男女の会話67

「あたしの魅力」


男:こんばんは。男です。
女:こんばんは。イケてる女と呼ばれています。
男:自分でゆーてるだけやろ。
女:あ、バレてました?
男:バレバレや。
女:今まで長い間、なっかなかバレませんでしたけどね?
男:キミが気付いてへんかっただけや。世間ではバレとる。
女:でも言われてみたいもんです。
男:イケてる女って?
女:ビンゴ!
男:ビンゴゆーな。
女:一回も言われた事ないですから…。
男:そうなんかい。でもイケてる女やからって魅力あるかどうかなんて分からんけどな。
女:え?そら魅力があるからイケてるんちゃいますのん?
男:イケてるってそういう意味なんか?
女:そーゆー意味みたいでっせ?
男:じゃあイケてる女って言われるように、自分を磨き続けるしかないな。
女:なるほど。自分を磨けばええんかぁ…。
男:分かってんのかいな?
女:泡立てたスポンジで磨けばよろしい?
男:そうやって物理的・外面的に磨くんとちゃうやろ。もっとこう内面的とゆーか…
女:毛の生えた棒を体内にツッコんで内側を磨き倒せばええって事でっか?
男:毛の生えた棒……あ、ブラシかよ。
女:そうとも言いますね。毛が生えてないと意味がないのでそこんとこよろしく。
男:普通にブラシって言えよ。変な表現すんな。ほんでどこにそんなもんツッコむねん…。
女:どこにって、ゆーた方がよろしい?
男:いや言わんでええ。やめとけって。そうじゃなくて…
女:見た目はどうにでもできると思うんですけど、問題は心やと思います。
男:なんや。オレが言わんとしてたこと、ちゃんと分かってるやないか。
女:当たり前やないですか。あたしはなんでもお通しです。
男:キミは突き出しか。または先付けか。
女:おみとしのりです。
男:キミはなんでもおみとしのりなんか?
女:またはお見通しです。
男:それしかないやろ。しっかりそう言えや。しかしえらい自信のある言葉やん。
女:だって、壁の向こう側も見えてますし。
男:透視能力あんのか?
女:丸見えですよ。ほら、壁の向こう側はもうお外です。
男:どこの壁を見てんのか知らんのやけど…。
女:あたしが住んでるタワマンのトイレの壁です。
男:キミ、今トイレに入ってんのか?ほんでキミはタワマンに住んでんのか?
女:あたしは今タワマンの自宅のトイレに入ってます…っていちいち言わなあきまへんのん?なんやったら大か小か多いか少ないか、それとも別の用事でトイレに入ってるとかもレポートせなあきまへんのんか?
男:別の用事ってのがめっちゃ気になるけど、レポートはせんでええ。
女:なんやったらマンさんのボデーを透視してみまひょか?
男:よりによってオレの体かよ。やめてくれよ。
女:怖がりさんですなぁ。
男:一応聞いとくけど、オレの体を透視して一体なにが分かるんや?
女:マンさんのボデーの向こう側の景色が分かります。
男:体見てへんのかーい。その向こうを見てるんかーい。
女:透視やなくて直に見るって事も可能ですけど。
男:それ普通に体を眺めてるだけやんけ。
女:ああ、眺めるっちゅーよりもガン見?凝視?そんな感じです。
男:やめろよ。どこをガン見しとんねん。
女:写メも撮ってよろしい?
男:勝手に撮るな。
女:だから今、撮ってよろしい?って聞きましたやん。
男:いちいち面倒くさい会話やな。ほんで話がえらい逸れてもうたけど、イケてる女になりたいって話やったよな?
女:そうでしたっけ?
男:キミ…大丈夫か?
女:トイレ?
男:なんでトイレの心配せなあかんねん?
女:もう無事にトイレから出ましたんでご安心を。
男:そりゃ良かったな、おめでとうさん。心配はしてへんかったけどな。
女:ちょっと手を洗ってもよろしい?
男:トイレから出たことを報告する前に先に手を洗っとけや。そっちが心配やわ。
女:言いそびれまして…。
男:キミな…そんなことじゃイケてる女とは言えんぞ。
女:自分で言いたいんやなくて、人から言われたいんですけど。
