男女の会話31
「裏・浦島太郎物語7 最終回」
男:こんばんは。男です。
女:こんばんは。これが最後の玉手箱明美です。もう開けてもーたがな~。
男:やっと6で開けたな。なかなか終わらず分割して勝手にシリーズになって、早くも7になってもーたぞ。最後まで開けへんのちゃうかなと思ってたわ。
女:開けへんかったら玉手箱の意味がないとも言いますけどね。
男:そうなん?
女:そんな事ないか。
男:どっちやねん!?ええ加減やな。
女:世の中ええ加減なほどでええんです。
男:なんやその悟りきったような言いぐさは。キミは仙人か?
女:亀仙人です。
男:あ~ウミガメだけに?…やかましいわ。前回の続きはどうなった?
女:はいはい。では前回の最後を振り返りましょうか。
男:そうやな。
女:竜宮城『ブラックジャック』で浦島太郎くんが長男やなかったと知ったウミガメは、もう用はないと言わんばかりに急いで浦島太郎くんを元の世界に戻しました。
男:そう、オレはそこが引っかかるんやけど。
女:それはまたあとにしてください。
男:あとで説明してくれるんか?
女:きっと多分…おそらく…もしかして…かもよ?
男:期待できひんな、それ。
女:元の世界=2人が出会った砂浜に戻った時、ウミガメはお約束で太郎くんに玉手箱をプレゼントします。
男:プレゼント…なんか嫌なプレゼントやな。
女:だけども、玉手箱をプレゼントした時に、実は太郎くんは実質はほぼ長男みたいな存在やとゆー事をウミガメが知り、もう一度太郎くんを竜宮城へ連れて行こうとします。しかし高尾山ICが苦手なウミガメはそれをあきらめます。竜宮城へ連れ戻すのをあきらめる=ミッションを放棄するのを意味するのか、ウミガメは太郎くんに渡した玉手箱を取り返し、太郎くんから離れて波打ち際で自ら玉手箱の蓋を開けます。
男:そうそう。そしたら玉手箱から大量の煙が噴き出してウミガメの姿が消えたんや。
女:ウミガメの姿が見えなくなったので、気になった太郎くんは思いました。
男:どう思ったん?
女:(やっぱり…芸術は爆発か!)
男:それ岡本太郎やんけ!!その太郎から離れろや。
女:そんな事を思いながら波打ち際まで駆け寄った太郎くん。彼がそこで見た光景は???
男:そこまでが前回の内容やったよな。ってかさ、前回の内容は読んでもらえば済む話なんちゃうの?なんで文字数使ってまでもう一度ここで説明せなあかんねん?
女:文字数稼ぐためですがな。
男:稼ぐな稼ぐな。ちゃんと新しい内容で稼いでくれよ。
女:はい!ここからが今日の物語の始まりになります!
男:やっとかい…長いなぁ。
女:浦島太郎くんが波打ち際で見た光景は、砂浜の上でモゾモゾと動くウミガメの赤ちゃんの姿でした。
男:え?あのイケイケのウミガメが赤ちゃんになってもーたん?
女:そう。
男:……いや、そう…だけやなくて、なんで?ほんでその先は?
女:知りたい?
男:あのな。なんでここにきてキミは、そんな余裕しゃくしゃくでもったいぶった言い方できんねん?
女:余裕しゃくしゃくでもったいぶった態度を取ってみたかったんですよ、マンさん。
男:すなすなすな!そんな態度取ってみる前に物語を進めろよ。
女:んなぁ~ちょっと嬉しかったのに~。
男:そんなことで嬉しがるって。キミは小学生か?
女:高卒ですけど、なにか?
男:そんな話とちゃうねん。まぁええ。はよ話を進めて。
女:驚いた浦島太郎くんは、ウミガメの赤ちゃんを両手でそっと持ち上げると、その顔を見つめました。
男:うんうん、どうやったん?ウミガメの赤ちゃんは太郎の顔を見てなんか反応したんやろ?
女:必死で逃げようともがいてました。
男:感傷的な描写があるかと思ったオレがアホやったわ…。
女:あたしが思うに…きっと身も心も完全に赤ちゃんになってしまったんでしょう。もしこの煙を浦島太郎くんが浴びたとしても、やっぱり太郎くんも一瞬で赤ちゃんに戻ってしまい、今までの事も何もかもわからなくなってしまうんやと思います。
男:えー…なんかそれはそれで悲しいな…。でも、もしかしてそれが玉手箱の意味やったんかもな?
