エッセイ
「うちの会社の人たち2」
こんばんは。
社会人2、3年のひよこ饅頭です。《嘘はもうええから》
あーごめんなさい。
ほんまは相当古くなって化石化してもーてる、かったいかったい鳩サブレです。《あんた鳩サブレ好きなんか?》
フリスビーみたいに遠くに投げて遊んでも構いまへん。《戻ってくんなよ》
さて、早速会社におった色んな人たちのご紹介のつづきです。
まだ最初の会社のまんまです。
社長一族の親戚で、製造トータルの課長をしていたいわゆる“偉いさん”がおったんですが、その人はいつも作業着を着て現場を歩き回り、実際に現場で指導したり作業もしていました。根っからの現場肌のおじさんでした。
見た目はすごく細くて、多分ぼくより力なかったんちゃうかなと思います。
目が細く小さくて眼鏡かけてて、頬もこけてほっそい顔でした。
一番の特徴は口。
おもくそ出っ歯やったんです。《そういう特徴かい》
黙ってすましてても喋ってても違いがないぐらい歯が出てました。《違いがないとかゆーなよ》
むしろいつも口元だけ笑ってるようにさえ見えたもんです。《それ、わからんでもないわ》
笑ってるかのような口元(ただ出っ歯なだけ)で目は真剣…油断させようったってそうはイカの〇〇玉でっせ、課長。《その伏字好きやな、あんた》
〇〇ついでに…たまに現場でひよこ饅頭のぼくに話しかけてくるんですが、出っ歯すぎて発音が不明慮でなにゆーてるんか聞き取れんかった事が何度もありました。《失礼なやつやな》
こんな人が現場におったら事故の元やなと思いましたよ。《えらい上から目線でゆーとるぞ》
ちなみにぼくはその課長の事を心の中で『さんま』と呼んでいました。
風貌が歳とって痩せた『明石家さんま』に似てたからです。《ちょっと想像してみた…》
まぁ明石家さんまのようにペラペラとおもろい事を喋る事は一切なかったですけど。《そりゃそーやろ》
喋る時にツバ飛ばすのは似てたかも。《それは似てほしくない点やな…》
なので課長と話す時ぼくは、斜め前に立つように心がけておりました(`・ω・´)ゞ《ちゃっかりしとるな》
次は製造のとあるチームの中年係長。
背は低いけどガッチリしてて、大きなハチの開いた頭にチリチリの髪の毛。
広いおでこには深いグランドキャニオンのような横皺が数本入っており、細くて小さい…いわゆる三日月を横にして出っ張りを上にしたような変態的な目。《変態的ゆーな》
すましてても笑ってても目は同じ形。ああなんて変態的な眼差し。《やかましいわ》
口がでかくて、笑うとすごく横に広がる変態的な口になります。《そこも変態的なんかい》
眼鏡をかけてて、喋ると下にズレてくるのか、いつも片手で眼鏡を上にあげるのがクセでした。
声はガラガラのダミ声。変態的な声です。《なんでも変態的かい》
落ち着きなく早口で話します。しかも自信満々に。
ぼくはその係長の事を心の中で『こなきじじい』と呼んでいました。
全体的に似てたんで。《ほんま失礼やな、あんた》
そのこなきじじいの自宅は会社のすぐ裏の小さな一戸建てで、奥さんは変態的なこなきじじいには似合わん、わりと美人…かな?《微妙なんかい》
小さなこなきじじいたちも大勢いました。《子だくさんなんや。しかも似てるんや…》
若かりし頃のぼくが、会社の近所でその大勢のこなきじじいたちと奥さんを見かけるたびに、課長に対してやらしくて変態的な印象が増しました。《想像しすぎやろ》
その係長のもとで次期係長候補として活躍していた、見るからに寡黙な元ヤンキー風のにーちゃんがおりました。
髪の毛はややパーマ風(完全パーマではない)で襟元はこざっぱりと短くしています。
やや細身ですが、ガニ股で他を威嚇するような歩き方。
寡黙やけど話すと優しいにーちゃん。でも目は鋭くて怖い(笑)《あんた笑っとるがな》
決して軽そうな雰囲気ではなく、非常に落ち着いて堂々としたにーちゃんでした。
ぼくはこの元ヤンっぽいにーちゃんの事を心の中で『元ヤン』と呼んでいました。《まんまやん》
ぼくが入社して現場に移った頃、タバコも会社で吸うようになってたんですが、ある日ぼくが食堂の前でタバコの自販機にお金を入れてタバコを買おうとしていたら、その元ヤンもタバコを吸いに来て、タバコを吸いながらぼくをじっと見ていました。
※これまで元ヤンとは一度も会話をした事がなかった
(なにこの元ヤン。なんか文句言いたいんか?)