男:一緒やて。
女:あ~あ…あたしはこうやってイケてない女としての人生を歩むしかないんかなぁ…。
男:あのな…オレが思うに…
女:なんでっか?
男:人によってイケてる…って言うか魅力ってのはそれぞれ違うと思うねん。
女:人によって?
男:そう。だからキミにはキミの魅力があるはずやねん。それでキミもイケてるってことになるんちゃうんか?
女:なるほど。でも自分では分かりまへんねん。マンさんが教えてくださいよ。
男:え!?オレが!?
女:めっちゃキョドってるように見えるのは、あたしの透視能力のせいですかね?
男:そうかもな…。
女:肯定しましたか…。
男:キミの魅力……魅力……
女:魔力とちゃいまっせ。
男:分かっとる。魔力あったら魔女やないか。
女:魔女って『魔性の美女』の略ですよね?
男:違うと思う。
女:てっきしそーかなと思てました。いやあたしの事がね?
男:どんだけ勘違いしとんねん。
女:結局のところ、やっぱりあたにはイケてる女やないって事ですねぇ…。
男:うーん…いや、どっかがイケてると思うぞ?どっかが。
女:どっかが……( ´,_ゝ`)プッ…マンさんったら。
男:どした?
女:どっかがハゲてる女みたいに聞えましたがな('ω')ノ
男:そんなんゆーてへんし。どんな聞え方しとんねん。耳までおかしくなったんか?
女:耳までって。どこもかしこもおかしいかのような言い方してはりますね。でも今朝、めっちゃでっかい耳クソ取れましたから大丈夫。
男:それ言わんでええねんて。
女:で、あたしのイケてる魅力を教えてください。
男:まだゆーとんか…。しかも言い方がずーずーしくなっとるし。
女:遠慮してると損しますから。
男:それをずーずーしーってゆーねん。キミのイケてる魅力は……その…なんてゆーか…絶対にあるはずやねん。キラリと光るものが。
女:………そっか。分かりました。
男:分かったんか?
女:はい、あたしの魅力が分かりました。
男:ほぉほぉ。それは一体なんや?
女:あたしの上側の奥歯。左右1本ずつの計2本です。一番端の歯ね。
男:奥歯?え?それがキミの魅力ってか?
女:そうです。キラリと光ってるし。
男:それって銀歯やん。そーゆーキラリとちゃうんやけど…。しかもそれってキミ本人しか知らん事やろ?
女:あたしの周りの人みんなから言われますねん。あたしが笑ってるのよく見られますから。
男:……キミは人前でどんだけ豪快に笑っとんねん。普通の笑い方じゃ、奥歯の銀歯なんて見えんぞ?しかも上の歯て…。
女:きっとみんなが下から覗き込んでるんでしょうね。なんせあたしの魅力ですから。
男:きっと笑い方に問題あると思うんやけど。
女:一所懸命真剣に笑ってますねんけどね。
男:キミが真剣に笑ってる時の周りの人の顔ってどんなんなん?
女:大体笑ってへんかな?じっと見てるだけで。

男:…ゆーちゃ悪いけどそれ、魅力とは言えんな。
女:ちゃいまっか!?じゃどーすれば魅力になるんやろか?
男:もっとシンプルに考えてみ?しかもキミにしかできんこととかで。
女:うーん……こうなったらあたしのへその下から湧き出た湧き水でワサビ栽培したろか!!
男:そら誰にもできんわな。ってか、キミそんなことできんのか?ほんで…へその下ってどこや?
女:詳しく説明しまひょか?
男:あ、いややめとこう。さぁ、そろそろ撤収するタイミングやな。
女:急ですね、妙に。
男:危険回避措置や。キミがイケてる女ってことも分かったし、めでたしめでたし。
女:ふむ…。今度マンさんに新鮮な本わさびを御馳走してあげますわ。
男:いや、遠慮さしてもらうわ。
女:もしかして濃厚で新鮮な特製マスタードの方がええとか?
男:要らんて!!あ、それも遠慮さしてもわう。
女:もうちょっとずーずーしくならんと損しまっせ?
男:得したくないし。ほんじゃ撤収な。お疲れさん(。・ω・)ノ゙
女:はいはい。じゃあまた来週ですかね?ほなね~♪


終わり