女:そうですね。ミッションに必要ないと判断された太郎くんが玉手箱をプレゼントされたのも、きっとそういう意味があったんでしょう…とあたしは推測します。
男:推測ね…キミが考えた物語やねんけどな…ほんまは。
女:なので、太郎くんは再び砂浜にウミガメの赤ちゃんをそっと戻しました。すると本能なのか、ウミガメの赤ちゃんはちゃんと波打ち際の方向に向きを変え、ペタペタと必死で歩いて行きました。そしてやがて、何度も押し寄せる波に押し戻されながらも海の中へ消えて行きましたとさ。めでたしめでたし♪
男:終わってもーたがな。
女:終わりましたね。なんだかすっきりしましたわ。
男:いやいやいや、オレは全然すっきりしてへんねんけど。
女:あらま。モヤモヤしてますのん?スッキリしたいんでっか?
男:なんかその言い方やめてくれへんかな?勘違いされそうやから。
女:一体なにがすっきりしまへんの?
男:えーっと、さっきもゆーたけど、玉手箱の意味というか役割はなんとなくわかった。開けた人を一瞬のうちに身も心も赤ちゃんにしてしまうんやな?だけどなんでそんな事するんやろか?そんな事せなあかん必要があるんやろか?
女:あるんでしょうねぇ。
男:……いや、あるんでしょうねぇで終わらせようとしてへん?それで終わらせたらオレは一生モヤモヤしたまんまやないか。
女:そないたいそうな(笑)たかが裏・浦島太郎の物語ごときで?
男:どんな物語でもしっかりとした意味がわからんままやとモヤモヤするやろ?キミはせんのか?オレはする。
女:なにをそない興奮してますのん?マンさんがすっきりするかどうかわかりまへんけど、ちょっと考察してみまひょか。
男:考察せなあかんのか?キミが考えた物語やねんからキミがスパッと説明すりゃええんちゃうん?
女:そんな簡単にスパッと説明できたらあたしは大卒になってましたわ。いや、短大でもええか。
男:そこは高卒も大卒も短大卒も関係ないから。幼稚園卒でも説明できなあかんぞ。
女:マジでっか?💦じゃなんとか説明してみますで。
男:頑張ってオレのモヤモヤを解消してくれ。って…ここだけ読んだら変な小説みたいに思われそうやな。
女:マンさん、そっちに持っていきたいんでっか?
男:誰がじゃ!!んなわけあるかい!!
女:まぁまぁ落ち着いて。あたしが思うに、あの玉手箱は仮に太郎くんが長男として竜宮城で過してたとしても、結局いつかは元の世界に戻ってきてからプレゼントされるはずやったんです。
男:ん?ああそうか。裏じゃない浦島太郎の物語でもそうやもんな。
女:表でしょ?でしょ?今回はイレギュラー的な展開でしたけどね。だからあの玉手箱の役割は、竜宮城に拉致されて過した人たちの記憶を消すためやと思うんです。
男:なるほど。だけど記憶を消すためだけやったら、なにも赤ちゃんにすることないんちゃうの?ただ記憶を消すだけの方が簡単やん。
女:確かにそうなんです。だけど赤ちゃんにするって事にはもう一つの目的があったんです。
男:記憶を消す以外の目的?なにそれ?
女:少子化対策です。
男:はぁ?どういうこと?意味わからんねんけど。
女:日本政府が極秘で進めてきた、お年頃の長男を竜宮城へ拉致するというプロジェクト。それの目的に繋がってくるとあたしは睨んでいます(≖_≖)✧
男:ほんまに睨まんでもええがな…。
女:竜宮城で行われていたのは、ズバリ!!少子化対策やったんです。
男:いやそれはさっき聞いた。その具体的な説明は?
女:それは割愛いたします。それを具体的に説明するとこの記事がエロ小説になってまいますから。
男:キミの考えた物語のベースは、キミの頭の中のエロい妄想やったんかい。
女:それはちょっと不本意ではありますが、そういう事にしときます。便宜上。
男:便宜上って苦しい言い訳にしか聞こえんけどな。まぁええ。なんとな~~~くおぼろげに竜宮城や乙姫、ウミガメの存在がわかってきたような気がせんでもないかも。
女:マンさんもたいがいやらしいでんな。やっぱり男でんな。
男:やっかましーわ!キミに言われたら終わりやわ!
女:まぁまぁそんな口から泡飛ばさんでも。
男:飛ばしてへんし。
女:目からウロコ落とさんでも。
男:一体オレがなにに対して目からウロコ落とすねん?
女:鼻から牛乳出さんでも。
男:出すかい!!牛乳飲んでへんし。お茶しか飲んでへんし。
女:じゃあ鼻からお茶を…
男:出さへんて!!
