男女の会話53

「映画化の野望」

男:こんばんは。男です。
女:こんばんは。この世の中に“希望”とゆー存在を見出そうと模索している女です。
男:えらい重くて切実そうな挨拶やな。どうしたん?
女:ゆーてみたかっただけです。
男:そんだけかーい。心配して損したわ。
女:心配して損したって事は、ほんまは得したかったんでっか?って事は、あたしの事を心配すると得をするとでも思ってはったんでっか?
男:いや、そんな意味ちゃうねんけど。なんかまた屁理屈が始まったな。
女:ではここで、あたしの事を心配すると一体どんなお買い得な事があるのか、その可能性を探っていきましょう。
男:お買い得ってなんやねん?買い物ちゃうやろ。ほんでそんな可能性探る意味あんのか?
女:あのですね、マンさん。今回を含めてまだたったの53回とゆー数少ない会話をしてきましたが、今までここで意味のある会話してきましたか?
男:あ、してへんか…。
女:でしょ。だから相変わらず意味の無い会話でお茶を濁しましょうよ。
男:どんだけ酷い言い方やねん。なんか誤魔化そうとしてんのか?読者さんに失礼やろ。
女:言い方はちょっとアレでしたけど、いつものように楽しく会話するって事ですよ。
男:まぁええわ。えっと…じゃあオレがキミのことを心配してどんな得なことがあるのか、探るんやな?
女:いかにも。これから始めます。
男:え…いかにもって………


女:さぁ始まりました。みなさまご機嫌いかがでしょうか?こちらは世の中の当たり前な事象に関して深く掘り下げてはまた埋めていくとゆー全く意味の無い検証をしていく番組『ディスカバリオ・オブリガーダ・陽気にサンバチャンネル』です。
男:その番組名、いくつかツッコみたいんやけどええかな?
女:後にしてください。
男:分かった。
女:司会はあたくし、リオグランデ銀閣寺が進行します。
男:なんちゅー名前やねん。
女:さて、今夜のテーマはこれ。『あたしの事を心配するとどんなお得があるのか?』です。これはなかなか重くて深そうなテーマですね。単に深いんじゃなくて、闇が深そうな気もしますが、そこも楽しみですね。…そしてコメンテーターはこの方。ザ・マンさんでーす。
男:え、オレってコメンテーターなんや( ̄▽ ̄;)……あ、どーもー、ザ・マンさんです♪……って、こんな軽いノリでええんやろか?
女:ええとは思えまへんが、とりあえずヨシとしましょう。
男:ええんかい。
女:早速検証してまいります。
男:展開が早いな…。
女:マンさん、あたしの事を心配してみてください。
男:え?いきなり?
女:当たり前やないですか。心配してもらわんと検証できまへんでしょう。
男:ああ、そらそうやな。
女:具体的に心配してください。さぁさぁ、早く。
男:ああ…えっと…うーんと…キミはその、世の中に対して希望を持てないんか?
女:希望を持てなさそうな世の中ですが、あたしは希望は捨てておりません。むしろ明るい希望を持ってます。めっちゃ明るいです。その明るさをどんだけのルーメンで表せばええのんか難しいぐらいですが、ラーメンはこってり系が好きです。
男:ルーメン…ラーメン…こってり……えーっとラーメンは全然関係ないよな。ほんで希望は持ってるってことやな?
女:持ってます。鼻くそもくっ付いてるこの両手の指に乗せてます。
男:両手の指かよ。せめて片手の指にせーよ。いや片手でもあかんもんはあかん。ほんで鼻くそはさっさと拭けよ。
女:ただ、あたしが今持ってる希望は、ずっとずーーーっと未来の希望です。現在の希望はかなり少ないです。誰かさんの髪の毛のように。
男:誰の髪の毛やねん。変な例えすんなよ。じゃあ希望に関する心配は無さそうやな。
女:ご心配なく(*´∇`)ノシ
男:……えっと、他に心配することは……もう無いやろ?
女:心配してへんのかーい。
男:だって無さそうやん。
女:無いですね。
男:そもそも最初にキミが、心配して得することがあるか検証しようって話やったやん?
女:おー。冷静に考えると話の流れがよく見えてきますな。
男:見えてなかったんかい。いつもそんなんで会話してるから脱線しまくるんやろうけども。
女:それがおもろいんですやん。
男:そうかな…。
女:『ディスカバリオ・オブリガーダ・陽気にサンバチャンネル』でした。また会いましょう(。・ω・)ノ゙…はい、ボンジスカンソ!
男:勝手に終わろうとすんなって。毎回キミはそうやんな。
女:てっきり終わったんかと思いまして。
男:あと意味の分からん単語使うなよ。
女:ちゃんと意味ありますよ。解説まではしまへんけど。
男:せーへんのかい。まぁええけどさ。



