男女の会話12
「玉虫色の女」


男:こんばんは。男です。
女:どうもこんばんは。女です。
男:どう?最近の調子は?
女:調子?なんの調子でっか?
男:色々やん。例えば体調とか、生活とか仕事とか。
女:体調は…まぁまぁです。生活は…ギリギリです。仕事は…ボチボチです。
男:うーむ…そんな答えばっかりかい。
女:ハッキリ答えましたがな。
男:どこがハッキリやねん。めっちゃ曖昧やないか。
女:まぁ玉虫色の女と呼ばれたりしてますからね。
男:それはそれで気持ち悪いけどな。
女:そういうマンさんはどうなんよ?
男:オレ?オレはなぁ…絶好調や。
女:ま!自分だけ絶好調って…嫌味でっか?
男:なんでオレがキミに嫌味言わなあかんねん?そんな悪意があるように捉えるなよ。
女:すんまへん。全てに悪意が込められてるように思えて。
男:なんやそれ!?オレって最悪やないか。
女:最悪な男…( ´,_ゝ`)プッ
男:笑うなやそこ。落ち込むやないか。
女:絶好調やったら落ち込む必要ないですやん。
男:それとこれとは別や。
女:でも絶好調なんでしょ?
男:だから、絶好調でも落ち込むって言うてんねん。
女:あらま。せっかく絶好調やのに?もったいないですねぇ。
男:さっきから何回“絶好調”って言うとんねん?
女:チミがゆーたんですやん。「オレは絶好調やで~!!」って。「オレに付いて来たら間違いないで~!!」って。
男:言い方もちゃうし、言うてることもちゃうよな。勝手に変えるなよ。
女:羨ますぃ~なぁ~絶好調♪あたしもなりたいなぁ~絶好調♪関わりたくないなぁ~ハゲ社長♪
男:なんでハゲの社長が出てくんねん?キミんとこの社長、ハゲてんのか?
女:ハゲてまへん。むしろ硬そうな毛が密集してます。
男:だったらハゲ社長とか言うなよ。勘違いするやないか。
女:ハゲの校長にしときます?それともハゲの理事長とか?
男:全部必要ないから。
女:ハゲの十二指腸にしときますわ。
男:意味わからんし。なんで内臓がハゲてんの?
女:内臓の事は自分で調べてみては?グーグル神業名カリスマ医師さんに聞いて。
男:結局グーグルやんけ。誰が調べるかい。面倒くさい。
女:グーグルに失礼ですね。あたしは困ったとき、グーグル家政婦さんに家事を頼んでまっせ。物陰から見られながら。家政婦は三田佳子!…みたいな。
男:三田佳子ちゃうやろ。市原悦子やろ。
女:家政婦は見た目より手際の良さを重視してます。
男:あ~ぶっさいくなおばはんでも手際が良けりゃええって事か…('◇')ゞ…って、いちいちやかましいな。おちょくってんのか?
女:おちょくってます。
男:ハッキリ言うたな…まぁええ。いつものことや。
女:まぁゆーても、あたしが家政婦みたいなもんですけどね。生活上。
男:なんや?物陰からご主人様の秘密を覗いてるんか?
女:なにゆーてはりますのん?ちゃいますよ。独り暮らしやから家政婦みたいな事してるってゆーてますねん。
男:ああ、そういうことね。
女:掃除、洗濯、買い物、炊事、DIY、ゴルフ、フリスビー、釣り、ツーリング、パラグライダー、ヒッチハイクで世界一周…
男:おいおい、ちょっと待て。途中からなんか趣味みたいになっとるぞ。
女:今のは全部趣味ですがな。
男:キミ、掃除、洗濯、買い物、炊事も趣味なん?
女:あきまへんか?あたしにとったら立派な趣味ですがな。
男:あかんことはないけど。そんな趣味があったとは…。
女:って事は、家政婦みたいな趣味を楽しんでるって事ですよね~。
男:そういうことになるな。
女:ある意味、覗き見も趣味かも…|*・ω・)チラッ
男:趣味悪いな、それ。やめた方がええぞ。
女:やめますわ。来年にはキッパリと。
男:今すぐやめろって。
女:ちなみにマンさんの趣味ってなんですのん?
男:オレの趣味…言ったことなかったっけ?
女:いや~興味ないんで覚えてないかも?
男:ハッキリ興味ないってゆーてもーてるし。気分悪いな。
女:そらあきまへん。ほら、エチケット袋( ̄ー ̄)ノ" ゜ポイッ
男:投げるな投げるな。ほんで気分悪いって言う意味が違うから。
女:そうなんでっか?あたしはまた、気分悪くて吐きそうなんかと。
男:ちゃうて。キミの発言で気分を害したってことやん。
女:あたしの発言で?そらすんまへんな。じゃエチケット袋をもう1枚進呈しますわ( っ'▽')╮ =͟͟͞͞
男:投げるなって。乱暴やな、キミ。ほんでなんでそんなにエチケット袋持ってんねん?趣味か?
女:どんな趣味ですねん?ちゃいますよ。エチケット袋のお世話になる事が多いから、常にいくつか持ってるんです。歩くエチケット袋の異名も持ってます。
男:どんな異名やねん。キミはすぐ気分悪くなるんか?
女:なりますね。お酒も弱いし、乗り物酔いもすごいです。それこそ牛に乗ってもすぐ酔いますから。
男:牛に乗る機会ってそうそうないと思うけどな。キミはどこで暮らしてんねん?
女:牛舎です。
男:マジかい!?え?どういうこと?仕事が牧畜とか?
