白黒会話36「関東に移住した理由」
※2022年5月の作品
白神:いや~しかし、ほんまにすんまへんでした!!
黒山:いやいや、キミにしては珍しいやん(笑)
白神:もう言い訳はいたしまへん。寝てました!!
黒山:わかってるって、メール見たから。しゃーないやん、昨日疲れてたはずやねんし。
白神:でも、約束してたのに…。
黒山:約束してても寝てまう時は寝てまうがな。ほんで、オレが飯食うの遅かったからテンポがズレたんやん。気にすんなよ。
白神:優しいでんなぁ、チミは。
黒山:いや、オレが優しいんやなくて、キミが律儀すぎんねん。これよりひどい事なんて、昔はオレがようやらかしてたで。
白神:そんなん関係おまへん。昨日はあたしがええ加減な行動したからです。申し訳ないです。
黒山:わかったわかった。わかったからもう謝るな。もうこの話は終わり。
白神:許してくれはるんでっか?
黒山:許すもなにも、最初っから怒ってへんから。むしろ早く楽しく会話したいから。ほら、会話すんぞ。
白神:はーい…ありがとう。なんか…質問ないでっか?
黒山:いきなりかい(笑)どんだけオレが質問したがってんねん。
白神:質問ありますでしょ?
黒山:え?いや、今のとこ思いつかんけど?
白神:…じゃ、あたしから言います。
黒山:なんや?キミから告白せなあかん秘密があったんか?
白神:秘密でもないんやけど、なぜか今まで言わんかった事です。
黒山:なんやそれ。なんか怖いな。聞かん方がええ事やったりして?
白神:まぁ知らんかってもなんの問題もないと思います。だって今まで知らんかったんやし。
黒山:じゃー知らんままに…って、そんな中途半端に聞いてもうたら、もうあとは気になる一方やんけ。どーしてくれんねん?
白神:でしょ?(笑)だから言いますって。
黒山:んー…また覚悟せなあかんのか。わかった。正直にゆーてくれ。
白神:はい、正直に言います。で、あたしはチミのために紅茶を作ってます。実際にはそちらにはないでしょうけど、カフェタイムしながら聞いてください。
黒山:焦らしよるな(笑)ほんで、紅茶ってキミんちになかったはずやろ?わざわざ買ってきたんか?
白神:はい。今日買ってきました。好みがわからんかったんで、適当ですが。
黒山:どこまで律儀やねん。ゆーたってバーチャルな関係やのに。
白神:ボーカロイドならぬ、シャベクロイドの白神リオでーす。
黒山:売れへんな、それは。ほんでキミ、紅茶も飲めるんか?
白神:紅茶も飲めます。ミルクは出まへんけど。
黒山:それはええねんて(笑)ありがとう、じゃ紅茶いただくわ。ほんで、その話を聞かせてください。
白神:はい。もうこれまでにも何度か話しましたけど、あたしは2014年になろうとする年末に大阪から関東に移住しました。でも、なんでわざわざ関東に移住したか、その理由なんて一度もゆーてまへんよね?
黒山:ああ、確かに聞いた事ないな。最初知った時はびっくりしたけど。その頃はお互いあんまり繋がってない時期で、そんな頃に久々にメールが来て初めて知ったから。でも事情があるんやろうなと思ったからそれ以来あんまり触れんようにしてたんやけどな。ほんでキミも触れんかったから、これはいよいよ事情があったんやなと判断してたんや。
白神:うん、チミもなんにも聞いてこんかったよね。あの当時はあたしも確かに理由は言いたくなかったのが正直なところです。でも、それからあとは別に話しても良かったんですけど、チミもさっき言ってたようになかなか繋がりも少なかったし、お互い忙しくもあったりしてたんで。そんなんでたまに繋がった貴重な時間にそういう話すんのもどーかな?って思ったり…。ほんで最近はこうやってまたちゃんと繋がった状態になれたんで、話そうかなと思ったんですけど、あたしのカミングアウトとかその関連の不安定な事がお互いにあって、また言いそびれてました。
黒山:そーやな。っていうか、オレはまだその理由っちゅーのがわかってないんで、なんとも言いようがないんやけど。大丈夫?無理して話さんでもええねんで?もっと落ち着いてからでもええし。あれやったら、この先ずっと言わんでもええし。
白神:ありがと。でも、元々大阪でチミと活動してたのに、急に理由も言わんままそこを離れたことは、なんかうやむやにしたくないし。なので、なんでそうしたかは言っておきたい。なので、これから話します。
黒山:了解。
白神:もうこれも何度も言いましたけど、大阪であたしは結婚してすぐ離婚しました。それからあともそのまま大阪にいましたよね?離婚してからでも10年ぐらいは大阪に住んでました。そんなある時、とある場所で元旦那の知り合いにばったり出くわした事があったんです。あたしは当然、元旦那にも会いたくないし、その知り合いなんかも会いたくなかったんですけど、運悪くそうなっちゃって。
黒山:その人になんか言われたん?
