男女の会話54

「子供向けアニメの野望」

男:こんばんは。男です。
女:こんばんは。野望は持ってませんが野暮な女です。
男:野望持ってたやないか。
女:持ってましたっけ?
男:前回の会話は、まんまキミが持ってる野望の話やったやないか。
女:あれこそ野暮な野望で胸毛ぼうぼうでしたね。
男:意味わからん。特に胸毛ぼうぼうってのが。
女:すね毛ぼうぼうとか、あと他にも色んなとこのぼうぼうが……
男:もう言わんでええ。ちなみにキミは、ぼうぼうなん?
女:どこが?
男:言わなあかんのかい!
女:じゃあたしがゆーたらええって事ですね?
男:まぁ言えるんやったら…。
女:韻を踏んだだけで、ぼうぼうではなーい。
男:いちいち韻を踏まんでもええねんて。
女:マンさんは犬の糞を踏むのが得意でしたっけ?
男:そんなこと得意なやつってこの世におるか?ほんでそんなことゆーたことないぞ。
女:そうでしたっけ?じゃそれは…あの親父かな。
男:誰やねんその親父って。いや、それは関係ないか。
女:マンさんには一切関係ないです。ほんでそんな話がしたかったんやなくて、野望の話なんですが。
男:やっぱり野望かい。今度はなんや?
女:あのですね、あたしはあんまりアニメとか見ない人間なんですけど、でもアニメが嫌いってわけでもないですし、これだけ日本中どころか世界中で人気があるって事は、それだけ人を惹き付けるものやと思ってるんですよ。
男:どうしたキミ?えらくまともなことゆーとるやないか。大丈夫?
女:きっとふざけるのに疲れたんでしょう。無理がたたったんかな?
男:これまであんだけふざけてて、今さら疲れたとか。笑かすなよ。
女:あたしだって疲れる時ぐらいありますがな。だからふざけ倒して発散するんですよ。
男:やっぱりふざけるんやんけ。ふざけるのに疲れてそれを発散させるためにふざけるとか。おちょくっとんのか?
女:おちょくってます。
男:やっぱりそーなんかい。
女:ひょんで話を戻してもええでっか?
男:ひょんでってゆーな。はい、話を戻してくれ。
女:常日頃思ってるんですが、色んなアニメを制作してみたいなと。
男:アニメを制作?マジでゆーてんのか?
女:制作ってゆーても実際に制作するなんて無理な話ですから、あくまで「こんなアニメ作りたいなぁ」ってゆーノリですけどね。
男:ああ、そんなノリやな?わかった。
女:ひょんで、子供向けのアニメに限定して考えてます。
男:子供向けか。まぁキミが考えるんならそっちが無難かもな。間違っても大人向けのは考えてほしくない。
女:それは、マンさんが興奮するから?
男:ちゃうし。とんでもない内容を考えそうやからに決まっとるやんけ。
女:なるほど。とにかくあたしは逆の意味で年齢制限を設けます。
男:ん?逆の意味って?
女:何歳未満は視聴制限があるよ…とかやなくて、何歳以下じゃないと視聴できんよ…って感じで。
男:ああ、だから子供向けのアニメやねんな?
女:そうです。ロリ好きのマンさんは観たらあきまへんで。
男:オレはロリ好きちゃうから。勝手なことゆーな。
女:( ̄▽ ̄;)
男:ど、どした?
女:やっぱり…おばさまの方が?
男:やっぱりってなんやねん!?オレは普通が好きや。
女:普通が好きってなんなんでっか。ノーマルってゆーてくださいよ。
男:さっきからなんの話をしとんねん、オレら。
女:マンさんがすぐ脱線するから。
男:キミや。
女:話しを進めますで。
男:さっさと進めろや。
女:『子供たちの子供たちによる子供たちのアニメ』をスローガンに、あたしが考えたアニメのタイトルとその内容を少々ご紹介します。
男:そのスローガン、どっかで似たようなんあるよな?パクったんか?
女:オマンジュしただけですがな。
男:オマージュって言えや。ほんでタイトルはまぁええとして、内容はほんまに少々で済ますんやろな?
女:済ませます。そうやないとこの会話が終わらんくなりますからね。
男:よう分かっとる。それなら安心や。
女:では始めまっせ。
男:よろしく。


