エッセイ
「介護ヘルパー3」
こんばんは。
リオ・ヘルパーニャ(略称)です。《またあんたか。もうあの長い正式名称とやらは使うなよ》
きっとチミたちは意外に思うかも知れませんが、ぼくは“下の世話”は得意です。《冒頭からそっちの自慢するか…》
なんかちょっと自慢してるみたいで…すんまへんな💦《自慢しとるって》
さて、今回もデイサービスでのエピソードというか思い出がいくつかありますので、早速書いてい
きますね。
デイサービスでは色んなサービスや介助を行います。
通所されるご利用者さんの送迎もそうです。これは前回のお話でも出てきましたよね。
ぼくは送迎車の運転が大好きでしたし、ご利用者さんの家に到着してご本人やご家族の顔を見て挨拶したり様子を伺ったり、運転しながらや、添乗員として道中に世間話をしたりするのも大好きでした。
バイタルチェックやお薬の管理。
これは看護師さんのお仕事です。
ぼくたちは手出しできません。
ベッドでの仮眠。
たまに元気な親父様に「一緒に寝ぇへんか?」って誘われたりします。《それ今書かんでええやろ》
「みんなにそうやってゆーてはるの知ってますよ(笑)」
って誤魔化してたら
「そんなことない。リオちゃんだけや」
とか言い出す始末。
(あんたそない元気なんやったら仮眠せんでええやん)って毎回思ってました。《だから書くなって》
そんな諸事情な話はいっぱいあるんですが、置いときます。《それがええ》
毎朝行う体操。
これも飽きずに楽しくできるように、色々工夫してました。
職員一人一人でもやり方に違いがあって、良くも悪くも個性がありました。《悪くもってなんやねん…》
余計な演出をしてご利用者さんに怒られた職員もいましたし💦
ぼくの場合はちょっと下品な言動があって、貧乳チーム側の意地悪職員に怒られました。《どんな言動したんや?》
あと、体操に参加したがらないご利用者さんをいかに参加させるかも、職員の手腕でした。
そこは比較的若い女性職員は有利でしたね。
女性のご利用者さんや男性のご利用者さんの両方から慕われる場合が多かったからです。
ただここに深い落とし穴もあります…。《なんやなんや?》
ご高齢者のご利用者さんと世間話をして心の距離を縮めていくのに、若い人は舐められやすいんです。
単なる“世間知らず”で“若さだけ”で生きてるとか、高齢者の気持ちなんて分かるわけがないとか、本気でそう思ってる方もたくさんおられました。
やはりそう思われる方は女性がほとんどですけど、男性でもおられました。
で、ぼくも当時はまだ若かったので、一見舐められやすい対象だったんですが、幸か不幸かぼくはめっちゃ老けてた上に、マインドも一般的な若い女子とはほど遠いおっさんみたいなマインドでしたので、少しぼくの事を分かってもらえたら距離はグンと縮まりました。
まさにぼくの普段のウィークポイントがええ方に生かされた感じでしたね。《自慢しとんか?》
レクリエーション。
これも前回の記事で少し紹介しましたね。
デイサービスはこれが要とも言えるんじゃないでしょうか。
あの記事では紹介しきれないほどレクをやりましたが、今回は割愛させて頂きますね。
トイレ介助。
これは大変でした。
ご自分でできる方は外から様子を伺いながら注意するぐらいで済むんですが、1人ではできない方、特に車椅子の方の介助は難易度が高くなります。
なんせ狭い個室で車椅子からの移乗、その反対と…テクニックが最大限に生かされる機会の1つだったわけです。
しかも体の大きい男性のご利用者さんは、体重も重く、下手するとご利用者さんだけではなく介助する職員も怪我をするリスクと隣り合わせですからね。
当時のぼくは比較的腕力はあった方ですが、それでも実際に腰を痛める事はしょっちゅうありました。
現在でもぼくの腰はガラスの十代ですが、《光GENJIか!!》
その時の影響も少なからずあるんです。
すいませんね、なんか自慢っぽくなってしもて💦《いや、どこが自慢なんかわからんねんけど》
お風呂介助。
お風呂は希望者が利用します。
そして必ず介助しながらの利用となります。
先ほどのトイレ介助と同様、色んな意味で危険が伴いますので。
お風呂介助の際は、夏冬関係なく暑くなりますので、職員も半袖のTシャツに短パン、首にタオルというラフな恰好となります。
お風呂介助の前に脱衣場で着替え、終わったらまたいつものユニフォームに着替えます。
そこでちょっとした事件が…。
お風呂の設備は、機械式リフトと寝そべって入れる湯舟がセットになっている設備。
湯舟が2個あって、入りやすい側から湯舟に入れる設備。
その2つの設備がそれぞれ別風呂としてありましたが、広い脱衣場は1つだけでした。