そう思ってたら、元ヤンがいきなりこんな事をゆーてきました。
「自分、今いくつなん?」
「19です」
「タバコあかんやん」
「確かに」
「そやからって20に始めるやつもおらんけどな( ̄ー ̄)ニヤリ」
「( ̄ー ̄)ニヤリ」《なんか答えろや》
「オレより背高いな。なんぼなん?」
「172ぐらいかなぁ?」(当時はそれぐらいあった)
「ええなぁ…172で19歳…若いよなぁ」
「元ヤンさんはいくつなんですか?」
「オレか?もう29や…」
「若いですやん(もっとおっさんやとおもってた)」《ある意味嘘ではないか》
「アホか。29なんてもうおっさんや」
「そんな事ないですって(おっさんやけどな)」《あんたも大概やな》
「自分さぁ、こんどオレん家に遊びに来いよ」《え?》
「え?あたしが?元ヤンさんの家に?1人で?」《おいおいおい》
「なんでやねん(笑)自分の先輩たちも一緒や。あいつらもよく遊びに来るで」
「先輩たちって、男も?」
「いや、自分の1個上の女子たちや」
「ああ、F子さんたちですか?(先にそれ言えや」
「おう。今度の土曜日あいつらも来るから。自分も来いよ」
「はぁ…でも奥さんは?」
「( ̄ー ̄)ニヤリ」
「( ̄ー ̄)ニヤリ」《なんか話せや!二人とも!》
ってな感じでいきなりそんな話をされました。
もちろんぼくは行くつもりなかったんですが、この話を元ヤンがしたのか、F子たち先輩もぼくを誘ってきました。
その時もぼくは難色を示していたんですが、
「あの先輩は信用できるから大丈夫やで」
ってしつこく誘ってきたんで、取りあえず信用して1度だけ行く事にしました。
ってゆーか、実際は金曜日の仕事帰りに元ヤンと先輩たちと、元ヤンの車で食事に行き、そのままドライブして夜遅くに元ヤンの家(尼崎にある小綺麗なマンションでした)に行きました。《大丈夫かい?》
奥さんと小さいお子さんは、奥さんの実家に行ってて不在とか。あやすぃ~!!《たまにそんな時があるんかいな?》
ちなみに奥さんはめっちゃ美人です。
二人とも元ヤンっぽい外見です。まぁあるあるですよね。《元ヤンカップルやな》
元ヤンの家でぼくたちは、スーパーマリオをして遊んだ記憶があります。《テレビゲームかよ!!》
ぼくは普段からテレビゲームとかやらなかったんで、多分マリオもこの時が初めてでした。
プレイしてる最中も元ヤンがそれをずっと眺めていました。
着いた時から結構遅かったので、もう夜中です。
女子先輩たち4人のうち、家が近かった3人は帰るという事で元ヤンが車で家に送り、残った先輩1人とぼく(大阪の北区のぼくが一番遠かった)はそのまま元ヤンの家にお泊りしました。《泊まったんか!?》
でも安心してください。ちゃんとなにもなかったですよ!!《あったら怖いわ》
翌朝、元ヤンが作ってくれた朝ご飯だけ食べて先輩とさっさと一緒に帰りました。
翌週、会社でタバコ吸ってたら、元ヤンが近付いてきました。
タバコに火を着けながら意味ありげな表情をして、声をひそめてぼくにこう言いました。
「自分…意外と上手かったな…」《え?なにが?なにが?》
「そうですか?初めてのプレイだったんですけど…」
「初めてにしては上手かったで。またやりに来いよ」
「えー?それだけのために?」
「それだけやなくてもええけどな」
「まぁ…奥さんがおらん時なら…」《おいおい》
「おう。しかしほんま…マリオ…上手かったな」《ゲームの話かーい!意味ありげにゆーな!!》
「マジで初めてでしたよ?(照)」《意味ありげなセリフゆーな!!》
「器用やねんな( ̄ー ̄)ニヤリ」
「人生は不器用です( ̄ー ̄)ニヤリ」《いちいち( ̄ー ̄)ニヤリすんなよ!》
今回はここまで。
まだまだありますので、つづきます。
ほなね~♪