女:まずは『星の子チョビひげ』です。
男:いきなり『星の子チョビン』のパクりやないか。
女:タイトルはオマンジュさせていただきました。でも内容は全然ちゃいます。
男:タイトルだけオマージュってのもなんだかな…。で、内容は?
女:星野珈琲店で店長をしているチョビひげ親父が主人公のSFです。
男:SF?星野珈琲店?…星の子と全然ちゃうやないか。SFの気配もないし。
女:いや、このチョビひげ親父がどっかの星からやってきた異星人なんです。
男:子供向けなんか?
女:いかにも。
男:いかにも…なんか複雑な気持ちになるわ、その返事…。
女:あれだけの説明でも面白そうでしょ?
男:うーん…なんかあんまり面白そうではないな。
女:ストーリーをもっと詳しく説明すれば、きっと面白いと感じるはずです。
男:いやいや、もうええ。説明はもうええわ。次に行こか。
女:もし知りたくなったら、あとでゆーてもらえればいくらでも説明しまっせ。あたしがその時に覚えてればの話ですけど。
男:わかった。はい次。

女:次は『まじめ人間ピョートル・チャイコフスキー』です。
男:うーん…『はじめ人間ギャートルズ』をパクったやろ?
女:ドホー!パクってまへん。オマンジュしました。タイトルだけね。
男:ドホー!ってドテチンやないか。
女:ドテがチンで残念でした?
男:下ネタに行くのやめろや。内容は大丈夫なんか?子供向けのアニメやぞ?
女:簡単に説明しますと、チャイコフスキーは真面目やったってゆー話です。
男:そんだけ?
女:話の背骨はそんな感じです。
男:なるほど。まともそうやな。
女:でしょ?なんなら話の骨盤とか知りたくないでっか?
男:知りたくない。
女:尾骶骨は?
男:要らん!はい次。

女:未来から来た猫型ロボットのSFストーリー『ブルーキャット土座衛門』です。
男:どうやっても『ドラえもん』をパクったやろ?そうやんな?
女:パクってまへんて。
男:オマージュか?
女:オマンジュです。
男:だって、未来から来た猫型ロボットっつったら完全にドラえもんやないか。しかも色までも。
女:でも相方は野部田さんでっせ?
男:のべた?それって苗字?
女:苗字です。
男:下の名前は?
女:スネ吉です。
男:スネ夫が混ざっとるやないか。
女:偶然ですがな。ちなみにお母さんは静子。お風呂が大好きです。
男:しずかちゃんかい。あかんやん。はい次行こう。

女:次は『魔法使いサニタリー』です。
男:あれのパクりやな。
女:あれってなんですのん?
男:言わんでも分かるやろ?
女:あたしにはサッパリ。ついでに鼻毛も切って小ザッパリ。
男:いつの間に切ったんや?どうせなら思いっきりサッパリせーよ。いやそれはどーでもええ。内容は?
女:鼻毛の?
男:サニタリーのや!!
女:ああ、そっちでっか?
男:そっちしかないやろ。なんの話をしてると思ってんねん。
女:てっきり鼻毛を脱毛しろって説教されるんかと…。
男:なんでオレが今ここでキミに鼻毛脱毛の説教せなあかんねん。
女:あー全身の方?
男:まぁやるんやったら全身の方が……ちゃうし。
女:魔法使いの内容やったら説明できますけど。
男:そっちやそっち!
女:このアニメの魔法使いは、衛生上必要な水場のサニタリーやないんです。
男:え?だってサニタリーってそっちしか知らんぞ。
女:たまたまそうなってもうただけです。
男:どうゆーこと?
女:この魔法使いの本来の名前は『サニタロウ(=佐仁太郎)』です。
男:サニタロウ…?それがなんで?
女:サニタロウの事をみんなが親しみを込めて『サニタリー』って呼んでますねん。
男:愛称かい!!ややこしいことすんなよ。いやもうええわ。次行こ。
女:ちっとも説明できてまへんやん。せめてどんな活躍するんかだけでも言わせてくださいよ。
男:分かった。じゃあそれだけやで?
女:彼の魔法は、主にサニタリーでしか使えない限定的な魔法なんです。
男:やっぱりそーかい。はい、次に進め。