女:落ち着いてください、マンさん。極秘とは言え、これも全部日本政府が日本を守るために行っている崇高なプロジェクトなんです。日本を守りたいがためなんです。
男:全部キミの妄想の範疇やないかい。
女:崇高な妄想とゆーてください。
男:絶対に言いたくない。ほんでかなり漠然としてるけどそういった少子化対策のプロジェクトが竜宮城と関連して行われたと。だけどそこから帰ってきても、記憶をけすだけでええと思うのは変わってへんで。なにも赤ちゃんにする必要ないやん。
女:マンさん。もう一度冷静に考えてみてください。鼻からお茶出さんように落ち着いて。
男:キミがオレを興奮させようとしてるやないか…さっきからそうやって。
女:竜宮城で少子化対策として利用され、こっちの世界に戻ってきて赤ちゃんに戻って、もう一度人生を歩めるわけです。お年頃になった彼らは、さすがにもうあの極秘プロジェクトの対象からは外されると思うんですけど、それでもまた結婚するなりして子どもを作る事ができますよね?
男:おー、なるほど。遠回りやけどそれも少子化対策に一役買ってるってことか!?
女:そうそう、その通り魔事件。
男:不謹慎なダジャレゆーなよ。まぁこの会話自体が全体的に不謹慎な会話やけども。
女:それはちょっと不本意ですな。
男:オレも上手く説明できんけど、なんとなくわかってきた。政府がどれだけ少子化対策に力を入れてるんかも。って、もっと他の方向からも対策打ってほしいけどな。まぁある意味力ずくで直接的な対策とも言えるんかも。
女:たまには力ずくも必要というわけです。
男:でもまだ知りたいことがあるんやけど。
女:マンさんも相当知りたガールですな。
男:なんでオレがガールやねん。
女:じゃあボーイでっか?
男:長くなるからそれは流す。
女:残念。
男:なんでウミガメは、自ら玉手箱を開けて赤ちゃんになったん?
女:そら簡単ですがな。ミッション遂行不可能になったからですよ。
男:なにもそこまでせんでも。浦島太郎に玉手箱開けさりゃそれで良かったやん?
女:ウミガメは、太郎くんを赤ちゃんにさせたくなかったんですよ。だから自分が赤ちゃんになってミッション遂行失敗の責任を自分で取ったんです。
男:えー?なにもそこまでせんでも。
女:普通はミッション遂行失敗は、命を絶って責任を取るもんなんです。だけどそれをやる前に太郎くんの命も消さなあきまへん。最低でも記憶を消す必要があります。ウミガメは太郎くんはそのままにしたかった。ならばいっその事、自分が赤ちゃんになって海に戻れば太郎くんはそのままで済むし自分もなにも覚えてなくてウミガメとして生きていける。なにもかも放棄して。そっちの道をえらんだんやろうとあたしは睨んでます(≖_≖)✧
男:ほんまに睨むなて。なんか納得しがたいけど、そこはウミガメの気持ちにならなわからんよな。ほんでオレはウミガメの気持ちにはなれるはずがないから、永遠にわからんってことか。
女:わからんでもよろしいやん。
男:他人事のように言うよな、キミも。じゃ最後にもう一つ。
女:まだありますのん?マンさんもたいがいしつこいでんな。
男:これがほんまに最後。なんで長男だけを拉致してたんや?
女:なんでって。次男、三男よりも長男の方が多いからですやん。
男:あーなるほど。納得。
女:簡単ですね!?
男:いや、なんか疲れたから。ものすごく考えなあかんことだらけで。なんでこんなに考えなあかんのかいな?
女:なんででしょうね?
男:キミがもっと考えろよ!!
女:あたし、考えるの苦手ですねん。
男:だからこんなに不可解でややこしくてモヤモヤする物語になってもーたんちゃうんか?
女:そらしゃーないですよ。あたしの妄想をちょこっとだけ表に出してみただけですから。
男:ちょこっとだけでこんなんかよ……もうあんまり表に出さん方がええかもな。
女:そうですねぇ。これからはあんまり出さんようにしますわ。じゃ今度は『裏・一寸法師物語』でよろしく。
男:いやもーええから!!はい、今日は撤収な。良かったわ、最終回で。
女:撤収ね?もしあれでしたらスピンオフのんやります?乙姫様とかの。
男:やめてくれよ。ほんでキミももう『玉手箱明美』では出るなよ?
女:出まへんて。ウミガメとして海に帰っていきましたから。でもこんど出産しに砂浜に戻って来るかもよ?
男:来るな来るな。サンオイルも塗らんでええから。
女:サンオイル塗るのはミッションのうちでしたから。もうないです。
男:ミッション終わり!!解散!!
女:はいはい。じゃ次回は別の会話ね。ほなね~♪
終わり