女:いえ、普通のOLですがな。
男:いや、意味がわからん。牛舎に住んでて普通のOLって…なんで?
女:なんでって、普通に考えたらわかるでしょ?普通にOLとして働いて、牛舎で生活してますんやん。
男:えーっと…ちょっと待ってな。キミは牛舎に住んでんのか?
女:あきまへんか?交渉したらめっさ家賃が安かったんで。即決しました。
男:んー…キミの価値観っていうのがオレにはようわからんわ。いくら家賃が安くても、牛舎に住もうとは思わんやろ、普通。
女:あたしは安い家賃に惹かれたんです。普通とかなんとか言われたくないです。
男:でもさ、牛舎って臭くない?あと、騒がしくないんか?
女:慣れればなんて事ないです。住めば都はるみのう☆こ椿は恋の花です。
男:下品やぞ!!早速う☆こが登場しとるやないか。
女:すんまへんな。しっこが出てきてなくて💦
男:出さんでええわ!さっきから意味のわからん話ばっかりやな。
女:世の中意味のわかる事ばっかりやったらつまらんでしょ?
男:なにゆーとんねん?意味をわかろうとして学問や科学が発展するんやないか。意味わからんかったらボケ~っとしてるのと一緒やで。
女:確かに牛舎の中でボケ~ってしますけどね。でも色々やってますよ、ちゃんと。
男:牛舎でかい。なにをやっとんねん?
女:掃除、洗濯、炊事…お食事にカフェ&スイーツタイム付き♪
男:牛舎でお食事?おまけにカフェ&スイーツタイム?
女:はい。牛たちと一緒に。もちろんカフェとスイーツには搾りたてのミルクをふんだんに使ってます。殺菌処理まではできてまへんけど。
男:危ないなそれ…。やめといた方がええぞ?
女:今度一緒にチーズ作りしまへんか?
男:いや、やめとくわ。なんか…やめとくわ。
女:じゃあ、新鮮な牛ホルモン焼きパーチーとかは?
男:キミ…牛舎でホルモン焼きすんのか?もしかしてキミは牛を……
女:精肉店で買うてきますねん。新鮮なホルモンを。
男:ややこしい事すなすな!!勘違いするやないか!!
女:なんの勘違いですのん?牛舎住まいでジンギスカン食べる方が怖いわ。
男:あ~それも怖いかも…って、どこが怖いねん?関係ないし。
女:牛スジのお好み焼きも美味しいですよね。
男:牛はもうええから。どっか外で食えよ。
女:えっと…どっからこんな話になったんでしたっけ?
男:オレもわからん。もうどこに行こうとしてるんかさえわからんようになってもうてる。
女:じゃああたしたちは…確かな未来へと向かって歩んでいきましょうや。
男:うんうん、それがええかも~…って、なんでキミと一緒に未来へと歩んで行かなあかんねん?あんまり考えたくないんやけど。
女:そうやんね、あたしも(^_-)-☆
男:シバいたろか。
女:さてと…そろそろ部屋の掃除せんと。
男:部屋の掃除?散らかってんのか?
女:散らかってますね。ワラがいっぱいあって、しかも汚れてますから。交換せなあかんし。
男:キミの部屋はワラにまみれてんのか?
女:だって牛舎やって言いましたやん?
男:牛舎の中にある部屋ちゃうの?
女:牛舎の中で区切られた一角です。
男:それって結局、まんま牛舎やん。
女:さっきから牛舎やってゆーてますやん。
男:…キミ、もうちょっと住むとこ考えた方がええぞ?
女:え?やっぱり?
男:うん、すぐに考え直せよ。
女:まぁずっと前から悩んではいたんです。あっちにした方がええかな?って。
男:なんや。ちゃんと考えてたんかよ。なら良かったよ。ところであっちって?
女:厩舎です。
男:おんなじやーん。牛と馬だけ違うだけやーん。
女:発音もけっこう似てますでしょ?(笑)
男:なに笑ろてんねーん。頭大丈夫か?
女:そうですねぇ。頭は大丈夫ですけど、精神的なもんがあかんっぽい?
男:それを聞いとんねんて。
女:なんかねぇ、精神的にちょっと重いんですわ。
男:重い?そらあかんがな。心の病かもよ?専門の病院行った方がええんちゃうか?
女:まぁあたしにはわかってますねん。
男:なにがわかってるん?
女:きっとあたしはヘビーメンタルですわ。
男:ヘビーメンタル?
女:はい。ギンギンのギターサウンドに重低音のベースとハイテンポのドラム。極めつけは高温で唸るようなヴォーカルね。
男:それ、ヘビーメタルやろ。
女:まぁいわゆる、ヘビーメタルなヘビーメンタル。それがあたしです。
男:病院行って来い。今すぐに。
女:えー?つい最近ヘビーな肛門科に行ったばっかりやのに~。めんどっち~わ~。
男:今、オレがすぐ精神科に行きたい気分やわ。
女:そうなん?じゃはい、これ。いっぱいあげるから持って行って( ̄ー ̄)ノ" ゜ポイッ
男:なにこれ?
女:エチケット袋。遠慮せんでええからね。
男:いらんし!!やめさしてもらうわ!!
女:えー残念。じゃエチケット袋返してね。手作りやから。
男:手作りすなすな。いったい何個趣味あんねん?
女:玉虫色の女ですから。
男:やかましい。はい撤収すんぞ。
女:はーい。じゃ次回はハロウィン特集かな?
男:そんなに先なんかーい。
女:んなわけないか(笑)
男:じゃ、またな。
女:はいはい。ほなね~♪

終わり