女:じゃあまだ終わりの見えないこの会話なんで、話題を変えさせていただきます。
男:話題変えるんか。分かった。
女:あたしは若かりし頃、よく小説を読んでたんですが、一時よく読んでたのが『横煮溝制止』の作品です。
男:横に溝があるから制止しろってか?『横溝正史』やろ。めっちゃ変な名前になっとるぞ。
女:彼の作品は有名で、よくドラマや映画化されてました。
男:そうやな。見た事あるわ。
女:そして作品の中によく登場するのが、かの有名な名探偵『金大血耕之助』でした。
男:『金田一耕助』やろ。思いっきり間違えてんぞ。
女:そしてあたしもそんな名探偵が登場する小説を書いて、あわよくばドラマや映画化できたらなと思ってますねん。
男:あんだけ間違ってたのに?そら無理やろ。
女:一応簡単な案は考えてます。ちょっと紹介してよろしい?
男:考えてんのか。まぁそれやったら聞くだけでも聞くけど。
女:耳の穴かっぽじって聞いてください。
男:ほっといてくれ。
女:まず登場する名探偵は『金大中氏』です。
男:それ、韓国の元大統領やないか。名探偵役なん?ええんかそんなん?
女:役どころとしては、韓国の元大統領だった名探偵です。
男:そのまんまやないか。
女:ちなみに日本名は『豊田大中』としています。
男:それも事実やから。そのまんま過ぎて恐いわ。
女:南北朝鮮の首脳会議を実現させて、ノーベル平和賞を受賞したとゆー設定も盛り込みました。
男:それも事実な。もう丸パクりやな。
女:彼が打ち出した対北朝鮮政策は『太陽制作』として有名でしたよね。

男:なんで事実の方は間違ってんねん?太陽を制作するってどうよ?
女:まぁとにかくあたしの小説では名探偵です。
男:もう読む気が無くなったわ。
女:そして作品のタイトルを紹介させていただきます。
男:なんか嫌な予感しかせんのやけど…。
女:今考えてるのは3つありまして。
男:とりあえず3タイトル考えてあるんやな?じゃそれ教えて。
女:1つめは『犬が三毛猫の一族』
男:いきなり『犬神家の一族』のパクりやないか。そもそも犬が三毛猫って時点で意味が分からん。
女:その一族が飼ってる犬が、実は三毛猫やったとゆーミステリアスなストーリーですねん。
男:ミステリアスっちゅーか、不可解やな。しかもタイトルとその設定だけでこのあり様やん。
女:そこまで言わんでも…。ちゃんと『助べーの助清』も登場しますよ。こんな白い仮面を被って。

男:まんまやん。ほんで助べーなん?あかんやん。
女:まぁ助べーが元で事件の謎が深まるんですけどね。
男:嫌なストーリーやんけ。
女:2つめの作品は『奴がハッカーの村』
男:『八つ墓村』のパクりやんな、どう見ても。ほんで“奴”って誰やねん?
女:国際ハッカー集団『アノニマス』の一員の“奴”です。
男:えらい範囲が広くなってきたな。でも相変わらずその“奴”が曖昧やねんけど。
女:そらまだタイトルの話ですから。ストーリー上では重要な人物として登場します。こんんな仮面を被って。

男:やっぱりそんな仮面なんかい。キミは仮面が好きなんか?
女:そんな趣味は無いですけど。
男:そのハッカー集団の一員の“奴”の村が舞台なんか?
女:まぁそんな感じなんですが、これ以上ゆーとネタバレになっちゃいますんで勘弁。
男:そこまでストーリー考えてんのかよ?
女:3つめの作品は『悪魔の手詰まりの唄』
男:『悪魔の手毬唄』のパクりやないか。
女:さっきからマンさん、パクりやパクりやゆーてますが、これはパクりやないですよ。
男:どう見てもパクりやないか。
女:パクりやないです。これはオマンジュです。
男:オマンジュ?
女:あたしは『横煮溝制止』の作品をオマンジュしただけです。
男:それをゆーなら“オマージュ”やろ。めっちゃ変な発音になっとるぞ。ほんで『横溝正史』やからな。オマンジュ…やなくてオマージュしてるんやったら作者の名前を間違えんなよ。
女:あたしは作品をオマンジュしつつ、作者をリースペックットゥ!!してますねん。
男:リスペクトって言えや。力が入り過ぎてんのか知らんけど、意味わからん言葉になっとるぞ。
女:ちなみにストーリーは気になりまへんのん?
男:ならんな。ちっとも。
女:一応説明しときますが、名探偵『金大中氏』が行った太陽制作が行き詰った時に唄った数え歌になぞらえて、連続殺人事件が発生するってストーリーです。面白そうでしょ?
男:支離滅裂なストーリーで頭が混乱するわ。これでキミの考えてた3タイトルの紹介は終わりやな?
女:ご不満でしょうけど。
男:キミが考えてるのとは別の意味で不満やわ。じゃ、今日は疲れたやろ。これで撤収しよか。
女:あ、さっきのは小説→ゆくゆくは映画化の野望でしたけど、あたしが考えた子供向けアニメ作品の話もあるんですよ。今度紹介させてもろてもええでっか?
男:キミ、そんな野望ばっかり考えてんのか?ヤバイな。
女:ヤバイです。
男:あっさり認めるなよ。ちょっとは否定してくれよ。
女:じゃ次回はそっちで楽しみにしててください。
男:憂鬱やな。どうせまたパクりだらけやろ。
女:オマンジュです。
男:もうええ。じゃ、またな~。
女:はいはい、ほなね~♪

終わり