女:もっと説明したかったのに…。次は『妖怪人間ベムとベラがベロベロベロン』です。
男:なんとなく嫌な予感がするんやけど…。
女:嫌な予感ってなんなんですか。早く人間になりたい青年妖怪のベムが、同じく早く人間になりたい美女妖怪のベラとベロベロベロンの仲になって、可愛い少年妖怪のベロが誕生し、家族妖怪として幸せに過ごすとゆーヒューマンファミリータッチのアニメです。
男:結局人間になれてへんやん。それやのにヒューマンなん?
女:ヒューマノイドに修正しときますわ。
男:ええ加減やの。ほんでこれ、内容に下ネタは含まれてないんか?子供向けアニメなんやろ?
女:そこはモザイクかかりますから大丈夫。
男:あかんて。はい、次。

女:じゃあ長くなってしまったんで、今回は次のんで最後にしますね。
男:え?ってことはまだまだあるってこと?
女:ありますよ?
男:んー…分かった。じゃ今回の最後な。

女:今回の最後はこれ、『すかしっ屁大将』です。
男:限りなく『いなかっぺ大将』をパクってるやろ?タイトルだけかも知れんけど。
女:タイトルは若干オマンジュしてますけどね。
男:ほんまか~?で、内容は?
女:内容は、大ちゃんこと風見鶏大吉(かざみどり だいきち)は大衆食堂『すかしっ屁』の大将ですねん。
男:食堂には相応しくない店名やの。
女:そのすかしっ屁の厨房から出る残飯を目当てに通ってくる野良猫が『ニャンコ大先生』ですわ。
男:ニャンコ先生に“大”付けただけやないか。
女:主に大ちゃんとニャンコ大先生の友情を描いた物語です。
男:人間と動物の友情かい。おもろいんか?それ。
女:おもろいし、感動して泣きまっせ?大ちゃんはよく泣きながら鼻から2本の鼻水ぶら下げてアメリカンクラッカーみたいにぶつけてますから。
男:それ、いなかっぺ大将では涙やったよな。
女:あたしは年代が違い過ぎて知りまへんけど。
男:絶対知ってるやろ…。
女:あと、大ちゃんはふんどし履いてます。
男:もう知ってるの確定やな。オマージュとは言い難いぞ。
女:オマンジュと偶然がミルフィーユのようにええ感じに折り重なった結果ですがな。
男:聞いてて段々腹立ってきた。もうこのへんでやめとこう。

女:とゆーわけで、まだまだあたしが制作してみたいアニメがいっぱいありますんで、次回ご紹介しますね。
男:今回で終わってくれても全く問題ないんやけどな。
女:いやいや、それじゃ申しわけありまへんから。
男:ものごっつい謙遜してくれんなよ。
女:それはそーとマンさん。ちょっと聞いてええでっか?
男:なんや突然?
女:最近マンさんは、あたしが「いかにも」ってゆーたら妙な反応してません?
男:え…いや、そんなことないで。気にし過ぎちゃうか?
女:そうでっか?ならええんですけど。
男:じゃ、今日はこれで撤収な。またな~。
女:はぁ。なんかあやすぃ~けど、ほなね~♪

つづく