男女の会話64

「通訳」


男:こんばんは。男です。
女:こんばんは。帰国子女です。
男:え?キミって帰国子女やったん?
女:帰国女子に変えましょか?
男:なんでそこを変えたいん?
女:今マンさんがそこに食いついたような気がしたんで。
男:全く食いついたとかそんなんちゃうんやけど。で、キミは帰国子女なん?
女:昔はちゃんとした女子でしたけど。
男:今はちゃんとしてへんのかい。いやもうそれはええって。
女:許されるものなら現役で女子もありですが。
男:許さん。で、キミは帰国子女なん?って何べん言わすねん。
女:まだ3度目ですけど。
男:ああまだそんなんか。いや3回も言わすなや。はよ答えろよ。
女:あたしが帰国子女かそうじゃないか…そこはあんまり公にしたくないと思っとります。
男:なんでなん!?キミは最初の挨拶の時に自分からゆーてたやないか。
女:あれは単なる挨拶ですやん。
男:単なる挨拶でゆーたんやったら公の場でゆーてるのに等しいやんけ。
女:マンさん、今日はえらく食いつきてきますね。ガッツいてきてますね。ギラギラしてますね。ギンギラギンですね。
男:いや、そんなノリじゃないんやけどな。
女:さり気なく?
男:それ前回の会話やないか。やめてくれよ。
女:分かりました。やめときますね、マッチさん。
男:やめてへんがな。
女:今のが最後です。
男:キミが帰国子女かどうかはもう聞かへんけど、ちょっと教えてや。
女:ドキドキドキ…
男:ドキドキすな。どうせドキドキなんてしてへんやろ。
女:ズキズキズキ…
男:なにがどう痛いねん?
女:下腹部全般に鈍痛が…。
男:……いや、そういう話題はここでは出すなよ。
女:え?だってよくう〇この話とかしてますやん。
男:そっちの方かい。それやったら別にええ…いやそれもやめてくれ。
女:なんか今日は規制が多いですね。もしかして女人禁制の山に入り込んでしもたんかな?
男:ここは昔の高野山か。そんなんじゃないねんて。ちょっと教えてくれってゆーとんねん。
女:なんでしょうか?あんまりなんでも教えるわけにはいきませんが、う〇この事ならOKですよ。どーしてもとゆーならポツポツとね。
男:普通そっち系がNGやけどな。普通の人はな。ほんでポツポツと語るなや、う〇この話を。
女:ドッカンと?
男:やめろ。
女:じゃあ今回はなに系で?
男:なに系とか分からんけど、キミは英語とか話せるんかを聞きたかったんや。
女:バイリンガル系って事ですかね?あ…もしかしてあたしがスパイ防止法に引っ掛かったって事ですかね?
男:なんでそうなるかな。なんか心当たりでもあるんか?しかも残念ながら今の日本にはそっち系の法律ないから不安やねんけど。
女:だからあたしがスパイとして疑われたって事ですね?
男:ちゃうし。はよ答えてくれへんかな。
女:なんでしたっけ?
男:余計なことばっかり喋るから分からんようになるねんて。もう1回言うぞ?
女:1回とか言わず何度でも。
男:何度も言わすなて。キミは英語とか話せるんか?
女:英語とか?とか?とかって事は英語も含めて他の言語もって意味でよろしい?
男:ええからはよ答えろって。
女:椅子完樽(イスカンダル)語なら話せます。
男:これはまた予想外の方向から来たな…。
女:椅子完樽語…もちろん椅子完樽星の公用語だと言われております。
男:全部信じてないけど、公用語と言われてるってのも信用ならんな。
女:マンさんがもし椅子完樽語でお困りの時がありましたら、あたしがお手伝いいたします。
男:そんなシチュエーションあるはずないし。ほんで困るとしたら今しかないけど。
女:今?ナウ?困りんぐ?じゃお手伝いいたします。
男:いや、なんでこうなるんやろか。
女:まずは日常の基本的な会話でよろしい?
男:そんなん要らんて。
女:あらま。じゃあ単語とか?
男:それも要らん。
女:文法?発音?あ、文字とか?
男:全部知らんでも生きていけるやろ。
女:マンさん、そんな甘い事ゆーてたら椅子完樽星から追い出されまっせ?
男:行くこともないから。
女:なるほど。でももし行く事になったら、あたしがチケット予約しときますわ。
男:チケット要るんか?
女:要ります。あとパスポートもね。
男:マジかい。別に興味ないけど一応聞いとく。キミはそこのパスポート持ってんのか?
女:持ってます。見たい?
男:一応見ておきたいな。今持ってるん?
女:常時持ってます。あ…でも見せたくないかな…。
男:なんでや?
女:顔写真…自信ないから。
男:そんな理由なんかい!!そんなん関係ないやないか。
女:だって白目むいてますし。
男:パスポートの写真って、白目むいた写真でもOKなん?
女:いや、それが正式な顔ですから。
男:…ちょっと待った……正式な顔?
女:はい。
男:キミの今の顔は、正式じゃないってこと?
女:そうですよ?これは地球人の顔にしてますから。
男:うーん……じゃあほんまのキミの顔はそのどっかの星の生き物の顔なんか?
女:椅子完樽星人の顔ね。
男:その星の人の顔は、白目むいてんの?
女:白目むいてるように見える顔ですねん。
男:じゃあその顔はここでは見せへん方がええな。
女:一発芸をかます時だけにしときます。
男:せんでええって。
女:それは助かります。
男:で、地球人の顔に整形してんの?
女:誰が?
男:キミしかおらんやろ。この話の流れやねんから。
女:いやあたしの他にもいっぱいおるんですけどね。実は。
男:マジかよ…勘弁してくれよ。
女:あたしに言われても(笑)
男:ヘラヘラ笑ろとる場合かよ。で、なんやったっけ?
女:えーっと…あたしの顔は椅子完樽ではどれぐらいのレベルかって話でしたっけ。
男:そんな話をした覚えがないことだけは断言できる。
女:とにかくマンさんがもし椅子完樽星にビジネスか観光で行ったとしても、あたしがおったら大丈夫でっせ~って事ですね。
男:だからそんな星に行くことなんてないってゆーてるのに。
女:それは残念です…💦
男:……もし仮に行ったとしての軽い妄想話ならしてもええけど。
女:なるほど、やっぱりマンさんもしたかったんですやん( *´艸`)
男:ちゃうし!!キミが残念がってたから……
女:分かりました。ではこれから椅子完樽星に観光しに行った体で会話をしていきましょう。
男:どんな体やねん?イメージもぜんぜん分からんし未知の星やのに。
女:はいはい、まずはマンさんもパスポートを携帯して。椅子完樽星までには危険な箇所がたくさんあるので、宇宙観光船ではなく宇宙戦艦に搭乗してくださいね。
男:え?そんなに危険なん?
女:危険です。死にたくなければ宇宙戦艦です。観光船のように豪華にくつろげませんけどね。
男:宇宙戦艦って、もしかして…
女:はい、『宇宙戦艦トマト』に搭乗です。それなら“起田(おきた)ゴルゴ十三艦長”をはじめ、“誇大行進(こだい すすむ”や“森雪女(もり ゆきおんな)”などの豪華スターも勢ぞろいしてますから。

