エッセイ
「隣のハゲ親父」


こんばんは。
エッセイストのブラジリアン・リオデジャネイロ・ポエマッタと申します。《あんたまだおったんかい》

突然ですが…
ぼくが住んでるアパートの部屋のお隣さんの住人。
その名も『ザ・ハゲ親父』《普通にハゲ親父でええやん》
これまでに主に日記とかでちょこちょこと、シャイなゴキブリのように登場しておりました。《酷い言い方やな…》
日記「チームのお食事会」を読んだ方はご存知かと思いますが、会社の同僚にも同じ“ハゲ親父”さんという名前のキャラは存在しとります
でもこちらは実際にハゲてる人ではありまへん。
単にぼくが心の中でそう呼んでるだけです。
いわゆる“ニックネーム”とか“愛称”ってやつですね。《愛は感じひんけどな》
しかーし!!《力むなよ…》
お隣のハゲ親父はモノホンのハゲ親父です。
モノホンのハゲ親父……みなさんも相当気になってる事と思います。《全く気になってへんねんけどな》
というわけで今回のエッセイでは、このお隣さんのハゲ親父に超強力なスポットライトを当て、ハゲた頭をジリジリと熱したろかいなと思います。《すなすな》


まず、このハゲ親父なんですが…。
みなさん、どんな外見か想像つきまへんでしょう?《90%ぐらいはなんとなくは想像つくけどな。よっぽど意表を突く外見じゃない限り…》
今まで記事の中で、少しは外見がわかるようなにニュアンスの言葉を散りばめたりしておりましたが、いちいち過去の記事を拾ってつなげてジャンケンポンするのも大変なんで《なんでジャンケンポンせなあかんねん?》、ここで一気にハゲ親父の姿をお見せしたいと思います。
もちろん強めのモザイクをかけて。《え?見せるん?》
文字でね。《文字で説明すんのかーい。そらそうやろな…ハゲ親父の写真撮ってた方が怖いよな》

まず一番の特徴は当然ハゲ頭なんですが、ハゲ頭と言ってもきっと世界中の昆虫の種類に匹敵するぐらいバリエーションがあると思うんです。《そんな種類多いか?》
ところで世界中の昆虫の種類って…どんだけおんのかな?《知らんがな》
自分で言及しておきながら、全くテキトーな態度ですね、珍しく。《珍しくないけどな》
そんなバリエーションが多すぎるであろう世界のハゲ頭の、一体どのハゲ頭に一番近いハゲ頭なハゲ頭なのか。《わざとハゲ頭を連呼しとるやろ?》
まぁあたしも間近でじっくりゆっくり眺めたわけではないんですが。《普通はそうやろ》
そこを強いて言えば…普通のハゲ頭です。《普通ってどーゆーの?》
普通のハゲ頭………きっとみなさんは今頭の中で、千差万別&無限なバリエーションでこの“普通のハゲ頭”を想像されている事でしょう。《ややこしい言い方すんなよ》
ここは一つ、シンプルに想像してみてください。
単なるハゲ頭かなんかを。《“単なる”って表現しただけやないか》
ぼくの拙くお上品な表現力で良ければ、見たまんま描写してみます。《お上品とかしれっと書くなよ》
まず頭頂部は綺麗にハゲてます。
綺麗に…いわゆるピカりんってやつね。《ピカりんなんて言葉使わんけどな》
そして耳の横から後頭部にかけては…やや産毛が残ってる感じ。
それはもうケチったオプションの範囲です。《どんな表現やねん?》
パッと見はほぼ無いに等しいですね。《結構じっくり観察しとるな、あんた》
首もほぼ無いに等しく見えます。《首もかい》
肩はいかり肩ですが肩幅が狭いので、頭がでかく見えます。可哀そうに。《同情すなすな》
身長は、ぼくよりはるかに低いですね。おそらく10cm以上は低いんじゃないでしょうか?
手足は短く、太いです。でも足は先に行くほど細いです。《なんかイメージできてきたぞ》
パッと見はコロコロしてます。
一番の特徴…夏は当然ですが、冬でも薄着で短パン姿でした。《マジかい》
暑がりなのか。それとも単にアイテムが足りないのか。《アイテムゆーな》
今の時期、真夏は白のヨレヨレのタンクトップ…いや、ランニングに白のヨレヨレのステテコ姿。首にタオルか手ぬぐいを引っ掛けてます。
うーむ…一貫したシンプルなコーデ。見習いたい。《嘘つけ!》
あ…肝心な事言い忘れてました。
いつもではないですが、大体無精ひげ生やして小汚い顔です。《言いたい放題やな》
たまーに綺麗に剃ってる時があるようですが、それを見れたらビンゴって叫んでもええかな。《なんでビンゴって叫ばなあかんねん?》
基本、口ひげやあごひげは生やしておりまへん。
眉は薄く短く、眼は一重で小さく、なんでもガン見してるように見える嫌な感じの瞳です。《瞳って言わんでもええんちゃうの?》
ハゲてるので境界線がわかりずらい額には、深く大きな横皺が3本。
鼻の横には深いほうれい線もあります。《めっちゃ観察してないか?あんた》
なので、年齢的には50代後半から60代?
だけど肌のツヤは良さげですかね。うーん…なんかやらしそう(笑)《笑ってる場合かよ》
どうでしょう?
大体外見のイメージはできあがりましたか?《これだけ描写があればなんとなく想像できそう》