お風呂の利用は、男性女性は時間をずらして行いますが、職員は男女関係なく介助しておりました。
事件とかゆーと……先述した“ベッドでの仮眠”からすると、もしかしてまた元気な利用者さんに
「一緒に風呂に入らへんか」
なんて誘われたんちゃうかと想像する人もおられるんじゃないでしょうか。《そんな人おるか?》
残念ですが、対利用者さんではなく対職員との出来事でした。《残念とかゆーな。ほんで職員と一緒に風呂に入ったってことか!?》
と言っても一緒にお風呂に入って洗いっこしたとかそんな生々しい話ではないです。《生々しいとかの問題ちゃうと思う》
いつも男女の職員がお風呂介助の恰好からユニフォームに着替えるのに、やはり1つしかない脱衣場なので男女交代で着替えていたんです。
その日もぼくは、お風呂介助が終わったあとに1人で広い脱衣場でのんびり着替えていたんですが、ノックもなく突然男性職員が入ってきたんです。
そう、モロに全身を見られてしまったのです(照)《照れとる場合か》
しかも下着だけの状態というなんともベストなタイミングですわ。こりゃ確信犯かと思いましたよ。《確信犯やったら大問題やんけ》
ほんで、心が青年だったぼくも、キャ~とか叫んで慌てて隠すわけでもなく、(え?なんで入ってきたん?しかもノックもせんと…)って感じで動きを止めたまんま突っ立っていました。《少しは慌てて隠せや》
逆に男性職員の方が
「す、すいません!!」
って叫びながら慌てて飛び出して行きました。
ぼくが着替え終わって脱衣場から出て行くと、真っ先にその男性職員が謝りにきました。
ご利用者さんや他の職員の目もあり、変に怪しまれるのも嫌なんで《どう怪しまれるんだか…》さりげなく無表情で
「いえ、大丈夫ですから、気にしないでください…」
ってつぶやいて何事もなかったかのように過ごしていました。
まぁもちろんぼくはその男性職員に対して怒る事はなかったですが、とうとう秘密を知られたかと思いました。《おい。秘密ってなんやねん?》
お昼ご飯。《さっきの秘密ってなんやねん?》
お昼ご飯やおやつは、施設にある厨房で専門の調理師さんが全て作ってました。
栄養やカロリーに配慮された健康的なメニューで、しかも美味しかったです。
ある日、爆乳チーム側の先輩が、《爆乳関係ないやろ》
独居の女性高齢者の家を訪問し、うちのデイサービスの説明をしに行くという事で、同じく爆乳チーム側のぼくも付いて行きました。《あんた爆乳ではないよな》
送迎車で到着したその高齢者の家は、古いけれど立派な一軒家でした。
玄関から中に上がらせてもらった瞬間から、小さな洋犬がキャンキャンと吠えまくってやかましいったらありゃしない💦
その女性は、一見気難しそうな顔でしたが、話せば気さくな方でした。
しかし気さくな方ほど歯に衣着せぬ性格なのか、ズバズバとハッキリものをゆーてきます。
なので先輩もぼくも緊張しながらお話をしていました。
小さいコタツにその女性と先輩が入り、先輩はパンフレットを見せながら介護保険やデイサービスの説明をしていました。
ぼくはその間、少し離れた所に正座してずっとやかましい洋犬の相手をしていました。
するとその落ち着きなかった洋犬が、正座していたぼくのひざの上で寝てしまいました。
話の途中でその様子に気付いた女性が笑いながら
「この〇〇ちゃんは私以外の人には1回も懐いたことないのに、この人にはえらい懐いてもーてるやん。ビックリしたわ~」
って、ほっそい目を丸くして感心していました。《ほっそい目は余計や》
そして後日、その高齢の女性は、めでたくうちのデイサービスに通う事になり、ぼくも一緒に楽しく過ごさせていただきました。
爆乳先輩いわく…
「あの日、〇〇ちゃんがリオちゃんに懐いて安心してたから、リオちゃんのこと、ほんでこのデイサービスのことが信用できるって思ってくれたんやって。良かったね、リオちゃん」
ってゆーてました。
ごめんなさいね、最後に自慢してもーたみたいになって…💦《思いっきり自慢しとるやん》
ぼくにとって短い間でしたが、このデイサービスで介護のお仕事ができた事はとても大きな経験になったし、全てではなくても、少しでもこれからの人生で活かしていけるんじゃないかと思っています。
また、活かしていけたら、無駄ではなかったと思えるんじゃないでしょうか。
その後のぼくの仕事は、ずーっと介護とはまったく無縁の仕事をしています。
でも、もしも収入や今の自分の病気とかを度外視したならば、また介護の仕事をしてもいいと思っています。
それほどぼくにとって介護の仕事は、“とても尊い”仕事やと思っています。
長々とありがとうございました。
リオ・ヘルパーニャでした。《ほんでさっきの秘密ってなんやねん?》