男女の会話29
「裏・浦島太郎物語6」
男:こんばんは。男です。
女:わんばんこ~。玉手箱明美(たまてばこ あけみ)です。まだ開けてまへんけどね。
男:さっさと開けてくれへんかな。
女:そろそろでしょ。そんな予感がしたりせんかったり。
男:オレはそんな予感が全くせんねんけど。
女:そんな悲観的にならんとってくださいよ。わかりました。今夜こそオープンセサミでパッカーンとお開きにしまっせ!!
男:ほんまか?
女:あたしに日本語はおまへん!
男:それをゆーなら「二言はない」やろ。日本語なかったらどうやって喋るねん。
女:テレパスィ~で。
男:オレの心に入ってくんなよ?頼むから。
女:大丈夫です。土足では入って行きまへん。玄関で靴脱いで揃えて置きますから。
男:そうやな。最低でもそれぐらいはできんとな…って、入ってくんなって!ほんで心に玄関なんてあんのか?
女:そんな感じでそろそろ本題に入らせてください。
男:オレが邪魔してるみたいな言い方すんなよ。
女:邪魔してるみたいな風に聞こえました?じゃ邪魔してもーてるって言い換えますわ。
男:やめてくれって。
女:えーっと、前回は…浦島太郎くんが長男ではなかったと知ったイケイケのウミガメが、強制的に浦島太郎くんを元の世界に戻そうとしたところまででしたよね?もっと正確に言えば、富士の樹海の風穴の中にある竜宮城『ブラックジャック』略してBJから強制送還されたって話。
男:そこまで細かく言う必要もないと思うんやけど、そんな感じやったよな。でも今でもまだ不可解な気持ちやねんけど。
女:何がでっか?
男:浦島太郎が長男じゃないってわかった途端にそんな仕打ち…。まるで長男しか用がないみたいな仕打ちやん。なんでなん?
女:そこには間違いなく日本政府の思惑があるんでしょう。なのであたしにはわかりまへん。
男:キミが考えた物語やのに?おかしいやん。
女:元々はあたしが考えましたが、今はもうあたしの手から離れてしまって、一人歩きしてますよ。まるでハリーポッターのように。
男:しれ~っとハリーポッター出すなよ。ってか、ハリーポッターって一人歩きしてんの?
女:知りまへん。
男:知らんのかい。
女:とにかく話は先に進めたいと思います。マンさんも気になるでしょ?この物語の先っちょが。
男:先っちょどころか本体も根っこの部分も全く気にならん。
女:あらま。せめてどんな綺麗な花が咲くかぐらいは関心持っててくださいよ。
男:花咲くんか?この物語…。
女:花も咲きますし美味しい実も実ります。良ければ食べてください。
男:怖すぎてよう食べられへんわ。
女:じゃ食べんでも結構です。
男:時々冷たいよな、キミ。
女:冷たいのは常にです。フラペチーノ・ダレノガレ明美と呼んでもらっても怒りまへんで?
男:“ダレノガレ”が増えとるやん。なんで増やしたん?
女:増やしたガールですから。
男:開けたガールだけやったんちゃうの?
女:色んなガールを目指しております。
男:あのさ、こんな話ばっかりしてるからなかなか先に進まんのとちゃうの?
女:そうですね。ボンドガール目指してる場合やなかったわ。
男:目指しとったんか?嘘やろ?ふざけてるやろ?
女:あのウミガメは実はボンドガールみたいな存在ですけどね。
男:うーん…オレの頭の中ではそこまで整理できてへんぞ。
女:あのですね…ずっとマンさんが気になってる、長男がどーのこーのの話ですけど…。
男:うん。
女:あたしの考察では、政府の少子化対策が絡んでるんやないかと思ってますねん。
男:少子化対策…長男…竜宮城……ようわからん。
女:ま、そういうわけで浦島太郎くんはBJから連れ出され、例の白いミニバンに乗せられてウミガメと出会った例のビーチへと戻って来ました。
男:急に話が進んだやないか…。
女:ちなみにミニバンは、行きも帰りも中央自動車道を走って八王子JCTを経由して高尾山ICを使ったんですけど、このICが苦手なウミガメは、半狂乱になって叫びまくってました。

男:なんじゃこりゃ!?これは半狂乱になるわな。八王子JCTもたいがいやけどな…💦
女:ウミガメの気持ちがようわかります。
男:ほんでオレ今気付いたんやけど…。
女:なんでっか?
男:中央自動車道から八王子JCTを経由してこの高尾山ICを使ったってことは…ウミガメと浦島太郎が出会ったビーチって、ひょっとして相模湾か?
女:そ、そ、そ、そんな事あ、あ、あ、あたすはい、い、い、言えまへんて!!
男:相模湾やな…。
女:なんでそれを!?