ぼくがこのアパートに入居した時、当然ご挨拶しましたが、留守ではなく一発でご挨拶できました。
そのご挨拶ついでに手土産も渡したんですが、なんとゆーか声が小さくて感情が顔に出ないタイプ?
何を考えてるのかわかりにくくて少し不気味でした。
あと、ずっとぼくの頭から足までを一通り見てました(笑)
それが最初の印象です。《なんか、要注意人物っぽく感じるんやけど》

ぼくはこのアパートに、もうかれこれ10年ほど住んでる事になるんかな?
ハゲ親父はいつから住んでるんかは知りまへんが、確実にぼくよりパイセンです。《パイセンゆーな》
そして古いアパートなんで部屋の中には洗濯機を置くスペースがせまくて、玄関の外の横に置いてる人も多いです。
今現在のぼくは小さいのを脱衣場になんとか置いてますが、ハゲ親父はそれよりでかいのを外に置いてる派の一人です。《派閥あんのかい》
なので、洗濯する時は必然的に外に出てきてました。
だから鉢合わせする事はけっこう多いですかね。
特にぼくの出勤時間と重なる時は嫌でも会うわけです。
それにしても…
たかが洗濯ですが、外はちょっとねぇ。
冬は寒いし夏は暑い。季節を肌で感じる事ができる贅沢な空間をご提供。《カタログか!》

最近はもうやめましたが、ちょっと前までのぼくは、夏はヨレヨレのタンクトップにヨレヨレボロボロの生地のホットパンツ姿でいつも過ごしておりました。
夏の定番のくつろぎアイテムです。《アイテムゆーなって》
ってゆーか…ヨレヨレの上下って…ハゲ親父と一緒やんけ!!《ほんまやな》
ペアルックかYO!!《ふざけてんのか?》
ハゲ親父はある意味“ベアールック”かもかも。《そんな可愛い感じちゃうやろ》
話が逸れましたが…
部屋の中ではそんな恰好でくつろいでいましたが、さすがに外に出てそんな姿を見せるわけにはいきまへんので、一応ちょっとした用事で外に出る時は違う恰好しておりました。
しかし、毎日の事でだんだん面倒くさくなってきまして…
郵便受け(1Fに各部屋の分がまとめてあった)に新聞取りに行く時とか、ゴミ出し、自治会の回覧板を回す時、駐輪場でカブを洗車したりメンテナンスする時なんか、ついそのまんまの恰好でやっちゃった時もあります。
当然ですが、たまたま玄関から出てきた(わざと出てきた時もあったかも知れまへんが)ハゲ親父と鉢合わせし、上から下までジロ~って見られた事が何度もあります。
今年の夏は、部屋の中ですらホットパンツ姿は卒業しました。《おっそい卒業やの》
今現在、下はステテコです。
上は…タンクトップで勘弁💦《それは現役なんや》
外に出る時はなにか羽織ります。
さすがに買い物(ちょっとそこのコンビニとか)は、見られても問題ない恰好で行きます。
あと玄関の掃除の時もね。