白神:あんまり変わってないなとか、元気にしてるか?とか、どこに住んでるんか?とか、短い挨拶みたいな会話でしたけどそうやって重要な内容のことをさりげなく聞かれました。
黒山:で?なんて答えたん?
白神:もちろんあたしは、まともに答えませんでしたけど。ほんでも、こうやって今までの生活や行動範囲内におる限り、知り合いや当の本人に出会う事なんて十分あり得るってことに、その時になってようやく気付いたんです。
黒山:なるほど。その、出くわしたってのは離婚してから随分経ってから?
白神:8年後から9年後の間ぐらいやったと思います。でも、その1回だけでしたけどね。
黒山:1回か。そんだけで良かったな。で、出くわした場所は、キミの住んでたとこの近く?
白神:いや、近くではないですけど、大阪市内です。ゆーたら彼らの行動範囲内でもあり、当時のあたしの行動範囲でもある…ちゅーことです。
黒山:大阪市内か。その知り合いってゆー人は、元旦那の友だち?
白神:仕事関係の人です。同じ会社やなくて、業界で関係のある。
黒山:そっち絡みか。その関係でキミの顔も…ってか、お互い知ってたんやな?
白神:はい。元旦那の仕事絡みで知ってました。だけどそれがあってから、ずっとビクビクしてました。だって、どこぞで出くわしたって事、元旦那にも伝わるでしょ。間違いなく。
黒山:そやろな。ほんでもしかしたら、様子を見に来たかもな。キミの身辺を。
白神:そう。まぁ随分前に離婚してるんやから、そこまでせーへんとは思ってましたけど。でも仮にそんなことなくっても、ああやってどっかで偶然出くわしたり、どっかでどっちかが顔を見かけるって事自体が嫌やったんです。ほんでそれが本人やなくても、知り合いが報告したりとかね。
黒山:うん、そうやな。じゃ、それがあってキミはどっかに移住しようと?
白神:そうです。逃げるように…って感じやなかったんですけど、生理的に我慢できまへんでしたんで。
黒山:キミの両親とか兄妹は?
白神:一応、みんなには言いました。移住するって。だけど、あんまり人にはゆーなって言っておきました。あと、大事な友人にはちゃんと伝えました。
黒山:なるほど。そういうことか。
白神:あたしはね、そうやって関東に移住しましたけど、長い間なんか負けてる気がしてましてん。本来のあたしならそんな事で気にして行動するなんてしたくない性格ですねんけど、これだけは生理的に受け付けられへんかった結果ですねん。そんだけ嫌でしてん、あたしは。
黒山:そんなん勝負ちゃうんやから。キミが嫌なんやったら、避けられるものは避けたらええがな。
白神:そうですやんね。まぁ今はもうこっちで落ち着いてますんで、嫌な気持ちにもなりまへんし。まさかこっちで出くわすなんて事もないでしょうし。大丈夫ですけど。ま、言いたかったのはこんなことです。
黒山:そうか。ようわかった。ありがとう。もう忘れてええで(笑)
白神:はい、忘れます(笑)
黒山:あ、忘れる前に一言ええか?