男:わからん方がおかしいやろ!そんなわかりやすいリアクションしといて。
女:とにかくどこかわからん謎に包まれたビーチまで戻ってきたウミガメと浦島太郎くん。そこでウミガメは、浦島太郎くんに玉手箱を渡します。
男:おー!やっとここで玉手箱が出てきたか。やっとやなぁ。
女:ウミガメは別れ際にこう言いました。「なんでチミは太郎なん?普通は二郎か次郎ちゃうん?」
男:確かにそうやな。長男みたいな名前やもんな。
女:そしたら浦島太郎くんはこう答えました。「なんでって、ほんまの長男は死んでもうたから。そのあとぼくが生まれたんでお父さんもお母さんも大喜び。戸籍上は次男やけど、長男っぽい名前を付けたんや」
男:え…そういうことやったんか。
女:ウミガメは言いました。「ちょっと待って!?じゃ戸籍上は次男やけど実質はチミは長男みたいなもんやん。なんでそれをはよ言わんかったん?ちょっとその玉手箱返して!!開けたらあかんで!!」
男:えらい慌ててるな。
女:そらそうですよ。実質長男なんやったら竜宮城から追い出す必要なかったんですから。
男:そらまぁそうなんやろうけど。もうここまで帰ってきたんやったら玉手箱渡して別れたらええやん。
女:そうはイカの玉手箱です。その玉手箱は長男には絶対渡せない物なんで。ウミガメは慌てました。「はよ玉手箱返して!!ほんでまたあたしとBJに戻るで!!」
男:えー?また竜宮城に行くん?帰ってきたばっかりやのに?
女:そうなんですよ。運転疲れますよね~💦
男:いやそんな問題ちゃうやろ。
女:だから竜宮城に戻ろうとゆーたウミガメも、あの高尾山ICを思い出して脂汗をかきながら、浦島太郎くんにこう言いました。「やっぱりあたしはあのIC通りたくないわ~。でも太郎くんを連れて行かなあかんし…。どうしようかな?」
男:じゃあ高尾山IC使わんかったらええやん。
女:あきまへん。あのICを使う事によって、富士の樹海の風穴の中の竜宮城に通じる道が自動的に開けるんです。
男:そんな手の込んだ仕組みになってんのか?じゃああのICを通らな竜宮城には行けんってことか。
女:残念ながら…💦
男:で?どうすんの?
女:ウミガメからすると、高尾山ICを通らんとミッションが遂行できまへん。しかしもうあのICは通りたくない。通らんかったら…。
男:通らんかったらミッション遂行不可能…。どうする?
女:ウミガメは言いました。「その玉手箱はあたしが開けます。チミは離れててね」
男:え?ウミガメが玉手箱開けるん?浦島太郎じゃなくウミガメが?キミは“玉手箱明美”やねんからキミが開けたらええんちゃうの?
女:そう。あたしは玉手箱明美。だからウミガメが開けるんです。浦島太郎くんの代わりに。
男:ん?もしかしてあのウミガメは、玉手箱明美?キミがウミガメなんか?
女:さすが明智くん。名推理ですな。
男:誰が明智やねん。
女:というわけであたくしウミガメが玉手箱を受け取り、浦島太郎くんから少し離れたところまで歩きました。
男:本来は長男じゃなかったと思われてた浦島太郎が開けるはずやったやんな?一体開けたらどうなるんや?
女:見てたらわかります。ウミガメは波打ち際まで歩いてきて、玉手箱の蓋を開けました。開けた瞬間に玉手箱から大量の煙が噴き出して、ウミガメの姿が見えなくなりました。その様子を見ていた浦島太郎くんは驚いて、ウミガメの姿が見えなくなった波打ち際まで駆け寄りました。
男:ほうほう?で?どうなったん?
女:つづきは次回へ。次回は完全に最終回です。やっと終わりますね~。打ち上げせなあきまへんなぁ(ˊo̴̶̷̤ ᴗ o̴̶̷̤ˋ)
男:今回で終わりなんちゃうんかい!?なにその思わせぶりな感じ…。
女:もう最終回の展開は考えてありますから。あとは書くだけです。
男:今ここで書けよ!
女:いや、もう疲れましたよ。なんせ中央自動車道とあの複雑な高尾山IC、そして諸々を走ってきましたんで…。ほんで最終回のあとの打ち上げの場所の予約もせんとあかんし。
男:打ち上げの場所の予約て!!そっちは今考えんでええやろ。こっちをどないかせーよ。
女:勘弁してください。ウミガメ=玉手箱明美ってわかっただけでもめっけもんでしょうが。
男:別にめっけもんってほどでもないけどな…。なんとなくイメージ被ってたし。最初っから…。
女:最初っから( ̄▽ ̄;)
男:読んでるみなさん、みんなそうやったと思うで。
女:それは残念とゆーか…やっぱりなとゆーか…。
男:キミもやっぱりとかゆーとるがな。とにかくわかった。次回が最終回やな?
女:必ず終わります。「必ず終わるで」って書いたメモを金庫にしまってありますから。
男:そんなメモ見せられてもなんの意味もないけどな。じゃ、今日はこれでお開きやな?
女:はい。玉手箱もお開きしちゃいましたし。
男:それはええから。次回にまた会おか~(。・ω・)ノ゙
女:はーい。最終回でね~。ほなね~♪
つづく