※『宇宙戦艦トマト』については以下の記事を参照

 

 



男:いやそれって単なる搭乗員ってなだけで、別に豪華なスターとかやないやん。
女:命を懸けて戦艦に搭乗している時点でそれはもう豪華なスターです。
男:屁理屈が多いな。まぁ慣れたけど。ところでその搭乗員やけど…。
女:はい?
男:目的地がそのなんちゃらって星やん?搭乗員たちってその星の言葉を喋れるんか?
女:もちろんですがな。特に進くんなんて『椅子検1級』持ってますからね👆
男:なんや、まるで英検みたいやな。でも『椅子』の検定か。
女:椅子の検定ってなんですのん?『椅子完樽語検定1級』です。普通に会話できる人でも2級ですから。起田浣腸や雪女は2級です。
男:浣腸やめろって。ほんで2級で普通に会話できるんやろ?じゃあ1級はどんだけ凄いねん?
女:1級は、椅子完樽星での永住権を持ち、そこで椅子完樽の人と結婚し、子孫を残した人です。
男:ってことは、進くんは椅子完樽の人と結婚して子供もおんのか?
女:あたしはそう聞いてます。噂ですけど。きっと雪女が知ったら卒倒するかも。
男:なにやら雲行きが怪しい戦艦やな、トマトって。
女:ドラマ的にはややこしい事がいっぱいあった方がおもろいですやん。
男:ドラマにすんなよ。普通に穏やかに過ごしながらそのなんちゃらって星に行かせろや。
女:行かせろやって…まるでJRゆめ咲線のカスハラですやん。
男:ゆめ咲線?
女:「わしらをUSJに行かせろやー!!」ってね。
男:最低な民度の客やな、それ。
女:マンさんもね。
男:なんでオレが!?
女:だがしかしマンさんの場合は行き先はUSJではありまへん。もっと遠い椅子完樽星です。そしてさんざん騒いだとて、椅子完樽星に到着したらマンさんは1人では生きていけまへん。それは、言葉が通じひんから。
男:う…
女:そんなわけで有能な通訳を雇うべきなんです。しかも高額で。
男:キミを雇えってことやろ?それは分かるけど、高額ってなんやねん?高い報酬を払えってか?
女:まぁそこは口に出して言いまへんけどね。そないハッキリとは。なんかいやらしいし。
男:ゆーてるも同然やと思うんやけど。
女:とにかくあたしが通訳とその他のお手伝いをいたしますのでマンさんはご安心を。
男:お、おう。分かった。じゃあ安心しとくわ。
女:報酬だけ気にしといてください。
男:いやらしいやつやな、キミ。
女:ではまず、パスポートと着替えと洗面道具、そして旅のしおりとお土産を用意して出発します。
男:旅のしおり?
女:これです。あたしが作りました。
男:いつの間に…💦あとお土産ってなんや?
女:地球土産です。手ぶらで椅子完樽に行けまへんでしょ?
男:ってゆーか、あっちの誰にお土産渡すん?オレは知り合いなんておらんぞ?
女:あたしの親兄弟に。
男:それ必要なん!?ほんで会う予定あんの?
女:ありますってば。旅のしおりの最初に書いてあります。ちっさくてうっすい文字で。
男:わざと見えにくくしたんやろ…絶対そうや…。
女:じゃ、まずは大阪南港へ。
男:ちょっと待った。もうえらい長くなったから、今回はここまでで中断や。
女:まさか…ぶ、ぶ、分割?
男:キミの常套手段やがな。なんでそない驚くねん。
女:仕方ないですね。じゃあ出発は次回とゆー事で。その時にはあたしが通訳として大活躍の巻になりますよ(-。-)y-゜゜゜
男:えらい自信やの。
女:自信満々ウーマンですよ。
男:キミが自信満々になるとめっちゃ恐いんやけど。
女:毛のせいです。
男:気のせいやろ?じゃ、次回はよろしく!!またな(。・ω・)ノ゙
女:はいはいよろしく。ほなね~♪

終わり