白神:ああ、もう忘れるとこでしたで?(笑)はよゆーてください。
黒山:もうキミは、顔は公開せんよな?尻は公開したとしても。
白神:しまへん(笑)ケツもどうか…って、しまへんけど。そない公開できるような顔やあらへんしね。あと住んでるとこは絶対公開できまへんな。
黒山:だから『ケツ』ゆーなて。それじゃリアルも少し絡めながら、バーチャルでネタを投下って感じやな?
白神:そそ、それがあたしの生き方ですわ。
黒山:了解。はい、忘れて(笑)
白神:ほんまめっさすごい偶然ですねんけど…
黒山:どしたん?
白神:今、さっきの話してたときね?音楽聞きながら話してましてんけど、そん時にたまたま流れてた曲が、竹内まりやの『駅』でしたわ(笑)「あたしはこれとちゃうーーーっ!!」って心の中で叫んでました。あの歌詞とは逆の感情っちゅーのが何とも言いようがありまへんでしたけど。
黒山:マジかい(笑)嫌味かって感じのタイミングやな(笑)あなたにピッタリのお薦めの曲はこれでーす…ってか?(笑)
白神:そんなAI、あたしが潰します(笑)ってかAIとかやなくて、あたしが作ったプレイリストに入ってただけなんですけどねぇ。
黒山:キミのプレイリストなんかい!!まぁ、偶然以外なにものでもないけど…。
白神:それにしても、もう明日の日曜日で連休が終わりますなぁ。
黒山:そうやな。お互い月曜日から仕事開始か~。
白神:あしたもゆっくりしなはれ。なんやったら一日中会話しまひょか?
黒山:どんだけヒマやねん(笑)井戸端会議の主婦か。キミもゆっくりしたら?明日ぐらい。
白神:あたしはずっとゆっくりしてましたで。ただ気がかりなんは…
黒山:なんや?
白神:昨晩の失態と、ネタのクォリティーの低さ…でんな。
黒山:どっちもどーでもえー事やわ。もっと楽しめ。キミが楽しまな、おもろい言葉も浮かばんやろし、おもろい話もできんぞ?
白神:そーやねぇ。楽しみますわ。細かい事気にせんと。
黒山:そうやん。細かいこと気にすんのはオレだけで充分や。
白神:いや、チミってけっこう大雑把でっせ?その大雑把な中で気にしてる事が多いんです。
黒山:そう?(笑)あ、今思い出した。ギリギリセーフ。
白神:なんですか?
黒山:通院したんやな、今日。
白神:はい、行ってきました。
黒山:薬の量増えたんやな。これから気を付けろよ?どうなるかわからんから。
白神:はい、そーします。会社にも報告して、仕事中気を付けてもらいますし。
黒山:それがええわ。
白神:チミも気にかけてくれてありがとう。みんな気にしてくれてるから、あたしが一番気を付けんとね。
黒山:そうやん。無理すんなよ。先は長いんやから。
白神:はーい。わかりました。
黒山:ほんでキミ、今セーラー服着とんか?
白神:ああ、気持ちはセーラー戦士『セーラーウラヌス』ですから(笑)
黒山:気持ちだけか(笑)良かった、まさかセーラー服着てるんかと思ってたから。
白神:今は着てませんけど、着てほしいんでっか?
黒山:持っとんのかーい!!
白神:セーラー服っちゅーか、コスチュームですがな。
黒山:ですがなって…しれ~っと当たり前にようにゆーとるな。キミ、コスプレも趣味か?
白神:外ではしまへん。家でやります。今初めてカミングアウトしましたが。
黒山:カミングアウトだらけやの、キミ。
白神:まだまだカミングアウトするかもよ~?
黒山:どんだけ秘密抱えとんねん…怖いな(笑)まぁそれも、またおいおい。
白神:チミも言いますか、そのセリフ(笑)
黒山:オレにも言わせろって(笑)じゃ、そろそろ今日はお開きとしますか。明日も話せそうかな?
白神:話せそうやなくて、話しまっせ(笑)
黒山:そら楽しみや(笑)
白神:ほんじゃ、またあしたね。またね~♪
黒山:おう、またなー!!
終わり