「心に狂いが生じるとき」。
副題にあるように、精神科の症例をもとに、狂気を考察した本。
しかし、症例の説明や、治療法の解説ではない。
私としては、最近珍しく、腑に落ちる一冊となった。
社会の秩序をかき乱し、停滞させる人間を、世間は悪人あるいは狂人と呼ぶ。
つまり、狂気が犯罪と結びつくとき、他人はこれを問題にする。
最近、うつ病が云々されるのは、経済効率との関係かもしれない。
うつ病は治る病といわれるが、何を基準に精神の健康性を定めているのか。
狂気は悪なのか?タブーなのか?
人間とは何か、精神とは何かの問に対して答えがないように、
この本にも答えはない。
それが却って爽快に感じられる。
ぜひ、ご一読を。
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