩く人がそちらに進んで行ったのでその方向がわかったようなものだった。そして、友達が持参していたフットパスの地図を見ながら、間違いないだろうと予測して進んだ。一人だったら躊躇してしまうような、道とはいえない畑沿いを歩き、フットパスの矢印サインに従って林の中の狭い茨の道を歩いていく。
すると、前方に一軒の建物が見えて安堵する。その建物はパブと宿を経営するInnだったが、ここの人にケルムスコットはどちら?と聞くと、すぐに指差して教えてくれた。
そして、とうとう念願のケルムスコット・マナーに到着した。距離からして、徒歩で1時間半くらいで到着すると見積もっていたが、途中でたくさん写真を撮ったり休憩したり、のんびりした道中だったので、結局、到着したのは午後1時すぎだった。
入り口でチケットを購入すると、展示を観るのに入場時間が指定されていた。歩いて少し疲れていたし、休んでから見学したかったので、少し遅めの時間の券に変えてもらう。
そして、併設されているカフェでランチをいただく。カフェのトレーや紙ナプキン、テーブルクロスなどはすべてウィリアム・モリスのデザインのもので統一されており、感激する。ランチメニューには、キッシュや今日のスープ、イギリスらしいPloughman’s(チーズやハム、野菜、パンなどの盛り合わせ)などがあり、どれも美味しそうだった。
そして、いよいよケルムスコット・マナーの見学。庭からの建物の眺めは、まさに、モリスが執筆したエッセイ’News From Nowhere’(ユートピアだより)の挿絵そのものだった。この家は、モリスが友人で画家のダンテ・ゲイブリエル・ロセッティと共同で借りていたそうだ。
家の中に入ると、各部屋には、モリスの所有した、あるいはモリスやその友人たちがデザインした家具、タペストリー、タイル、布地、そして、ロセッティが描いたモリスの妻ジェーンや娘達の肖像画などが展示されていた。また、モリスの娘のメイが刺繍を施したタペストリーもあった。
展示品の一部は以下のとおり。(リーフレットの説明文から抜粋、カッコ内はデザインまたは作者)
・サセックス・チェア
・’Strawberry Thief’ 「苺泥棒」の布地(ウィリアム・モリス)
・黒檀と皮製のベンチ(フィリップ・ウェッブ)
・神話の絵柄が描かれた皿(ウィリアム・ド・モーガン)
・モリスとその家族の肖像画(ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ)
・Millefleurs(’thousand flowers’)のタペストリー(ジョン・ヘンリー・ダール)
・ジェーン・モリスの肖像画 ’Blue Silk Dress’ (ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ)
・チョーサーの詩 ’Legend of Goode Wimmen’「善女伝説」のヒロインを描いたタイル(エドワード・バーン=ジョーンズ)
・18世紀のタバーン(宿屋兼酒場)の時計(ロセッティが持参したもの)
モリスにとって苦い思い出(モリスの妻ジェーンとロセッティが不倫)のあるこの別荘だが、自然に囲まれて、静かで瞑想できるようなこの環境は、彼の作品にも大きく影響を与えたのだろう。
展示作品はどれもArts and Crafts Movementに興味を持っている人なら馴染み深いものが多いが、特に印象に残ったのは、モリスが使っていたベッドの天蓋の布に刺繍されたモリスの詩。以下がその詩である。
'For the Bed at Kelmscott', by William Morris
The wind's on the wold
And the night is a-cold,
And Thames runs chill
Twixt mead and hill,
But kind and dear
Is the old house here,
And my heart is warm
Midst winter's harm.
Rest then and rest,
And think of the best
Twixt summer and spring
When all birds sing
In the town of the tree,
As ye lie in me
And scarce dare move
Lest earth and its love
Should fade away
Ere the full of the day.
I am old and have seen
Many things that have been,
Both grief and peace,
And wane and increase.
No tale I tell
Of ill or well,
But this I say,
Night treadeth on day,
And for worst and best
Right good is rest.
P.S. I have problem with image upload or display on this blog... It cannot show pictures in order that I put in and insert between text on the editing box. I have experienced this before.
Even worse, I cannot type in Japanese at the moment! What an idiot useless one...!! (sorry for my swearing..)
I must think of moving to another blog...
Anyway, here are some pics that are somehow put together in the end of article unwantedly.. Poor them...
Village of Kelmscott
Inn near Kelmscot Manor
Bridge as sign where we turned into the land away from Thame river.
Swan and offspring, scared us.
Boat on Thames