しかし…
ぼくがそうやって気を使ってても《ちょっと前までは気を使ってへんかったやんけ》
ハゲ親父は万年半袖半ズボンで乳首の場所もわかるほどの薄着ってどーゆー事!?《知らんがな》
やっぱり暑がりさんなんかな。
それとも…サービスなのか?《そういうサービス?怖いわ!!》
せめて冬ぐらいはコート姿でいてほしいっす。
だけどコートの下はスッポンポンってのもやめてほしいっす。《あんた考え過ぎやから》

よくぼくが部屋で騒いでて、あんまりうるさいと隣のハゲ親父に壁ドンされるわ~とかゆーてますが、今まで一度も壁ドンされた事はありまへん。
厳密に言えば、ぼくの方が間違って壁ドンしてもーた事が何回かあります。《あんたの方が壁ドンしとんかい!》
あとは床ドンね(笑)《1Fの住人も可哀そうやな》

このように、隣のハゲ親父とは交流なんて全くないんですが、一度だけハゲ親父がうちに訪ねてきた時がありました。
しかも夕方、薄暗くなってから。
トントンとノックの音。
「は~い」って言いながら覗き穴から見ると、小さなハゲ親父のでっかい顔が…《その描写…》
なんやろ?って思いながらも、色んな可能性を目まぐるしく考えましたが、答えは出てこなかったです。性能の悪いコンピューターですな。《性能良くても答え出てこんやろ》
警戒しながらドアをそっと開けると、やっぱりハゲ親父が立ってます。《ハゲ親父から別人に変わってた方が怖いやろ》
すると例のごとく非常に小さい声で…
「これ…そこに落ちてたけど…」
って手になにか持ってました。
ぼくはその時点で
(そのサイズにその色!!パンツか!!!)
と思いつつ、とてもどっしりと構えて冷静さを演出しながら
「すみません、ありがとうございます」
とゆっくり礼を述べてそれを受け取り、ドアをゆっくり閉めました。
閉めたと同時に鍵をして奥の部屋へ走り、受け取ったブツを確認しました。
いつかはこんな日が来るだろうと覚悟はしてましたよ…。
でも、できれば自力で気が付いて自力で解決したかったな~(>_<)
指でブツを広げました。
ちっさい靴下でした。《おーい!!》
めでたしめでたし。《パンツと間違えるなよ!!》
って、ぼくでも間違えたんやから、最初に見つけて拾ったハゲ親父の手は震えてたに違いない。《そう想像したか?》
そして広げて見て…さっさと返してあげようと思ったに違いない。《親切やんけ》
もしそれがパンツだったなら…。
まぁええわ。考えんとこ。《考えんでええわ》

そんなお隣さんのハゲ親父との交流。《交流してへんってゆーてたやん》
これからもある意味、お世話になるんやろうねぇ。《迷惑かけんなよ》

追伸
今思い出しましたが、一度だけハゲ親父の部屋の前に女性が訪ねてきてました。
たまたまぼくが帰ってきた時に見かけました。
ハゲ親父は不在のようで、会えなかったようでしたが。
訂正…女性ってゆーか、おばちゃん(笑)《いちいち訂正すなすな》
あの人はどーゆー関係の人なんやろか?《興味あんのかい?》
どーでもええか(笑)《やっぱりないんかい》

 

ポエマッタでした~(。・ω・)ノ゙


終わり